★始めまして。まずは自己紹介をお願いします。
VALERIE : こんにちは。VALERIEです。キーボードとヴォーカルを担当しています。
CHRISTOPH : やぁ、僕はCHRISTOPHで、ドラマーだよ。
MARKUS : 名前はMARKUS。ベースを担当している。
CHRISTIAN : やぁ!!名前はCHRISTIAN。エレクトロニクス全般を担当してる。
THOMAS : THOMASだよ。僕はMORRレーベルのオーナーです。
★有難う御座います。では、LALI PUNAのディスコグラフィーを簡単に教えていただけますか。
CHRISTOPH : えぇと、3枚のアルバムをMORR MUSICからリリースしてて、あとはシングルを数枚、2枚の7インチをベルギーの…ベルギーで合ってたかな…?
VALERIE : アルバムから紹介するわ。最初のアルバムが"TRIDECODER"、2枚目が"SCARY WORLD THEORY"、3枚目が"FAKING THE BOOKS"よ。シングルは、2枚のEPがあって、"LEFT HANDED"、"MICRONOMIC"ね。私たちのファースト・シングルはHAUSMUSIKから1998年にリリースした7インチ"SNOOZE"よ。その他にも99年にはUNHIPからリリースしたISANとのスプリット7インチ"COMMON GROUND"や、日本のMOTOR WAYレーベルの"CARAFATE ROAD #6"っていうコンピの7インチ・サンプラ−として"INNER SPACE"っていう曲を出しているわ。
★では、バンドを始めたきっかけを教えてください。
CHRISTOPH : 他のメンバーは違うと思うんだけど、僕の個人的なきっかけを言うと…生活がね…田舎での生活がすごく退屈だったんだよ。それで一番の退屈しのぎが音楽をやることだったんだ(一同笑)
VALERIE : 音楽を始めたきっかけは、最初は本当に趣味で、友達との遊びみたいな感じでやっていたの。LALI PUNAの前は、L.B.PAGEっていうインディー・ギター・バンドをやってたわ。それは…そうね、SONIC YOUTHみたいなバンドだったわ。
CHRISTOPH : で、LALI PUNA結成のきっかけは、僕とMARKUSはもともと知り合いだったんだけど、お互いいくつかのバンドで、パート・タイムっていう訳でもないんだけど、そんな感じで活動していたんだ。その後、1992年頃だったと思うけど、2人で田舎を出て、その後ライヴやパーティーに遊びに行ってるうちにVALERIEと出会ったたんだ。もともとLALI PUNAは、VALERIEの4トラック・レコーダから始まっていて、最初は打ち込みのドラムとキーボードを使ってVALERIEがやっていたんだ。でもVALERIEがLALI PUNAをバンドにしたいって言い出して。それで僕とかが参加して、生のベースやドラム、サンプラーとかもあわせてやるようになったんだ。
VALERIE : CHRISTIANは、2003年に前のキーボーディストだったFLORIANが抜けてから入ったの。CHRISTIANは私の友達の友達だったのよ。
★VARERIEと他のメンバーが知り合ったパーティーはどんなパーティーですか?
(メンバー笑)
VALERIE : CHRISTOPHもMARKUSも私たち同じ街に住んでいて、だからよくいろんなパーティーで顔を合わせているうちに知り合いになったのよ。
★では、MORR MUSICからリリースするきっかけを教えてください。
VALERIE : MARKUSと私は、THOMASとはLALI PUNAを始める前からの知り合いだったの。で、HAUSMUSIKからLALI PUNAのファースト・シングルをリリースした後に、フル・アルバムを作りたくないかってTHOMASから聞かれて。とても光栄だったわ。それから"TRIDECORDER"のために活動しだしたのよ。
★あなたたちの音楽を表現する時、MY BLOODY VALENTINEあたりが引き合いに出されることが多いと思いますが、影響を受けたアーティストがいれば教えてください。
VALERIE : もちろんMY BLOODY VALENTINEからは大きな影響を受けたわ。ほかLAURIE ANDERSON、YOUNG MARBLE GIANTS、あとUSのインディ・バンドね。STEREOLABやSONIC YOUTHとか。
★主に80年代、90年代のバンドから影響を受けていると考えていいのですね。
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| TARWATER |
VALERIE : ほとんどそうね。他にはAPHEX TWINとか、今日一緒に共演するMOUSE ON MARSとか、エレクトロニック・ポップなものからも影響を受けているわ。あと、TARWATERからもね。
★あなたたちのセカンド・アルバム"SCARY WORLD THEORY"は、所謂エレクトロニカ・ポップが今のように幅広く受け入れられて現在のような位置を確立するエポック・メイキング的な作品だったと思うのですが。
CHRISTOPH : ありがとう!!!
