レコードストア・デイ 2016 - [2016-05-04]
イベントとしてはやや成熟してきた感もあるRECORD STORE DAY。昨年のようにテレビで取り上げられたりしない状況も、これは心から思うのですが「アナログレコードやそれを購入するユーザーが物珍しいもの」ではなく「そうであって当たり前」のものになってきた転換点としてポジティヴにしか捉えていません。成熟してきたからこその持続する熱さを大事にしたいというわけで、2016年度はより距離感は近いものでありながら、かつこの日ならではのスペシャルな人選と言う絶妙なバランスでインストアイベントはお届けしました。
当日にお集まりいただいたお客様、そして出演者の方々、本当にありがとうございました。次回のRECORD STORE DAYまでまたレコード三昧の日々をお楽しみいただけるようJET SETは全力でサポートいたします!
Introduction Text: KCMT(CEO)
4月16日 京都店
• 14:00【DJ】Masaki Tamura
• 15:00【DJ】グルーヴあんちゃん
• 16:00【LIVE】三輪二郎
• 16:30【LIVE】吉田省念
• 17:00【LIVE】Turntable Films
• 17:30【DJ】キングジョー
• 18:30【DJ】CH.0
• 19:30【LIVE】TOYOMU
Masaki Tamura
2016年京都店のトップは、京都Metroの看板ジャズ・イベント、"Do it JAZZ!"を主催するMasaki Tamura!心地よいメロウ・ソウルからグルーヴィーなラテン~ブラジリアン、Jack Movesなど新譜も交えた安定感たっぷりのDJミックスは流石です。DJ後にはJames Masonの未発表音源集などRSD限定盤もお買い上げいただきました。いつもありがとうございます!
グルーヴあんちゃん
April Set、中塚武、Comoestasなどをリリースする7インチ専門レーベル、Unchant Labelを主宰するDJ、グルーヴあんちゃん!2016年は、そのUnchant LabelよりRSD限定盤としてMisola『カゼノフクヨル』の7インチが発売されるということで、インストアDJとしてイベントに参加いただきました!和モノからスウィング、ラウンジーなブレイクビーツまで7インチ・セットでのDJプレイ!
三輪二郎
2016年のインストア・ライヴのトップは横浜のシンガーソングライター、三輪二郎さん!京都の鴨川で作曲されたという新曲から、2014年にMY BEST! Recordsより7インチがリリースされたハーモニカ・ヴォーカル・スタイルのスウィンギン・ブルース「すけろくさん」など代表曲も交えたアコギ弾き語りの30分。ラストは次の出番の吉田省念さんとのセッションも披露いただきました!
吉田省念
2016年5月にP-VINE Recordsからニュー・アルバムをリリースする吉田省念さん!その新作にも収録されている「水中のレコードショップ」からはじまり、アルバム・タイトル曲でもある「黄金の館」でしめる30分。後半はゲストにフィドルのさいとうともこさん(Cocopeliena)、マラカスでマッスルNTTさんにもご参加いただきました!
Turntable Films
京都の3ピース・ロック・バンド、Turntable Films!今年はOnly in Dreamsから最新セカンド・アルバムのRSD限定盤アナログのリリースがあるということでライヴにて出演いただきました!そのセカンド・アルバム収録曲の「Cello」や「I Want You」など30分。ゲストにドブロギターの岩城一彦さん、ピアニカの佐々木悠さんを迎えた豪華なアコースティック・バンド・セットでの演奏でした。
キングジョー
JET SET京都店でのRSDインストア・イベントには4年連続での出演となるDJでありイラストレータのキングジョーさん!毎年恒例かなり早めのご来店後、出番前に店内のRSD限定盤を一通りチェックし終えてからDJプレイがスタート。おなじみのオリジナル手書きジャケに包まれた7インチ盤などもディスプレイしながら、ガレージから和モノ、ソウルまで、ビール片手にダンス&ドリンク・スタイルで盛り上げていただきました。
CH.0
日も落ちだしイベント終盤を活気づけていただいたのは、京都を拠点に活動し、DOCUMENT、BLACK FROST、QUANTIZER、ROLLSなどのイベントのレジデントDJやミックスCDのリリース、2016年よりKID FRESINOのオフィシャル・ライブDJも務めるCH.0さん!2010年以降のヒップホップを中心に、R&Bやブレイクビーツなどをスムースにプレイ!
TOYOMU
2016年の京都店RSDインストア・イベントのラストを飾るのは、京都にて開催中のイベント/コレクティブ、Quantizer Kyotoを主宰するTOYOMUさん!ご自身のbandcampにてリリースされた音源、「印象III ; なんとなく、パブロ (imagining "The Life of Pablo")」が数多くの海外メディアで取り上げられ話題沸騰中の中、この日も圧巻のライブを披露していただきました。最後には驚きのリミックスも披露!
