Panky Dance Party?(前編)
どうも筆が進まないので、勢いづけるためにも、まずは、先週から今週にかけて遊びに行ったパーティを書き出してみよう。先週水曜日は東高円寺「Grassroots」の「スナック」。金曜日は「Grassroots」の「TAI」。土曜日は南青山「Mandala」の「Mind Gorillaaa」から「Grassroots」の「ふらり、、、途中下車」へハシゴ。日曜日は西荻窪「Watts」の「いぅいぇユ゛ァ゛ア゛ァァ!!!ぐぇッ」に行ったんだけど間に合わなくて打ち上げだけ参加した。明けて今週水曜日は「Grassroots」の「Maui Mazzik」一周年記念。そして、今日は金曜日だし、この原稿が書き終わったら、レコードを売ってお金をつくって、ユニヴァーサル・インディアンやラテン・クォーターが回すというので、代官山「Unit」に遊びに行こうと思う。
「スナック」はシロー・ザ・グッドマンがレジデントを務めるレギュラー・パーティで、1週目は僕が、3週目はタカラダミチノブがサポートしている。この日のゲストはカツオ・プロダクション。彼はレゲエのセレクターでありDJであり……、つまり、レコードを回しながらマイクも持つのだが、「ヤーマン!」とか「ジャーラスタファーライ!」みたいなクリシェは一切使わず、伸び切った坊主に分厚い眼鏡という朴訥とした風貌で、サンボマスターがアシッドを食ったような(レゲエなのに、マリファナを吸ったような、ではないところがミソ)トースティングをしまくる。しかも最近は、使うレコードもレゲエからはみ出し始めていて、この日なんかはアルツを45回転でかけてみたり、今さらDJクラッシュの「鼓童」のリミックスをかけてみたり……、その上で今にも泣き出さんばかりの勢いで叫ぶものだから、常連の客は手を叩いて爆笑し、ふらりと入ってきた客は目を丸くしていた。対するシローとタカラダは、普段このパーティでは緩めに回すことが多いのだが、カツオがあまりにもフリースタイルなので、あえてきっちりとミックスしていた。特に、タカラダのブラス・バンドのレコードを使ったミックスは極めてオリジナルで、シローと僕が始めたミックス・CD・レーベル「ホンチョ・サウンド」から夏中には出るだろうファースト・ミックス・CDがとても楽しみだ。
「TAI」はモノリスが隔月でオーガナイズしているパーティで、この日が19回目。出演者は、タイムテーブル順に、サノクソベイビーズ&ファック・マスター・ファック(2・マッチ・クルー)、373、モノリス、ウィークエンド・バック・パック(露骨キット&DJチェリー・ボーイ)、ケイヒン、クリスタル。女装して水っぽいハウスをかけたモノリス、ハードコア・テクノ?ジャングル前夜のハードコア・ブレイクビーツと、微妙な時期のレイヴへの愛を表現したウィークエンド・バック・パック、グライムをテクノ・マナーで丁寧にミックスしたケイヒン、という流れが面白かった。それにしても、「TAI」は出演者それぞれの音楽性が見事にバラバラで、というかそれぞれのパーソナリティこそがフィーチャーされていて、それは「DJはあくまで裏方で、客こそが主役なのだ」と謳い続けてきたアンダーグラウンドなレイヴ/ウェアハウス・パーティとは逆のヴェクトルを持っているし、一定の持ち時間がサクサクと回っていくこと、同じジャンル内における微妙な差異にこそこだわっていることもあり、むしろハードコア・パンクのイベントと近い雰囲気がある。石野卓球がDJブースを隠したり、ダニエル・ウォンが「DJブースの方を向かないで!」とメッセージ・ボードを掲げたり、本場を知るDJたちが教育を続けてきたのにも関わらず、極めて日本的な形でダンス・カルチャーが定着しつつあると言えるのかもしれないし、現にこういう形のパーティは増えつつある。客も踊るというよりは、酒を片手に観ている、という風で、その様子は、パブ・ロックならぬパブ・ダンスとでも呼んでみるべきなのか、あるいは、一時、ニューヨーク主導のエレクトロクラッシュに対するイギリスからの返答として(チキン・リップスやオーディオ・ブリーズ辺りに)フーリガン・ハウスというラベルが提案されたことがあったけれど、それを貼ってみてもしっくりくるような気もする。「TAI」の後半、感極まったトランソニックの永田一直がモノリスの服をひっぺがしたことをスタートの合図に、現場がほとんど暴動のようになってしまったのとは関係なく。いや、あるか。
おぉ、調子が乗ってきたぞ。次号に続く。

