「スター・マン」の巻
■GOOGLEのサテライト・マップをなにも考えずにぼーっといじってたら、またしても飛行物体で浮遊している感覚に陥ってしまいました。こうなったら 映画「未知との遭遇」のメイン・ステージ、あのデヴィルズ・タワーでも眺めてみるか……と、そのままUFOの視点をキープしつつ、ワイオミング州まで飛行します。イメージ的には、ラスト・シーンのマザーシップです。あのやたらとでっかい方の船のフロントに立ち、恥ずかしながら地球に戻って来ました……とか。ここら一帯もすいぶんと様変わりしましたなぁ……とか。今晩も深夜の妄想の始まりですかね……。■もともと航空図や鳥瞰図が好きだったこともあり、サービスが始まってからずいぶんと経つものの、GOOGLEの衛星写真にはいまだに完璧にやられっぱなしです。最近知ってさらに気に入っているのが、衛星写真をオモしろく活用した観光案内サイト「Google Sightseeing」(http://googlesightseeing.com)です。こちらはすでにご利用の方も多いと思われますが、有名な観光スポットを衛星写真を使って真俯瞰から紹介してくれる、基本的にはただそれだけのサイトです。ピックアップされている観光地のほとんどは、写真や映像で見慣れたスポットでしょう。にもかかわらず、上空から垂直に見下ろす。それだけのことで、ここまでフレッシュ。■そのフレッシュをさらにフレッシュ・アンド・フレッシュにしてくれているのが、観光スポットの粋なピックアップのされ方です。<モニュメント>、<ナチュラル・ランドマーク>、<ストラクチャー>……といったわりとオーソドックスなカテゴリーに混じって、<テーマ・パーク>、<迷路>……など、確かに上空から見てみたいよなぁ…と、我々の知的好奇心をソソるカテゴリーを容赦なく挟み込んでくるのです。■例えば、<ムーヴィー・ロケーション>というカテゴリー。さまざまな映画のロケ地を衛星写真でチェックできるこちらのリストには、先のデヴィルズ・タワーもしっかりと並んでいます。アップされていて驚いたのは、チャールズ&レイ・イームズが68年と77年(カラー版)の2度に渡って制作した短編「パワーズ・オブ・テン」のロケ地です。GOOGLEのサテライト・マップをはじめて使った時、おそらく誰もが連想したであろう「パワーズ・オブ・テン」。シカゴの公園でだらりと寝そべる男女から徐々にカメラが上空へズーム・バックし、たちまち太陽系、銀河系へ……。と思うと、今度は急速に寝そべる男女にズーム・イン……。あの有名な10の累乗の旅を、そういえばGOOGLEのサテライト・マップのズーム機能を使うことで、誰もが今、手元で疑似体験できてしまうのです。オリジナル映像へのリスペクトを感じる、心憎いピックアップだなぁ……と思った次第です。ちなみに日本からは、ゴジラやガメラが壊したトウキョウ・タワー、そして渋谷のハチコウ・スクエアがこのカテゴリーにアップ。ハチコウ・スクエアは「ロスト・イン・トランスレーション」のロケ地として紹介されています……なるほどね。■そんな中、ここはぜひ行ってみたいなぁ……と思わせてくれるスポットがありました。俯瞰からの画像が分かりやすく魅力的な場所です。アリゾナ州ウィンスロー付近にあるメテオ・クレーター(アリゾナ大隕石孔)です。約5万年前に隕石が地球へ衝突し、一瞬にして形成されたという巨大なクレーター。見た目はまんま、月面です。直径は1マイル近く。深さは500フィート以上。なんでもこのクレーターの底に降りれるツアーがあるそうなんですよ。■クレーターの底かぁ……。底ねぇ。という気分はちょうど先日、テレ東の午後のロードショーにて「ロックなSF」の一作として放映されていた、84年の映画「スターマン愛・宇宙はるかに」を見ていて、強まってしまいました。ラスト・シーンに印象的に登場するあの不思議な窪地が、メテオ・クレーターなんだそうです。変なUFOが現れたあの場所です。赤い光に包まれたあの場所です。監督はジョン・カーペンター。今年はなんだか一瞬、音楽家として、イタロ・ディスコの隆盛とともに再注目されたりしてました。エグゼクティヴ・プロデューサーはマイケル・ダグラス。出演はジェフ・ブリッジスとカレン・アレン。■ヴォイジャー2号に乗せた宇宙へのメッセージ「地球の子供たちからこんにちは?」から、物語ははじまります。主人公は、そのメッセージに気軽にノってしまい、本当に地球へ来てしまった素直な宇宙人です。トラブルは、彼がウィスコンシンの片田舎の、ある未亡人のもとに降り立ってしまったことからはじまります。亡き夫を思い泣き濡れている未亡人の気持ちなど知らず、宇宙人は部屋に散乱する遺影や遺髪をサンプルにして、死んでしまった夫とそっくりな姿に自分を創りあげます。そして堂々と素っ裸で、未亡人の前に現れてしまうのです。戸惑う未亡人。平然とした宇宙人……。不思議な関係を引きずりつつウィスコンシンからアリゾナまで、マザーシップとの接触点を目指して2000キロに及ぶ長旅がはじまります。妙なラブ・ストーリーでもあり、妙なロード・ムーヴィーでもあり、実に妙なテンションの映画なのですが、ジョン・カーペンターらしくないという意見も多く、世の中的には好き嫌いが分かれるらしいです。宇宙人がご近所に現れて日常生活を送る。そして去って行く。その手の物語にもともと弱い小生ですので、メテオ・クレーター周辺の衛星写真をいじりながら再び、ジーンとしてみたり。■どうやら存在するらしい続編のドラマ・シリーズは、14年後が舞台だそうで、主人公の宇宙人が地球に残してきた女と息子(結局、愛が実って息子ができるのです)のことが気になって再び地球に戻ってくる。そんなシーンからはじまるそうです。なんとなく台無しっぽいですが、いかがなのでしょう。日本では90年にテレ朝の夕方5時に放送。人気がなかったのか早々に打ち切り。後に、テレ東の深夜に移って放送されたが、残念ながらやはり途中で打ち切りになってしまったそうです。とほほ。



