Interview »
vol.129
MADEMOISELLE YULIA
2009-01-09
- まずはMIX CD『NEON SPREAD』完成おめでとうございます。タイトルの『NEON SPREAD』はユリアさんの主宰パーティーの名前でもありますね。どうしてこの言葉を選んだのでしょうか。
- このパーティが始まったことによっていろいろな人たちに出会えたり、そこから全てが始まったなという思いが自分の中にあって。だからこのCDでまた新しい何かが始まるといいなという思いで付けました。
- なるほど。"NEON SPREAD"のオーガナイズを始めたのはいつ頃になるの。
- もともとは2年くらい前に友達と始めて。その時にタイム・テーブルで1時間枠が空いたから自分もDJをやってみようと思ってやったら…ちょっとこれは人に見せられないと思って(笑)。その後、1年半くらい前から本気で練習をし始めてという感じです。
- DJはそのときが初めてですか。
- 一番始めにDJをやったのは3年くらい前の"MEAT"っていうパーティーでした。そのイベントがすごく面白くって。そこでは2、3回やったんですけど、80'sとエレクトロをミックスしたパーティーで。当時、ロンドンで流行っていた感じの。私はもともとロンドンにすごく興味があって。丁度その後にロンドンに遊びに行った時がニュー・レイヴとかアーリー90'sの流行っている頃で、そういうイベントを日本でもやりたいなーっと思ったことがきっかけで。
- では早速MIX CDの内容についてなのですが、最初のインフォメーションの時点から、発売時期が延びて収録曲や収録順も変わりましたね。よりフィジェット・ハウス以降のモードを印象付ける内容になったように思いますが、ギリギリまで内容にこだわった結果の延期だったということでよろしいですか。
- そうですね、始めのインフォメーションの時は取り敢えず曲出して的な感じだったので。なので全く変わりました。今回、発売日が伸びたことにより色々考える事が出来たし、結果的に良かったです。
- 現在のフロアのモードを反映する一方で、例えばKYLIE MINOGUEやLILY ALLENといったポップ・ミュージックや、CAZALSやCALVIN HARRISのインディ・ロック・アンセム、PARA ONEやALTER EGOといった既にクラシック化しつつある定番曲まで、間口の広い内容になっていますよね。これは意識した結果ですか。
- それは一番の狙いというか、いろいろなジャンルをミックスしたことをやりたいっていう思いがありました。だからいわゆるポップ・ミュージックやロックの要素もありますし、ヒップホップの要素もあるという所を見せたかったです。やっぱり私はこういう音楽をやるにあたって、エレクトロのDJという枠だけにはめられたくないので...色々なものをミックスしたものを打ち出したかったです。
- 確かに今の日本の状況でエレクトロというキーワードがタクティクス的に有効なのは理解できるのですが…。ここ2年で国内の所謂エレクトロというジャンルは急速に大衆化・一般化しましたよね。東京にはシーンのようなものも出来上がりました。今の国内の状況についてはどういう風に捉えていますか。
- 沢山の人がこのジャンルを知るようになってきたとは思います。DJも増えてきましたし。でも東京ってまだ海外からのものを取り入れることでいっぱいいっぱいになっている気がするから、これからもっと日本から発信するってことを、自分も含めて出来たらなーと思っています。
- 自分的に気に入っている流れとかってある。
- 1曲目のKYLIE MINOGUEからCROOKERSっていう感じっていうのは、なかなかやる人がいないかなって。そしてそこからALTER EGOみたいな! それと後半のCAZALSあたりからも、盛り上げてやる!っていう感じで。
- 最後のCALVIN HARRIS"The GIRLS"からアンサー・ソングのDRAGONETTE"The BOYS"っていうのも凄いですね(笑)
- ここはあえて現場っぽい雰囲気を出そうと思って(笑)