★それ以降、あなたたちに継ぐフォロワーのバンドもたくさん現れてきていますが、それについてどう思いますか。
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| PSAPP |
VALERIE : そういったバンドでも、よく聴くと私たちとは違うことをやっていると思うし、私はそういう所謂フォロワーのバンドでも好きなバンドがたくさんいるわ。たとえばPSAPPとかね。
★では、普段はどういった音楽を聴いていますか?
CHRISTOPH : いろんなジャンルを聴くけど、インディ・ロックやエレクトロニックなものが一番好きかな。あとはジャズやポップ・ミュージック、それともちろんドイツの音楽もね。KRAFTWERKやCAN、NEU!も大好きだね。あとはシンガー・ソングライターものも聴くかな。
MARKUS : 僕は今ちょうどアメリカのフォークとかカントリーにはまって聴いてるんだ。あとはANTICONレーベルの作品とか。日本だったらWORLD STANDARDとか好きだね。
CHRISTIAN : エレクトロニックなもの全般だね。AUTECHREとかね。あとはSONIC YOUTHとかのインディ・ロックも聴くね。
VALERIE : 私はCHRSTOPHと似ているけど、エレクトロ・ポップも好きよ。この『GATE』っていうフリーペーパーに載っているLE TIGREとかね。あとは、やっぱりSONIC YOUTHに、KRAFTWERK、CAN、NEU!、STEREOLABとかは特に大好きだし、あとBONNIE PRINCE BILLYとかもね。
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| LE TIGRE |
★LE TIGREはちょっと意外ですね。
VALERIE : LE TIGREは大好きなバンドの一つね。CHICKS ON SPEEDも昔は同じミュンヘンにいたから、よく行ってたクラブでライヴとかしてたのを見たわ。
★じゃあTHOMASは?
THOMAS : 何もないよ!!っていうのが簡単でいいんだけど…そうだな、今は以前よりもインディ・ポップなものが好きかな。アンダーグラウンド・ヒップホップとか、昔ほど聴かなくなったかな。ここ半年くらいそういうのを聴いてないよ。今はBADLY DRAWN BOYとか最高だね。聴いてると止まらなくなっちゃうな。
★ドイツでは、80年代から90年代にかけて、たとえばBUNGALOWやAPRICOTのようなレーベルがあって色々と動きはありましたが、インディ・ポップ・シーンの中心はイギリスやアメリカだったと思います。それが、所謂エレクトロニカ・ポップと呼ばれるものが出てきてから、ドイツがシーンの中心になりはじめていますよね。
CHRISTOPH : はっきりとは言えないけど、でもドイツ特有の、というか伝統的なものかもしれないね。ドイツには、KRAFTWERKとかNEU!とかが存在していて、ずっと前からエレクトロニックな音楽に造詣があったっていうことじゃないかな。
★そうですね。民族性もあるんでしょうね。では、LALI PUNAの曲作成についてお聞きします。曲はどのように作っているのですか?
VALERIE : 曲は主にラップ・トップを使ってMARKUSと私が作っているわ。その後みんなでスタジオに入って、発展させていくっていう形かな。
★歌詞はほとんどVALERIEが書いていますが、作詞はどのように行っているのですか?インスピレーション?
VALERIE : そうね、インスピレーションもあるわ。閃いたことをメモ書きにしておいて、パソコンに保存しておくの。それで作詞している時に、そこから音楽に合う言葉を選んでいくのよ、作詞と作曲は別々の行程で出来上がるの。
★LALI PUNAの歌詞がドイツ語ではなく、英語というのは何か理由がありますか?
VALERIE : ドイツ語では、韻の部分とか書くのが難しいの。私はポルトガル語も話せるのだけど、それも同じ理由で歌詞にするには向いてないから使わないの。
★作品のことについてお聞きします。最初の2枚のアルバムに較べて、サード・アルバム"FAKING THE BOOKS"はバンド色が強くなったように思うのですが、バンドの中で変化があったのでしょうか。ISO 68のメンバーでもあるFLORIANが抜けたことはサウンドの変化に影響しているのですか?