4月17日 下北沢店『RECORD STORE DAY Plus』
• 14:00【DJ】やけのはら
• 15:00【DJ】サモハンキンポー
• 16:00【LIVE】asuka ando
• 16:30【通常営業】
• 18:00【DJ】DJ Tsutchie
• 19:00【LIVE】柳田久美子
• 19:30【DJ】DJ NORI
• 20:30【LIVE】直枝政広(カーネーション)
• 21:00【DJ】Ryuhei the Man
やけのはら
トップバッターはDJやけのはらさん。2014年に続いて、松田"chabe"岳人さんとのコラボ企画第2弾として『Record Players 2』を今年のレコード・ストア・デーにリリースされた経緯もあり今回DJをお願いしたのですが、ご本人曰く「せっかくなんでアナログだけでゆっくりDJしてみたい」とのことで、14時になる前から緩やかにスタートして頂きました。言われてみれば確かに、やけのはらさんがアナログ・レコード縛りでDJをされる機会はごく稀。普段とは一味違う選曲とプレイで、なかなか貴重な時間を提供してくださいました。
サモハンキンポー
続いて15時からは、EMCとasuka andoによるコラボ盤『ミラーボールの神様 EP』が当店でも大人気だった、思い出野郎Aチームのパーカッション担当、サモハンキンポーのDJ。ライヴで見せるエネルギッシュなパーカッション・プレイとは打って変わって、雑多なアーカイヴの中からピックアップされた、緩く気持ち良く踊れる洒脱なディスコ・セレクションで、店内でお買い物中のお客さん達を魅了してくださいました。
asuka ando
サモハンキンポーに続いて16時からは、国産レゲエ・シンガー・シーンの中でもCHAN-MIKAあたりと並んで注目を集めているasuka andoさんのミニ・ライブ。カウンターの中のDJブースに立ち、自ら7インチ・シングルのヴァージョンやダブをターンテーブルに乗せながら、その伸びやかな歌声を出し惜しみすることなく披露して下さいました。即興でリリックの内容を「♪ここJET SET Tokyoで~」と替え歌にしてみたり、絶妙な語り口でお客さんをイジってみたりと、asukaさんのステージ捌きの上手さを垣間見るかのような30分でした。
DJ Tsutchie
18時からはDJ/プロデューサー/スタジオ・エンジニア/SYNC TWICEレーベルのオーナーとしても活躍中の、DJ TsutchieさんによるDJタイム。ベテランならではの安定感とその優しい人柄が滲み出たのようなプレイで、夕方の店内に柔らかい空気が流れました。
柳田久美子
19時からはそのTsutchieさんのDJプレイから流れるように、柳田久美子さんのミニ・ライブへと突入。キーボード担当の越智祥子さんとの3人、つまり柳田久美子トリオの編成によるセッションで、昨年夏にJET SETから7インチ・シングルでリリースされた「スロウダンス」』ほか数曲を披露して下さいました。柳田さんの可憐な歌声と、躍動感溢れる越智さんの鍵盤プレイ、MPC1000を駆使したTsutchieさんによるリアルタイム16パッド・ドラムで、店内全体がグルーヴィーに揺れました。
DJ NORI
柳田久美子トリオによるライヴに続いて19時半からは、DJ歴35年以上のキャリアを誇るリヴィング・レジェンド、Captain VinylことDJ NORIさんによる贅沢な60分に。4月30日に『TAKE THE N TRAIN EP』(7")の発売を控え、更にここ数年はドーナツ盤縛りでのDJプレイに傾倒、当店でもいつも新譜の7インチ・リリースを念入りチェックされているNORIさんだけあって、この日も見たこともないようなディスコやハウスの7インチ(!)を大量にお持ちくださいました。
直枝政広(カーネーション)
20時半からは、待望のアナログ化となったカーネーション『Mellow My Mind EP』を、今回JET SETからレコード・ストア・デー限定盤としてリリースされた、バンドのフロントマン直枝政広さんによるアコースティック・ソロ・ライブ。日本の音楽界きってのレコード・ジャンキーとしても知られる直枝さんだけあって、自身の出番の直前まで店頭のRSDリリース・コーナーをくまなくチェックされていました。同じくレコードを愛する他のお客さん達の中に完全に紛れていた直枝さんですが、ギターを持ってスタンド・マイクの前に立った瞬間から店内の空気が一変。腹の奥から絞り出すかのようなブルージーな歌声に、店内の全員の意識が完全に持っていかれてしまう、とても素晴らしいライヴでした。
Ryuhei the Man
そして2016レコード・ストア・デーPlusの最後を締め括ってくれたのが、当店のマンスリーDJチャートも好評ロングラン中の、「ザ・マン」ことRYUHEI THE MANさんのDJ。ソウルやファンク、ジャズやラテンといった生音を中心に、音源の新旧を問わず一定のグルーヴで聴かせてくれるのがこの人の魅力ですが、この日はJET SETでのプレイということも意識してくださったのか、セカンド・ライン・ファンクの絶妙な選曲の流れから、星野源「SUN」の7インチ・シングルを投下。普段のRYUHEIさんのレパートリーには無い飛び道具に、思わず数人がDJブースに向かって駆け寄るシーンも。DJ中に「すみません何時までですか?楽しくって思わず時間気にせずやっちゃって・・・」とはにかむ「ザ・マン」の一言が物語るように、最高の空気の中インストア・イベントも大円団を迎えました。