さあ、今回はフランス編なのだ!!
第二回目「フランスパン 食べ 行こう」
…あこがれのパリ。ロンドン。
まず旅行に行く前の準備をしなければいけません。まずはフランスにレコードを買いに行った友人から話を聞き、その彼からお手製のレコマップを頂きました。その彼曰く「ポータブル・レコードプレイヤーも必要」とのことで、早速購入。更に「『旅の指差し会話帳 フランス』という本が手元にあると物凄く便利!」ということも聞いたので、言われるがままにそちらも購入。さあこれで準備万端、いざ出発です!!
初日はロンドン。気持ちが昂っていたせいか記憶がだいぶ曖昧で、その日自分が一体何をして過ごしたのかが思い出せない…初日は多分、友人の家で思い出話にでも花を咲かしていたような気がしますが、ともかく次の日には念願のフランス入り!ユーロスターで流れる景色を見ながら、憧れのパリへの期待に胸を踊らせるのでした。
フランス滞在は3日間。フランスに到着してまず最初にしなければいけないのがホテル探し。凱旋門のあたりにある観光案内所的なところに行けばホテルを紹介してくれるというので、そこを目指す為にまず例の『旅の指差し会話帳』を開いてみました。コレさえあれば怖いもんなんて無いもんね~!
『旅の指差し会話帳』を片手に、私はたまたま目の前を通り掛かった気さくそうなパリジャンを捕まえ、ちょうど良い感じの質問文が載っているページを開いて指し示してみました。するとその心優しいパリジャンは小さく頷いて、アレコレと行き方を教えてくれたのですが、私はその時ハッと気が付きました。
私:「エクスキューズ・ミー!!(と、言いながら『旅の指差し会話帳』の中のページを黙って指差す)」
パリジャン:「○&’%♪※#”’☆□0’△★~!!」
…そうです!向こうの言ってる内容が全く分からない!!
とりあえずそこは一番の笑顔で「サンキュウ!」と返すのが精一杯。向こうが笑顔で「オー・ルボワール!」とか何とか言いながら去って行ったあと、私は見知らぬパリの街角で一人、ただひたすら途方に暮れるしかないのでした…。確かに『旅の指差し会話帳』は実用的ですが、リスニングが厳しい人にとってはあまり意味を為さないので充分お気を付けください。
とはいえ私にも中学生レベルの英語力と、ジェスチャーという強い武器があるので、気を取り直して凱旋門へと向かいました。凱旋門の観光案内所的なところでルーブル美術館の近くにあるというホテルを紹介してもらい、ひとまずチェック・イン。
再度外出して初日の目的だったショッピングとルーブル美術館閲覧を無事クリアしつつ、次の日の観光とレコ屋巡りを効率的にこなしていく為に、夜はホテルに戻って予定を立てる事にしました。行く場所と行動予定を全てメモに書き出して、更に迷子にならないよう地下鉄の乗り換えなんかも入念に調べて…よし、これで万全だ!
2日目。前日立てた計画をスケジュール通りに消化する為に、私は朝早くからホテルを飛び出して地下鉄へ。でも何だか様子が変…駅の張り紙を見てみると、何とストライキの為終日運行休止!!地下鉄の乗り方しか把握してなかったからバスとか他の交通手段については全く分かんないし、どうやら本数は大幅に減少していても一部のみ運行している様子だったので、この際多少時間が掛かってもいいから地下鉄で移動することにしました。
まずは、ちょっと離れた場所(地名を忘れてしまいました)にあるレコード屋に。そこは7インチ盤の在庫が充実しているお店でした。店員に試聴してもいいですか?と訊いて、持ってきたポータブル・レコードプレイヤーにヘッドホンを差して試聴開始。そこは意外と値段が高く、飛行機代なんかも考えたら日本で買うのと大して変わらないような気もしましたが、結局数枚ほど購入して次の店に向かうことに。
その当時は映画の『アメリ (Le Fabuleux Destin d'Amelie Poulain )』が流行っていたので、話の途中に出てくる例のカフェでお茶してみたり、モンマルトルの丘とかに足を伸ばしてみたり。そこから更にブラブラと散歩しつつもう一軒のレコ屋へと。そこは結構広くて、かなり雑然とレコードが置いてあるようなお店だったのですが、値段もかなり安かったので一気に数十枚単位で購入。オーナーがおじいちゃんで、いっぱい買ってくれたからと安くしてくれました。ラッキー!