VALERIE : FLORIANが抜けたことはそれほど関係なくて、"FAKING THE BOOKS"では自分たちがネクスト・ステップに進もうとして、自然にこうなったの。
★では、次のアルバムはこういう感じにしようとか、すでに何か方向やアイディアがあるのですか?
VALERIE : ううん、今のところまだ決めてないわ。
★シングル"LEFT HANDED"では、HUMAN LEAGUEのカヴァーを披露していますが、なぜこの曲をカヴァーすることになったですか?
VALERIE : ちょうどMARCH RECORDSのコンピレーション"SONGS OF THE HUMAN LEAGUE"っていうコンピに参加したんだけど、それに収録した曲なの。それをこのシングルにも入れることにしたの。
★このシングルだけメンバーがちょっと違うような気がしますが。
VALERIE : 本当は最初このシングルはLALI PUNAとは別のバンドでリリースするつもりで作っていたの。MAXっていうゲストの子をいれて、あとは私とMARKUSの3人でね。でも最終的にLALI PUNA名義で出そうってことになったの。だからこのシングルだけ変則的なメンバー構成になっているのよ。
★では次に、メンバーの個人活動について教えてもらえますか。
CHRISTOPH : VALERIE以外はみんなそれぞれ他のバンド活動をしているよ。MARKUSはNOTWIST、TIED & TRICKLED TRIO、僕はCONSOLEとTIED & TRICKLED TRIO。あとCHRISTIANは、ソロ・プロジェクトでPORTMANTEAUっていうバンドをやっているよ。
★PORTMANTEAUはリリースの予定はありますか?
CHRISTIAN : 今のところないんだけど、どこかリリースできるレコード会社を探しているんだ。どうなるか分からないけど、早くリリースできたらいいな。
★MARKUSに聞きます。あなたの別ユニットであるNOTWISTは日本でも人気だし、先日リリースされたANTICONのTHEMSELVESのメンバーとのユニット13&GODもやっていましたよね。別のユニットとLALI PUNAとのスタンスは自分でどのように考えていますか。
MARKUS : LALI PUNAはVALERIEが歌詞を書いていて、僕とは違ったアイディアがたくさん入っているよね。でもNOTWISTでは僕が歌うし、曲も作る。そうだね、LALI PUNAはエレクトロニクスを主体として、そこに生楽器を取り入れているけど、NOTWISTは基本的にはもっとインディ・ギター・バンド的なアプローチで、そこにエレクトロニクスをまぶしているって感じかな。
★NOTWISTが日本に広まったきっかけの一つとして、小山田圭吾さん監修のコンピレーション『ラマ・ランチ』に収録されたことが大きいと思うのですが、コーネリアスは元々知っていたのですか?
MARKUS : コーネリアスは一緒にUSツアーをしたんだ。確か1999年だったと思うんだけど、『ラマ・ランチ』がリリースされた時に、あのアルバムに参加したアーティストみんなでツアーをしたんだ。そのときに彼のことは知ったよ。
★なるほど。では、ANTICONのTHEMSELVESと一緒にやっている13&GODについてですが、このユニットはNOTWISTの"NEON GOLD"が結成のきっかけだと聞いたのですが。
MARKUS : 結成のきっかけはそれだよ。あの曲を通してお互い知り合って、僕がミュンヘンであったTHEMSELVESのギグに行って舞台裏で会話しているときにこのプロジェクトが生まれたんだ。その後はメールで音楽ファイルのやりとりをして、仕上げに彼らがドイツに来て、録音とミックスを一緒にやったんだ。
★ANTICONといえば、あなたたちのシングルにALIASが参加しているのがありますよね。ほかにLEXのBOOM BIPだったと思うのですが。あのリミキサーの人選はどういう風に行ったのですか?
VALERIE : 彼らとは元々友達だったの。
CHRISTOPH : 彼らとはアメリカとヨーロッパを一緒にツアーで回ったんだ。それにその前から僕らは彼らの音楽が好きだったんだ。そういえば彼らとはロンドンでも一緒にライヴしたんだ。
★CHRISTIANはANTICONのTシャツを着ていますしね。
CHRISTIAN : もちろんANTICONは大好きなレーベルだよ!THEMSELVESとかELIASとかさ。
★MARKUSはまた別のユニットの予定がありますか?
