「もの心」
街も深い眠りに入り、今日もまた一日が終わろうとしています。昼の明かりも闇に消え、夜の息遣いだけが聞こえてくるようです。それぞれの想いをのせて過ぎていく、このひととき、今日一日のエピローグ。クロスオーバー・イレブン…先日、僕のMIX CD『MORPHING FORMURA BRAND NEW WAVE 3』のリリース・パーティーにてDJした際に、80年代の人気FM番組『クロスオーバー・イレブン』を僕なりに模して、このところ味をしめている喋り(!)入りで「AZYMUTH」のテーマ曲の上で津嘉山正種氏になりきってみた。
DJをする際にはざっくりと(できれば明確に)テーマを決め、そのテーマに沿った選曲や、今回のように喋りも含めた演出を考えたりと独り一端のプロデューサーを気取ったりする。そう、気分は一端のプロデューサー(R.I.P 久世光彦氏)なもんで、DJするのに時には喋るためのセリフを考えるために原稿用紙に向かったり、時事ネタ音源収集の為にワイドショーやCMをランダムに録画したりと、くだらない事を突き詰めるのも意外と楽ではないのだ。例えば「春」というテーマの基、選曲を考える…キャンディーズの『微笑み返し』を聴いていると、さびの「可笑しくって涙が出そう」っていう歌詞が「お菓子喰って?」などと脱線してゆく…こんな自分は大人なんだか子供なんだか?ちいさいアイデアを膨らます。
そんな作業をしているなかで、何故か「もの心」と言う言葉を思った。ようやく自分にもつきはじめた様に思う「もの心」という言葉をふと考えてみた。皆が素通りするような事柄でも、自分なりの付加価値を見出せると途端に、何でもない事柄でもとても楽しく見えてくる。あまりにポジティブな文体が我ながら少し寒いが、この事こそがもしかしたら、何度目かについてきた「もの心」かもしれない。前回に書いた「味」や「臭い」に関しても、ある年令に達するにつれ自然に成長していく感覚的な事や、色々な経験を経てついてくる知識っていうか雑学みたいなものが少しは僕にもチャージされて来たのか。年を重ねる事で人は想像力が豊かになる。仮に一枚の絵を見ても多くの事を連想できるようになる。この「もの心」ある作り手が作った作品に、「もの心」をもった人が見たり聴いたり食べたり嗅いだりして共感する。特に世の中の色んな芸術はこの「もの心」があるかで大分違ってくるように思う。人生「もの心」持ったもの勝ちだ。
音楽に関しても僕なりの解釈や切り口。所謂「?繋がり」ってやつでしりとりをやってみるのはどうだろうと思った次第である。例えば小さい頃に聴いたあの曲もDJ感覚を経由してきた今聴くと、それまでは気付かなかったギミックに気付いたりと、また違う聴き方ができたりします。
長い前置きでしたが、ここから本題の宣伝です。今回で三作目になるMORPHINGシリーズはまさにそんなアイデアをエスカレートさせたもので、これは映像の分野ではポピュラーな手法MORPHING(マイケル・ジャクソン等のPVで一躍有名になった、例えば男性の顔から女性の顔へと映像が流れるように変化して行くといった手法)の音楽版というコンセプトなのだが、本来のようにテクニカルなものではなく、もともと似通った楽曲を洋楽邦楽問わずに探してきてはあらゆるテクニックでもって繋いでゆくといったもので、簡単に言ってしまえばそっくり音楽大集合。これ見方によってはパクリじゃんっていう取り方もできるし、またこのアーティストはこんなアーティストにも影響を受けていたのか?などと膨らますのも聴く人に委ねるとこです。巷のCITY POPブーム?を過大解釈し僕なりエスプリを利かせたつもりです。「もの心」がある貴方にこそ是非。

