ということで遂に来日してしまいました、NY の生ける伝説 ERIC'N'THOMAS!!
NY では昨今の ELECTROCLASH 系サウンドの基盤になったと言われる彼らの存在は、まだ日本ではほとんど知られていません。2002年あたりに突如として押し寄せた LARRY TEE とエレクトロ、ニューウェイヴ系リバイバルの真相に迫りたいと思います!!
INTERVIEW+TEXT: YUI TAMURA(JET SET KOBE)
E+T: ドーモ、ドーモ〜!! ドーモ・メン!ドーモ・メ〜ン!!(※注1)
※注1: ドーモメン
日本語の「どうも」を覚えたらしく初来日の THOMAS はおおはしゃぎで「どうも」に MAN をつけたドーモメンを連呼。ちなみにメンというのはスラングで言葉尻につけたりします。「なあ」とか「おい」に近い感じでしょうか。
用例:THANK YOU = THANKS MAN! / WHAT'S UP = WHAT'S UP MAN! / TAKE CARE = TAKE CARE MAN!!
J: どーもめん、どーもめーん。 じゃあ早速インタビューをはじめたいのですが、日本の音楽業界ではにわかに君達の存在が話題となってるんだよ。突然!!!(※注2)の REMIXER に起用されたから、というのもあるけど、DANIEL WANG(※注3)や、前述の!!!がインタビューなんかで君達の名前を挙げたりしていて、何かよくわかんないけど、どうも興味深い人たちがいるらしいってことでね。少し前にリリースされた MIX CD(※注4)も、!!!のリリース前で無名だったにも関わらず一瞬で売切れてしまったんだ。
※注2: !!!
もちろん CHIK CHIK CHIK のこと。よび方は" POW POW POW", "BANG BANG BANG" でも何でもいいから三つ並べて言えとのこと。RAPTURE, RADIO 4 らと同列で語られることの多い 80'S というか LATE 70'S POST PUNK リバイバル・サウンド。ちなみに 2000年にリリースされた GSL からのファーストアルバム "!!!" は当時 JET SET 神戸店勤務だった私がハウスとしてオーダー、"KONK とか ESG 好きなら買え!"という感じで展開するも、当時その手のリバイバル傾向など皆無だったため、まるで売れず即セール行きとなったりしましたが、いまでは WARP 初のロックバンドとなり飛ぶ鳥を落とす勢いの人気。
※注3: DANIEL WANG
もはや説明不要かとは思いますが、NY アンダーグラウンド・変態ハウス代表の BALIHU レーベルオーナー。1993年に制作活動をスタートし、70年代後半〜80年代のサブカルチャー色の強い DISCO への憧憬を形にした独特の変態 DISCO 的質感のサウンドは、METRO AREA, IDJUT BOYS, 最近の CHICKEN LIPS 関連作品などに影響を与えている。現在は活動拠点を BERLIN へと移す。
※注4: MIX CD
彼らの NYでのパーティ "RUB AND TUG" の LIVE MIX CD。某ウェブで発見され、即エリックに問い合わせたところ「あーあるある」と激ユルイ返事が…そんなんあるなら教えてよ…。彼の勤務先 A1 で直接手渡され日本へ送りました。ほぼ無名だったしそんなには売れないかなーと思いきや、何故か即売れし、その後も問い合わせ多数。リスナーは本物を求めてますねえ。
E: あー、あの MIX CD!!もうNYでも売り切れちゃったんだよね〜!!
J: そうっすか…今でも問い合わせ多いんだけど…残念。そう、とにかく今、日本の音楽業界人達がこぞって興味を示しているんですよ。まず簡単な自己紹介をお願いします。いつ頃 DJをはじめたんですか?
E: もう結構たつけど、ハッキリいつっていうのはな…覚えてないな。
T: 俺は90年初頭かな。
J: 特にインスパイアされたアーティストや DJっているのかな。
E: そうだなー、いろんな場所や人からがあるけど…今回一緒にきてる PAUL TAKAHASHI それから横にいる THOMAS, MICHAEL K. や A-RON THE DON(※注5)とか、あと HARVEY とか。
※注5: MICHAEL K. や A-RON THE DON
A-RON THE DON は 彼らの上述の MIX CD をリリースした aNYthing というレーベルらしきものに所属。まだこれといったハッキリした指針や活動が行われているわけではないので謎も多いです。
MICHAEL K. はロンドンに STUSSY や BATHING APE といったブランドを流通させた GIMME 5 というブティック・ストアのオーナー。
T: おいみろよ!あいつのTシャツ!!ほらすごいよ! "I HATE TEXAS" だって!!!
E+T+J: あっはっは!ドーモ・メーン!!!
J: 最近買ってるレコードはどんなのですか?
E+T: そりゃもう、どんなものでもだよ!
J: うーんまあそりゃあそうですねえ〜。最近の NY のハウス系クラブはどうですか?
