お別れ会 at 体育館
さてさて、05年もあっと言う間に過ぎ去り、春遠からじ。皆さんいかがお過ごしですか?夏のあいだはマイメンBREAKfASTのカッコイイギタリスト酒井ちゃんから「ニューオリンズの大洪水でファッツ・ドミノが行方不明らしい、というかファッツ・ドミノまだ生きてたのかよ!」というニューオリンズ愛に満ちあふれた(オレはそう解釈しております)この夏、最高のメールにビリビリ痺れたり、その後、無事発見されてホッとしたりもしました。それから“THE BEAT!!!”という60年代前半のTV番組のDVDにおけるゲート・マウス・ブラウンのニヤニヤした顔にノックアウトされたりもしてました!と、話がすっかりそれましたが、さっそく前回の続きからイキます!
時は1980年代後半、神戸市のニュータウンにあった中学に通っていたオレとヨッチャン、フルは『スクールズアウトプロダクションズ』なるラップグループを結成する。途中で、ヒロセックスも加わり4人組に。そしてイカの家でのブロックパーティーを経て、フルとヒロセックスによる大流血事件が勃発(前回を参照アレ)。結局オレとヨッチャンの2人になり、そのまま中学校の卒業することに…。
と、ここで話は少しばかりさかのぼる。中学卒業を目前に控えたオレ達は偶然にもヨッチャンのクラスと合同で行われることになった学校主催の「お別れ会」なる催しものに『スクールズアウトプロダクションズ』で出演することを決定した。せっかくだから、ここで一発盛り上がってみようという魂胆である。対バンはイカとイサムが結成していたドラムンベースレスバンド(バンド名は失念…)。ようはエレキとボーカルのデュオなんだけど…。しかし本人達はあくまでバンドを意識していたので、前者の呼び方のほうがニュアンス的に近い。とにかく彼らもオレ達もアタマの中のイメージと現実のBPMがちっとも合っていなかったのだが、それはそれでヤリたいことをやっているという意味では幸せだった。だからそんなヘンテコな状態だったにも関わらず、人前でロックしてやろうという気になっていたような気がする。まさに勃起ノリそのものである。またその頃、うちの中学で同時発生した小田の結成したバンドは誰ひとり楽器はできないが「とりあえず全員でF1のテーマソングを歌うとこから始めてんねん」という話だった。これには爆笑だったが、今となってはなんだかイイ話であります。
そして、話は一気に「お別れ会」当日に。会場は中学の体育館。だだっぴろいその空間の前半分に2クラス分のクラウド達がポカ?ンとしつつも何かを期待する顔でオレ達の出番を待っていた。何の気ナシに教室で机を並べていた仲から突然、演者と観客の関係になったこの不思議な光景。まったくもっておかしな話だが、とにかくイカとイサムのバンドの出番である。ギターを掻き鳴らすイカ!叫ぶイサム!その時、舞台袖でステージを見ていたオレにはいるはずのないドラムとベースの姿が確実に見えていた…。なわけはなく、やっぱり妙に広いステージ上におけるあくまで二人っきりの熱演となんかわからんけど“イエ?イ!”ってな状態になってるクラスの連中から生まれる珍妙な空気感を全身で受け止めていたのだった。う?ん、今考えてもスゴイぜ!
そしていよいよオレ達スクールズアウトプロダクションズ』の登場です。ワ?!ワ?!言ってるクラスの連中。アレっ?小学校の頃のお楽しみ会で風見しんごの“ボク笑っちゃいます”を唄った時とはあきらかに違うぞっていう、初めて味わったこのステージ上の快感を噛みしめつつ、「内申書ファ?ック!!!」なんて空元気なリリックを吐き出す。ははは。そして体育館にドカ?ンと響くアルティメットに収録された“ロックグリークパーク”。ヨッチャンがブン回わすミキサーに繋がれたターンテーブルはもちろん1台だけ。それから、さっきから「?」マークがものすごいスピードで点滅したような表情の担任教師。そんなこと感じながら一生懸命ラッピンしつつ、はて?視線をどこに定めたら良いものか(ド素人)と考えたりしながらステージングしていたら、あっという間にショウは終了。クラスの連中の反応はさておき、なんだか何かをやり遂げたような気持ちでステージを後にしたのだった。が、次の瞬間、ヨッチャンからの一言で一気に現実に引き戻される。「サイトウ、もっとステージ広く使ったほうがエエで。なんか前に行ったり後ろに行ったりしかしてなかったで」。そう、オレは今でいえばリキッドルームくらいの広?いステージでマイクを握っていたにも関わらず、前後1メートルをいったりきたりするだけのマヌケな動きしかできていなかったのである。横の動きゼロ!!ヒ~ッ!!!そんなこんなで、珍妙かつ奇跡の1時間は終了したのであった。
そんな洗礼を浴びてから数週間後。ついにオレ達は、中学を卒業。ステージ上の快感にすっかり味をしめたオレ達は最後の春休みにもう一回ブロックパーティをやろうという話になる。そこで、前回のイカの家は苦情であえなく中断となってしまったため、今回は絶対に怒られないであろう小田の家で開催しようという話になった。彼の家は4階建てくらいのビルになっていて、1、2階部分が事務所のため爆音を出しても問題ナシと勝手に解釈、さらにサウンドシステム(カラオケセット)も持ってるというのも強力な判断材料となっていた。というかラップしたくてたまらないので、まわりの人間を巻き込み始めていた。そしてこの話にまったく関係のない小田を必死に説得。結果、無事に彼の家のリビングで本当の意味でのお別れ会的な第2回目のブロックパーティが無事開催。前述の小田のバンドはもちろん現実にバンド編成になることなく崩壊していたため、彼はオレ達がラップする姿を不思議な顔で見ているだけだった。だけでなく、なぜかイサムとケンカになる始末。トホホ…。そんな感じで、まったく予想できないことだらけだった中学時代の幕は余裕で下ろされたのだった。