- 普段のクラブでのDJとMIX CDで感覚的に違う部分ってありましたか。
- 結構、違いましたね。やっぱりMIX CDになると繰り返し聴けてしまうので、気になる所とかがどんどん出てきて、細かい修正とかいっぱいしました。実は今でも直したいとことがあるくらいで。でも現場だとノリで出来ちゃうところがあるから、その場の雰囲気とかお客さんのノリとかでパフォーマンスそのものも変わってくるし
- 苦労したところとか。
- 実は曲順がなかなか決まらなくて…これだけ曲はあるけど、さてコレをどうしようってなってしまって。それでFUJI ROCKに行く日に…
- FUJI ROCKってすごいリリース直前ですよね(笑)。
- そうなんですよ。そこまで悩んでいたんですよ。でも決めなきゃ行けない…と思って。で、行くのを止めたら即行で決まって(笑)。
- (笑)では次。音楽に限らず特に気になっているアーティストやクリエイターを教えてください。
-
こないだSO-MEに会って、一緒にご飯とか食べたりして。絵とか描いてくれて。やっぱり本物のアーティストだなって思いました。音楽もすごく詳しいし。50年代から今のものまでジャンルも幅広くって。やっぱり絵にもその幅の広さが表れていて。
後はJMEっていうイギリスのラッパー。いわゆるグライムみたいなとこに括られちゃうんですけど、凄くよくって。DIZZEE RASCALとかも好き。
- レーベルとかでリスペクトしているのは。確かMODULARの辺りとか仲が良いんだよね。
-
BANG GANGのDANっていうKSUBIのデザイナーが、4年くらい前から友達で。いつも会うとCDをくれるんだけど、その頃はまだBANG GANGって何だろうっていう感じで(笑)。だから彼をDJとしては当時見ていなくて、KSUBIのデザイナーだと思っていて。それで来日をする度に、どんどんBANG GANGの名前が大きくなっていって。
レーベルでいったらやっぱりED BANGERも大好きですね。アートワークへのこだわりだったり、次々にリリースするのではなくて、しっかり作品を集めてから出す感じだとか、アーティストをファミリーとして大事に育てていく姿勢とか、彼らは一時の流行にとらわれているわけではないのが分かるので。
あとFOOL'S GOLDも気になります。KID SISTERも好きだし。
- そういうファミリーっていう感覚でいうと、東京のシーンでユリアさんが仲間意識を持っているのはどの辺りの人達なのかな。
- 一緒に何かやっていきたいと思っているのは、KIRIくんとかバーバルさん。後はPHENOMENONののオオスミさんとかですね。
- バーバルさん。M-FLOの。
- バーバルさんはすごいメジャーの方ですけど、現場の事もすごく分かっているし、やっぱり当たり前ですが音楽もめちゃくちゃ詳しいし、尊敬しています。
- これから注目しているアーティストは誰かいますか。
- 海外のアーティストだったらMGMTとかさっきも言ったJMEとかですかね。
- フェノメノンのオオスミさんやKIRIさんの名前が出ましたが、ファッションと音楽の結びつきって本来は当たり前のことだと思うのですが、今の東京のエレクトロ・シーンはその結びつきが強調されますよね。ファッション・エレクトロっていう言葉もあるし。
- 私自身は音楽をやるうえでファッションどうこうっていうのはあまり考えたことがなくて。普通に自分の好きな服を着て、好きな曲をかけていたら、なんとなくこんな感じになっていたというか…。でもどんな入り方にしろ、例えばファッションが好きなのがきっかけで音楽も聴くようになったりとか、こういう音楽が好きでファッションも好きになったりとか、どっちもありだと思うんですよ。その相互関係は切り離せないなと思います。
- 東京のエレクトロ・シーンって他のジャンルと比較すると女性DJの割合が多いように思うのだけど。ユリアさんはその象徴的な存在かなと思います。エレクトロ・シーンに於ける女性の活躍について特別な感想ってありますか。
