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NEW WAVE OF HOUSE MUSIC

2003-04-02

MOODMAN MIX CD "WEEKENDER"が日本人HOUSE系MIX CDとしては快挙とも言えるHITとなった裏にはHOUSEシーンだけでなくDUB, ROCK, TECHNO系リスナーまで様々なジャンルのリスナーに衝撃を持って迎えられたという事実があるのではないでしょうか。その内容はほとんどがリズムとベースラインの反復を主体としたサウンドを中心とし、VOCAL TRACKもほとんどなく、これまで世間一般に広くあったであろうHOUSEというジャンルの売れ筋のサウンドとは程遠いものでした。

いまMOODMAN, DJ KENSEIらがRESIDENTで毎月驚異的な集客を誇る、HOUSE PARTY "HOUSE OF LIQUID"(新宿LIQUID ROOM)でメインにプレイされてるこれらのサウンドは、ベースラインの質感や上ネタ・SEなどの処理の雰囲気からDUB HOUSEと呼ばれる事が多いようです。
これらの音の代表的な例としては、DISCO〜GARAGEをDUB的な手法で処理し、NEW WAVE風なシンセやドラムの要素を取り込んだNYのDANIEL WANGの作品が挙げられます。
根幹をなすややローなBEAT, 太くFUNKYなBASS LINE, DISCO的でありながらミニマルな反復を主体としたGROOVE,ダビーなシンセ,などなど、全体を通してサウンドの根底に流れているのはGARAGE〜LOFTの音楽的実験部分に対する深い敬意と愛情で、回顧的でありながらも新しい不思議な雰囲気の秘密はそこにあるのではないでしょうか?
UK〜西海岸系DUB HOUSEのサウンドにもDANIEL WANGの作風から影響を受けていると思われるものが多くリリースされており、これまでも玄人筋からは高い評価を受けていましたが、一般的なHOUSE HIT曲のイメージからは遠いため、マニア向けのサウンドという認知が強かったように思います。
ところがここ最近、BALIHUやMETRO AREA, CHICKEN LIPS等の作品リイシューや、RAPTURE, RADIO 4などの明らかにHOUSEファン層を意識したPOST PUNK系DISCOサウンドのリバイバルブームなど、これらのDISCO + NEW WAVE + DUB + HOUSE的なSOUNDが同時多発的に大きなムーヴメントを引き起こしつつあり、HOUSE DJは勿論他ジャンルのアーティスト/DJからも熱い注目を集めています。川辺ヒロシとFORCE OF NATUREのKENTによるユニットGARALUDDがSLY MANGOOSEのREMIXで披露したSOUNDが良い例ではないでしょうか。

また、これらのムーヴメントにより大きな脚光を浴びる事となったのがDOC MARTIN, LIL CHRISらWAX RECORDS周辺の西海岸シーン。長いキャリアをもつDOC MARTINのMIX CDがCLASSICからリリースされ絶大なる再評価を受けています。
また上述したとおりMETRO AREA, BALIHUそれにUKのシーンも再発盤がリリースされるほどの盛況を見せています。

それでは今DUB HOUSEと呼ばれるサウンドの周辺で活躍するアーティスト/DJの簡単な紹介を。

TEXT: TAMURA(JET SET KOBE)
DANIEL WANG (BALIHU)
自身のレーベルBALIHUよりDISCO,GARAGEのDUB的手法によるHOUSEを数多くリリース。楽器店やレコード店での勤務経験もあるそうで、ヴィンテージもののシンセやテルミンから、様々なジャンルのレコードにも精通しているようだ。BALIHUからリリースを重ねるなか、独特なメロディーのシンセ使いや、DISCO+NEW WAVE的な質感の音などの独自性を深め、ENVIRON, NU PHONIC, PLAYHOUSEなどからもリリースしている。
MORGAN GEIST (ENVIRON/NY)
CLEARからの傑作ALBUM"DRIVING MEMOIRS"で知られるUS DANCE MUSICシーンの異端児。URなどのDETROIT MUSICに強く影響を受けたという彼は、自身のレーベルENVIRONよりDARSHAN JESRANIとのユニットMETRO AREA名義でリリースがBODY & SOUL HITし、HOUSE界にも広く知られる事となる。
DFA (DFA/NY)
THE RUPTURE, RADIO 4の仕掛け人。UNKLE,PRIMAL SCREAM等のプロダクションに名を連ねるTIM GOLDSWORTHYとJAMES MURPHYの2人組み。RADIO 4がFAVORITEにMETRO AREAを挙げていることから、彼らが確信犯的にHOUSEファンの急所を狙ってきていることは確実でしょう。ちなみにブート盤でR&B HIT曲のREMIXをリリースしているDFA(HOT 97のR&B DJ)とは別人です。
DOC MARTIN (WAX/WESTBOUND/LA)
80年代半ばからDJを続ける西海岸HOUSEシーンの重鎮。現在アメリカのHOUSEシーンを活気づけている西海岸を代表するショップWAX RECORDSをたちあげ、2002にはCLASSICより傑作MIX CD"Sounds U Can Feel" をリリース。
LITTLE CHRIS (WAX/LA)
DOC MARTINと共にWAX RECORDSをたちあげ、REMIX, PRODUCEも数多くこなす西海岸シーン重要DJの1人。来日時にはDUB HOUSEだけでなく、DEEP HOUSE, PROGRESSIVE HOUSE, NEW WAVEなどなど様々なジャンルのSOUNDから独自の空間を作り上げており、西海岸シーンの盛況を垣間見ることが出来た。
DJ HARVEY (UK)
ロンドンに初めてGARAGE〜WARE HOUSE系のUNDERGROUND DANCE SOUND(イビザでのツアーからも大きな影響を受けたそう)を持ち込んだと言われる伝説のパーティ"MOIST"を開催。現在のUKのHOUSEクリエイターの多くに影響を与える。数多くのリリースやREMIXを手がけ、ほとんどの作品で素晴らしい才能とセンスが伺える。またDJだけでなくミュージシャンとしてもNEW WAVEバンドでドラムを叩いていた経験があり、JAMIROQUAIやMARY J. BRIGEなどのレコーディングにパーカッションなどで参加している。
IDJUT BOYS (U-STAR/UK)
U-STARレーベルより数多くのカルトHITをリリースしている。カルトなネタ使いやその実験的かつHOUSE的な音色・GROOVEには深いGARAGE, LOFTへの憧憬が伺える。彼らもDJ HARVEYの"MOIST"に強く影響を受けたそうだ。
CHICKEN LIPS (KING SIZE/BIG 200/UK)
BREAKBEATS〜FUNKYなHOUSEトラックまでリリースするUK人気レーベルKING SIZEの看板アーティスト。ANDY MEECHAMとDEAN MEREDITHによるユニットで、DEPTH CHARGEのレーベルDCよりBIG 200という変名でのリリースもしている。90年初頭BIZARRE INC.という名義でハードコアテクノをリリースしHITをとばしてた。