T: クラブにはほとんど行かない。
E: 俺らの毎週土曜のパーティ "CAMPfire"(※注6)もそうだけど、今は小さいバーやアパートのロフト・スペースを使用したパーティのほうが絶対楽しいよ。
※注6: CAMPfire
こちらも彼らが定期的に行うパーティの名前。NYのオシャレさんエリア・チェルシーにある小さいけど激オシャレなバーにて行われていて、毎回ピースな空気+パーティピープルで溢れています。
J: たしかに BRENNAN GREEN(※注7)や ALEX もそうだし、ちょっとハイプな感じではあったけど、LARRY TEE のやってた LUXX(※注8)もライブ・ステージのあるバーって感じだったし、FRANCOIS の CIERO(※注9)もバーっぽいつくりになってますねえ。実際のところ真性パーティピープルが集まってるのはバーって感じですね。いいバーは音質もこだわってるし。
※注7: BRENNAN GREEN
NY の HOUSE クリエイター兼DJ。BALIHU からのリリースにより頭角を現し、OUTPUT, WAVE といったレーベルへも REMIX を提供、最近では NY の注目のニューレーベル MODAL からもリリース。また人気オシャレクラブ APT で行われている定期パーティ POP YOUR FUNK やその他 RADIO 4 のライブのアフターパーティなど DJ としての活動も精力的に行っています。実は B-BOY でスクラッチ、ヒューマンビートボックス、ブレイクダンスまでやっていたそう。DJ PLAY では HOUSE, DISCO をメインに KELIS の大ヒット曲 "MILK SHAKE" を変態 HOUSE トラックにブレンドして生マッシュアップ状態だったり、スクラッチを交えてみたり、色々楽しませてくれます。関西人彼女の影響により変な日本語を使えるオモロい人。
※注8: LUXX
WILLIAMSBERG にて LARRY TEE がひたすら変態エレクトロなセットでヘッズをロックしまくってた小箱。MANDY COON の WIT や AVENUE D もライブしていましたが現在はクローズ。ちなみに LARRY TEE はマンハッタンの CROBAR にて毎週プレイしております。DJプレイは ARTHUR BAKER とか JELLYBEAN とか本気な濃厚エレクトロ好きが、今の音楽もガンガン買ってるという感じのセットで、一般のエレクトロクラッシュという言葉のイメージよりも、ややドイツよりな変態エレクトロ・テクノ的な感じです。
※注9: CIERO
こちらも人気クラブ。チェルシー近辺にあるこちらは、ややハイプでセレブ受け狙いな雰囲気ですが、とりあえず今のところは毎週月曜の FRANCOIS K. による DEEP SPACE が看板パーティ。REGGAE, D'N'B, HIP HOP, ROCK を MIX した、GARAGE 精神への回帰的なスタイルでやはり彼は別格。そのほかでは水曜に KEVIN HEDGE, LOUIE VEGA らがやってたりします。
J: その LUXX でエレクトロクラッシュとよばれるムーブメントが起こるわけだけど、今エレクトロクラッシュと呼ばれているものは君達のスタイルが源流になっていると思える節があるんだけど、例えば THOMAS が 90年代なかばにはエレクトロ嗜好の強いイタロ・ディスコ(※注10)のセットをプレイしているけど、最近のアーティストでその辺からインスパイアされている作品も多いですし。
※注10: イタロ・ディスコ
これまではユーロ・ディスコ、ひどいときはハイエナジーなどと十把一絡げにされていたものですが、名前の通りイタリアン・スタイルの DISCO のこと。ということなのでイタリアで作成されたものだけを指す言葉ではありません。一部 DISCO マニア達の間では評価され続けていたイタロ物ですが、2002年ごろより急激に再評価熱が上がってきて、最近では数多くリプレスもされ、広く注目を集めています。
E: どうかな?
T: それについては流石にわかんないや。
J: お互いを知り合うきっかけはなんだったんですか?
E: DJをしているうちに知り合った。
J: ではでは皆さん気になっているところだと思うのですが、!!! の REMIX について教えてほしいのですが、どういう流れで今回のコラボとなったのでしょうか?
E: 彼らはよく俺らのパーティに遊びに来てくれてたんだよ。パーティで知り合って、彼らがオファーしてくれたんだ。
J: ああ!じゃあ !!! が某日本の雑誌で言ってた HARVEY 周辺の DJ というのは ERIC'N'THOMAS のことだったんですね??
E: 多分そうだよ。
J: そうですよね。HARVEY と一緒に NY でやってたのって ERIC, THOMAS くらいでしょ。そういえば THOMAS がいま HARVEY とやってるプロジェクト、MAP OF AFRICA の作品を聴かしてもらったんだけど、
T: 聴いたのか!?きいたのか!!??
J: すごいよかったですよ。ハウスとかダンスミュージックではなくて 70'Sロックっていう感じですよね?
T: そうなんだよ〜!
J: どのくらい進行してるんですか?
T: 結構たくさん録音したよ。
J: あれって生バンドなんですか?
T: そう!俺が歌も歌ってる。
J: なるほど!!今後がたのしみですね〜〜!!ではでは最後に日本へ一言!
E: AIN'T NUTHIN' BUT A PARTY!
T: ドーモ!ドーモ・メン!

DANIEL WANG いわく DISCO ヒッピーな彼らは、終始ピースというか酔っ払いな様子でどうにも手に負えず、なんだかよくわからないことになってるのですが、とりあえず今後も目が離せない存在だということは間違いなさそうっすね!