- うーん。女の子に限らずDJが増えているのは感じていて。今ってCDで誰でも簡単に出来ちゃうから。皆それが流行りでやっているのか、これからずっと続けていくのかは分からないけど…。女の子のDJに関して言えば、やっぱり今のエレクトロというジャンルがファッションと関わりが深いことがあると思うんですよ。女の子が入りやすいっていうか。ヒップ・ホップとかだと、女の子が入っていけない男臭い感じはあると思うし。
- 確かにエレクトロ系って男の子にしても、マッチョじゃないというか。
- そうですね。ナヨってしている(笑)。
- (笑)。では強く影響を受けたり刺激を受けたりしたDJやアーティストはいますか。
- ここ1年半ですごい色んな人と出会って影響を受けたりもして、色んなことを吸収したと思いますね。M.I.Aと最初に会ったのが2年くらい前で、その後に再会もして。やっぱり彼女は自分で曲も作って、アートワークも自分でやっているし、自分をこうやって打ち出していくというのを明確に持っていて。そういう何でも自分で出来ちゃう人って中々いないし尊敬するなって。
- 「M.I.Aに会って」という感覚が、まず一般人の感覚だとないことだと思うんだけど(笑)。
- すっごい前に中目黒で何かのアフター・パーティーをやっていて、それにDIPLOとM.I.Aが遊びに来ていて。彼女とはファッションとかで共感する部分が多くて、そこですごく打ち解けられて。それからメールのやりとりをするようになって「来日のアフター・パーティーでDJやって!」「じゃあやる!」とか(笑)。
- もともと、子供の頃ってどんな音楽が好きだったの。
- 子供の頃に好きだったのはKYLIE MINOGUEとかMADONNAで…あとはQUEENが超好き。今でもたまにかけます!
- え、オリジナル!?(笑)
- オリジナルもかけますけど(笑)。あとはDAVE NADAっていう人がやっている…
- ああB-MOREのリミックスだよね。
- そうです。それとかよくかけます!
- でも子供の頃にKYLIE MINOGUEとかMADONNAっていう世代ではないよね。そうするとやっぱり家庭環境なのかなと思うのだけど。
- お父さんもお母さんもすごい音楽が好きで、影響は大きいですね。普通に家でかかっていたのが、そういうものだったので。
- じゃあ、いわゆるJ-POP的なものってまったく通らなかったの。
- 街とか行ったらかかっているな、とか、TVだとかかっているなってくらいで…。小学校の時に一度だけ、縦長のSMAPのCDを買ったことがあります(笑)。まわりが聴いていたから、私も聴かなきゃいけないって思って。
- プロフィールにバンド活動をしていたとあったのですが、いつ頃までやっていた。
- 中1~高校を卒業するまでやっていました。ギター&ヴォーカルです。すごく実験的なことをやっていて…学園祭とかではまったくウケず、認められず(笑)。
- どんなスタイルのバンドだったの。学生の頃なんて大概はコピー・バンドばっかりだよね。
- うちらも初めはコピーなんですけど、それもクラフトワークとかやっちゃって周りは誰も知らないみたいな(笑)。4人でやっていたんですけど、4人ともそういう音楽が好きで。もともとDJをはじめたのも、MEATのオーガナイザーが私たちのライヴを観にきてくれたのがきっかけで。面白いからバンドのメンバーでDJやって!って言われて。
- へー、そういうきっかけだったんだ。じゃあ、これからDJ以外のアウトプットの仕方っていうのも考えていますか。例えば歌ったりだとか。
- シンガーとしての活動は考えていて、今は色々と録りためているところなんです。色んな人に協力してもらって、フィーチャリングとかもやっているし。フィーチャリングに関しては、もしかしたら近々発表できるかもしれません。
- 実は1回以前に歌っているの聴いたことありますよ。ESTELLの「AMERICAN BOY」。上手くてビックリしたんだよね。
- あー!DJ中ですよね(笑)。最近は気分によって歌ったりMCしたりもしています。
All Rights Reserved, Copyright © 1998-2012 JET SET