MARKUS : 新しいサイド・プロジェクトは考えてないよ。今でも多すぎるからね。これからの僕の活動予定は、NOTWISTのレコーディングを来月から行うのと、13&GODのツアーに出るんだ。日本でも9月にプレイするよ!
★今回、LALI PUNAは初来日ということですが、日本の印象はどうですか?
CHRISTOPH : 本当にいいところだね!東京公演はオーディエンスの反応もすごく良かったし楽しかったよ。僕は日本が大好きだよ!
★では、日本の音楽についてお聞かせください。日本の音楽はドイツではどんな反応なんでしょうか。
VALERIE : すごくお洒落な音楽として捉えられているわ。BUNGALOWレーベルがリリースした"SUSHI 303"みたいなコンピレーションみたいな感じね。
★世界的に有名なジャパーニーズ・ポップ・ミュージック・アーティストは、最近だったらFANTASTIC PLASTIC MACHINEとかいると思うのですが。
VALERIE : もちろん有名だわ!私が一番好きなのは嶺川貴子ね。あとはコーネリアスやはっぴいえんど。
★みなさんのようにインディ・シーンに興味がない人には一般的ではないでしょう?
THOMAS : 僕が思うにメイン・ストリームとアンダーグランド両方から支持されているのは日本だったら坂本龍一だけだと思うよ。彼は昔からYMOとかやっていて、有名なアーティストだったし、CARSTEN NIKOLAIなんかとも共演しているしね。彼はサウンド・トラックも手掛けたかと思うと、すごく電子実験的なものをリリースしたり。彼は特別だね。あとのジャパニーズ・ミュージックは全てインディ・シーンでの出来事だよ。
★では、ドイツの音楽シーンについて教えてください。
MARKUS : そうだな。ドイツで人気があるのはダンス・ミュージックだよ。
VALERIE : 所謂ジャーマン・ダンスって呼ばれているようなものね。ドイツ語で歌われているもの。例えばSVEN VATHとか。あとはBRITNEY SPEARSみたいなアメリカのメインストリームの音楽ね。
★じゃあ、例えばINTERNATIONAL GIGOLOレーベルとかはどうなんですか?
VALERIE : GIGOLOとかはすごくマイナーなの。HELLはすごい面白い人だけどね(笑)
MARKUS : GIGOLOナイトとかのイベントにはたくさん人が入っているけど、チャートで流行っているような音楽はSVEN VATHとかがやってるような音楽なんだ。SVAN VATHのやってるのははっきり言ってひどい音楽だと思うよ。
★ドイツのクラブ・カルチャーはどういった感じなのですか?
VALERIE : そうね、最近はあまり行かないけど、ミュンヘンには"TATOO"っていう面白いパーティーがあるわ。あとはGOMMAの人がやってるパーティーとかも面白いわ。他にもいろいろあるけど、DJもすごい人が結構いると思うわ。
★では、ドイツのインディ・シーンについて教えてください。
CHRISTOPH : 都市ごとにいろんなシーンが存立しているんだ。例えばデュッセルドルフにはMOUSE ON MARSを中心にああいう音楽のシーンが形成されているし、ケルンにはKOMPAKTレーベルがある。あと、バイエルン周辺ではエレクトロクラッシュが流行っているね。PEACHESやGONZALESみたいなね。それと、これは忘れないで!!ミュンヘンにはNOTWISTやLALI PUNAのようなシーンがあるんだよ!でも、それぞれのシーンが完全に別個で独立しているわけではなくて、お互い関係しているんだ。僕らはTARWARTERとすごく仲が良かったりするしね。
★ドイツのいろんな地域で特色ある音楽シーンが形成されているというのは本当に面白いですね。これからは、そこにも目をつけて聞くと面白いかもしれませんね。長い時間本当に有難う御座いました。では次のリリース予定を教えてください。
VALERIE : 今のところ決まっているのは"I THOUGHT I WAS OVER THAT:RARE REMIXED AND B-SIDE"ていうB面とかリミクスを集めたコンピレーションかな。これが6月くらいにリリース予定ね。これはBOOM BIPやALIAS、TO ROCOCO ROTとかも参加しているわ。
★最後に日本のファンへ一言づつお願いします。
CHRISTOPH : いつも応援ありがとう!これからも宜しくね!
VALERIE : いつも応援してくれてありがとう!みなさん、是非ドイツにも遊びに来てくださいね!嶺川貴子さんとか日本のアーティストももっとドイツに来てほしいわ!