
抜群のカリスマ性を持ち、MTVのパーソナリティをはじめ多方面で活躍しているPHARRELL WILLIAMSと、フィリピン系というアメリカ社会におけるマイノリティーにして、ドラム等様々な楽器を自在に操るCHAD HUGOによる2人組ユニットNEPTUNES。今やJAY-Z、NELLY、N.O.R.E.、BUSTA RHYMES、LL COOL J、COMMON、SNOOP DOGG、FOXY BROWN、LUDACRISなど、数々のトップ・アーティストをプロデュースしてきた彼らだが、初のプロデュース・ワークであるBLACK STREETの1STアルバム"BLACK STREET"('94年)に参加した時点では、まだその知名度は皆無に等しかった。以降TEDDY RILEYとの実質的な師弟関係を続けつつも、SWV、TOTALといったR&Bアーティストを中心に地道な制作活動を続けていたが、プロデュースチームとしての独立後NOREAGA(現N.O.R.E.)の伝説的シングル"SUPER THUG"('98年)、続いて初のトータル・プロデュース作品となったKELISのデビューアルバム"KALEIDSCOPE"の大ヒットあたりを皮切りに、彼らは一気にトップ・プロデューサーとしての地位を確立した。
その後は上記のような対ヒップホップ・アーティスト仕事のみに留まらず、近年ではBRITNEY SPEARS、JUSTIN TIMBERLAKE(NSYNC)等のポップフィールド・アーティスト達や、果てはミクスチャー・シーンの雄であるLIMP BIZKIT、KID ROCKといったあたりまでのプロデュースをカバーリングすることで、その類稀な音楽性の高さ/幅広さ(=懐の深さ)を全世界へと知らしめることとなる。
加えて'02年、彼らはいわゆる「NEPTUNESブランド」というステイタスを獲得しつつも、旧友SHELDON HALEY(SHAY)を加えた3人でのユニットとして「N.E.R.D.」(オタクの意、NO ONE EVER REALLY DIESの略)と名乗り、その名義で初のアーティスト・アルバム"INSEARCH OF.."を発表する。生音中心のアレンジだった同作初版はUK/EUROのみで発売された直後に、USリリースを待たずして本人達の意思により急遽発売中止という前例のあまり無い事態に。しかし再ミックスダウンの上本人達が充分納得した形で発表された同作現行版は、結果的にはクロスオーバー的な大ヒットアルバムへと進化した。

同年には自らのレーベル"STAR TRAK"を設立、全面バックアップの形でラップ・デュオCLIPSEを手掛けたが、彼らのデビュー作にして既に名盤との呼び声も高い"LORD WILLIN"と、そこから切られたシングル群4枚も押しなべて高い評価を受けてつつ、現在もストリート及びクラブで絶大なる人気を博している。ちなみに同レーベルには既にCLIPSE、KELISをはじめとした多彩なアーティストが所属しており(その中にはロックバンドもいるとのこと…!)、今後も作品を量産していく予定であるという。
ヒップホップ・フィールドに身を置きながら、ロックテイストすら感させるほどオルタネイティヴで、ある意味ニューウェイヴ的でもあり、かつその存在自体が相当ポップ。
そんな彼らを、既製のジャンルやカテゴライズに基づいて表現するという事は難しいし、その行為自体あまり意味を成さない。それは例えば彼らの作品を全て耳で追っているような熱心なファンであっても、彼らの進化しつづける才能やそのベクトルを完全に把握してゆく事が不可能であるように、だ。しかし少なくとも、彼らは作品を通して常に、自分が自分らしくありたいという欲求、そしてそれを音楽として表現してゆくことの楽しさを、最も新鮮な形で伝えてくれているのではないだろうか?そして僕達は、理屈抜きにその新鮮な楽曲や音の空気に惹かれている。
以下は、彼らのあるインタビューでの一節の抜粋。
「多ジャンルの、様々なアーティスト達との共演を果たすことが出来たが、勿論これから先も多くの才能と共演していきたいと思っている。この姿勢が自分達のやり方。死ぬまでこの姿勢は変わらないだろう。」
NEPTUNESが今一番共演したいアーティストはEMINEMなのだそう。言われてみれば有りそうで無かったこのコラボレイト、あながち非現実的ではないので実現する日を待ちましょう。