気づくと外はもう薄暗く、随分荷物も重く感じてきたので、今日のところはホテルに戻ることにしました。良い買い物が出来たので部屋で気分良くワインを飲もうと思ったところ、ワイン・オープナーが見当たりません。フロントまで行ってホテルマンを呼んだけど誰も出てきてくれないので、怖いもの知らずな私はホテルの食堂内を勝手に探してみることにしました。暫くして何となく食堂の入り口に人の気配を感じたので顔を上げると、そこには鬼の形相をした食堂従業員と思しきオバちゃんが!「ちょっとアンタ何勝手に物色してんのさ!!」と言ってたかどうかは良く分かりませんが、何とかワイン・オープナーを探してるという旨を伝え、結果的にはワイン・オープナーを貸して貰えたのですが、最後の最後までオバちゃんは私から疑いの眼差しを外そうとはしませんでした…。
そして最終日。フロントでチェック・アウトを済ませようとしたその時私の目の前を横切ったのは、なんと昨晩のオバちゃん!挨拶を試みようとしている私を尻目に、「また来てね」と言わんばかりに他のお客さんに対してハグをしている様子を見ながら、ハグどころか目も合わせて貰えない自分は、すっかり泥棒扱いのままなんだな、と察しました。
そんな切ない気分を引きずりながら地下鉄の駅に向かうと、案の定今日も朝からストライキ。悪い事は重なると言いますが、滅入った気分のままセーヌ川のほとりをトボトボと一人歩いたのでした…。
パリを去るこの日はまずポンピドュー・センターに行き、ユーロスターの発車時刻を確認。発車までまだしばらく時間があったので、その短い時間を活用して近所のレコ屋を覗いてみることにしました。
そこは夫婦でやっているお店で、どうやらオバさんの方にしか英語が通じないようでした。たまたま手持ちの現金が無かったので「カードは使えますか?」と訊いてみると「大丈夫」とのこと。ひとまず安心してレコードを掘り始めてはみたものの、値段も決して安くはないし、そこまで気に入るようなものが無かったので、枚数的にも必要最小限の分だけ買って帰ろうとレジに持って行くと、赤い顔をしたおじさんが私に向かってフランス語で何かを叫んでいます。
困惑しながらもよく見ると、おじさんは「ジャポネ!ジャポネ!」とか言いながら私を追い払おうとしているようでした。一方おばさんの方は「ゴメンね、この人酒飲んでるから。」とあくまで冷静に私に気を遣ってくれているみたいだったのですが、それと反比例するかのようにおじさんは「レコードは現金で払え!」だとか、「昔日本人が大量に買い付けをしていったのが気に食わないから日本人は嫌いだ!」とか…(そのときはそう理解したのですが、真実はもはや解りません)、徐々に声を荒げながら私ににじり寄ろうとしてきます…こ、怖い!
私に対して物凄い剣幕でキレてくるおじさんはいるし、現金で払えと言われても手持ちが無いし、おまけに時間も無くなってきたし、もう…とにかく嫌だし!と、いうことで、「選んだレコードですけどもう要りません!」と断って、一刻も早く店から離れることにしました。おばさんの方は「また来てね~!」と最後まで一応フォローをしてくれてはいましたが…
誰が行くかー!!もう二度と行きたくないっ!
流れる景色を再びユーロスターの車窓から眺めながら、憧れのパリで起こったハプニングの数々に、思わずひとり微妙な笑みを浮かべるのでした…。
ほろ苦いフランス編に続き、次回はロンドン編だよ!