post in shimokitazawa - vol.2 [2015-10-24]

さわやかな秋晴れの日々が続く今日この頃、いかがお過ごしでしょうか

 

春の季節なのにそんな書き出しでハガキが届いたことがある。季節なんて、案外自分でつくりだすものなのかしら。

夏の暑さとどよめきも通り過ぎ、空気が澄んで冬に向かってゆく絶妙な季節。

夜の長いこの時期は、なんだか本という本を読みたくなる。

ズンと広げて読み進めるうちにカバーが少しずつ手になじんでゆく、そう単行本ですね。

 

本には、中学生の頃は興味がなく、朝読書の時間に学級文庫に最後に売れ残った『冬のデナリ』(ノンフィクションの登山の話。素晴らしかったです!)の思い出しかない。

高校二年生のとき好きだった男の子が、ある日『キッチン』(著 よしもとばなな)を差し出し「これ真舘さん好きそうだから」と貸してくれたのが、私にとって色々な本とのはじまりになった。

先生に怒られるくらい早い時間に学校にきて干し芋を食べながら読んだり、学校の行き帰り歩きながら本を読む時期もあったし、その頃の私はなんとも危ない登下校中の女子高生だった気がする。

 

今思い出したけれど、彼に借りた『デットエンドの思い出』(著 よしもとばなな)をずっと返してない!あぁごめんなさい!

 

下北沢に本屋さんはいくつかありますが、たまに立ち寄るのは「CLARIS BOOKS」。

一番街の真ん中あたりを少し曲がったところに入口があり、二階にあがると現れる小さな一室の古本屋さん。

 

 

ある日、久しぶりに家に帰ってきた姉と一緒に、大量のデザイン書を売りに行ったのが馴れ初めであった。その時に目に留まった本があり、うぅ、これは今度買おう、と

諦めて姉の後ろに続いて階段を降りたところで、頭の中にビビッと何かが走り、これは今しか買えないぞ!とお告げが下りタタッと階段を駆け上がり「これください!」とこの本を購入したのだ。(百円)。

 「いい本買いますね」とお店のお兄さん。

だっていい本が目に入るようにセレクトされた陳列をされているから!

ここの古本屋さんは何故かとっても気になる本ばかり置いてある。

 

 

滅多に乗らない新幹線でゆるりと読んだ。小津安二郎が大好きなのでうれしい買い物でした。

小津作品は原節子が出ている『麦秋』がお気に入り。

先日ここへ行った時は1997年の『olive』を購入!2月号にバレンタイン特集があって可愛かったのだ、今は秋だけどね。

その時に店内でルー・リードの何かのアルバムが流れていてそんなところもグッときた!

 

下北沢南口を出てすぐにあるおなじみ「B&B」は、あぁこの本が欲しい!きっとここならあるぞ!というときに行っています。

当時北口にあったピリカタント書店という本屋さんのお姉さんが、19歳の誕生日のときにプレゼントでくれた『愛情生活』(著 荒木陽子)を今年はじめてゆっくりと読んだ。陽子さんとアラーキー、この二人の何かにものすごくはっとして、心の奥で大切にしたいと思った。

 

そのきっかけで、写真に詳しくもないのだけれど旦那さんのアラーキーがどうしても気になってきてしまい、「B&B」に行き彼の本を購入したのが最近のことである。様々なジャンルの本があるのでとても嬉しい。

二人の本を読みながら部屋でとくにきいていたのがThe Softies『It’s Love』。このCDはとってもセンチメンタルな気がする。レコードがほしいから探しに行きたい。これこそセンチメンタルな旅だわ!

 

 

スズナリの近くには「古書ビビビ」がある。古本が主だが、入ったところのテーブルには面白そうな新書や、写真家の最新の写真集、ジンなども置いてあり、いつも楽しんでいる自分がいます。

 

古本の文庫もそろっていて、私はいつも目に留まる『武器よさらば』(著 ヘミングウェイ)を買いたくなる。大好きな邦画『Lie lie Lie』(監督 中原俊)のなかで「ヘミングウェイみたいに死ぬ?」と問いかけるシーンがあるからだ。出会いはいつも必然だなぁと思う。 

この映画の原作小説『永遠も半ばを過ぎて』(著 中島らも)もまだ見つけてない。そして音楽をBONNIE PINKが担当していて、それも超素敵なのです。サントラを買いたいのを思い出した!どれが先かしら!

 

本のことを考えて下北沢を歩いていると、思っているよりも本屋さんが多くあるなぁと感じる。古本屋さんが多いかな。ここにも、ここにも、あ、ここも良いのよね。と沢山紹介したくなってしまうけれど、人それぞれにシックリとくる本屋さんがあるのですよね。

 

本を持って、カフェのようなコーヒー屋さんへ行くのも楽しい。

「COFFEA EXLIBRIS」は夜22時までやっていて、いつも新しい種類に挑戦したくなるけど、ブラジルのセルトンが好きです。

「トロワ・シャンブル」も本を読むのにはとってもぴったりに思う。

あぁ、大きな窓のある喫茶店で待ち合わせをしたい。

うる星やつらでそんなシーンあったな。うひょー、ロマンチック!

 

 

秋の風はどこまでも情緒的でせつない。小学生の時も中学も高校も、制服でも私服でも、今だっていつだってそう感じている気がする。でも少しづつ変わっている何かもあるから、ふしぎで、とってもいい。下北沢はこの時期カレーフェスや音楽フェスもやるし、夏とはひと味ちが賑わいを見せるのだろうな!

このあたりから中目黒、代々木公園の方とか、長めの散歩にも行けますね。寒くならないうちにたくさん歩きたい。どこか普段行かない場所にも行きたくなってしまうなぁ。

気の向くままに歩いて見つけた古本屋で何かと出会うことってうれしい。

音楽も映画も、なんでも発見はいつもワクワクする。

 

 

最近気づいたこと、童謡が好き。

小さい秋小さい秋みつけた

色んなものが見つかったり見つからなかったりする秋になりますように。

アデューです。