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Electro/Headz
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Techno
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House
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Upper House/Pop Dance
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Big Beat/Mash Up
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Rock/Indie 00's
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Rock/Pops 60's~90's
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Jazz
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Soul/Funk
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僕は大阪万博の時、10歳だった。そのせいか電子音というものに目がない。万博の開会式の模様をアナウンサーが「会場には電子音が鳴り響いています」と伝える。その電子音は鐘の音を模したような荘厳なもので、そういった電子音は当時、何よりも未来を感じさせる時代の音だった。
特に子供達は電子音に親しむ機会が多かった。大野松雄が手がけたことで知られるアトムの足音に始まり、光線銃の発射音、宇宙船の飛行音、怪電波、それら様々な電子音は子供向けのSFテレビ漫画、特撮ヒーロー物等に不可欠なものである。電子音は何故あれほどまでに子供達を惹きつけたのだろう。ひとつには電子音が日常の生活空間では聞くことのない音だったからだ。男の子は「バキューン、バキューン」というピストルの発射音が大好きだ。たぶん、それも同じ理由だ。電子音は非日常への扉なのだ。
僕にとってそれは今も変わらない。個人練習で入った練習スタジオで大音量でTB-303を鳴らすとそれだけでアガる。サンプラーでいくらでかい音を出しても同じ高揚感は得られない。最近僕は、ただシンセサイザーの音が入ってるという理由でベイサイドのヒップホップばかり聴いている。発掘モノCDでも必ずチェックするのは70年代終盤から80年代初頭にかけてのシンセ・パンクだ。
今回紹介する光束夜の音楽は狭義でのパンク・ロックではない。ただ、巨大な産業になってしまったロックを自分たちの手に取り戻そうとしたのがパンクだったのなら、当時、吉祥寺マイナーで演奏していたバンドは全てパンクだったとも言える。光束夜のライブは、僕自身当時の吉祥寺マイナーで何度か見ている。本作(P.S.F.RECORDS / PSFD-166)を買ったのも、録音された日付けが1979/10/14とジャケットに大きく印刷されていたからだ。これは自分も見たライブの録音かもしれない、そう思ったら買わずにはいられなかった。
本作に収録された時期の光束夜は当時アンダーグラウンドで活動していたバンドとしては珍しく横山宏というシンセサイザー奏者を擁していた。シンセサイザーについて、本作のライナー・ノーツに興味深い記述があるので、以下長くなるが引用させていただく。
『シンセサイザーという楽器はライブという場面においては実に難儀な楽器だ。音を定義する要素が各パラメーターで分断され、これを決定するための操作の数が実に多い。「ああ、こんな音が出してみたいな」と思っても、そのためにいくつもの手続きを踏んだ操作を行なわなければならない。つまり身体アクションがダイレクトに出音に反映するサックスや打楽器、ギター等の他の楽器と比較して、演奏者の時々刻々と変化するスイート・インスピレーションに対するレスポンスが悪い鈍重な楽器なのだといえる。だから通常はオーケストラの劣化コピーか、お客を煽る飛び道具としてしか扱われない。しかし、稀に脳内宇宙を直接表出させるようなサン・ラーのムーグ・ソロなど、その罠から逃れて、シンセサイザーという楽器の特性を生かし、可能性を押し広げることに成功している演奏者が少数ながら存在する。横山宏はそんな特異なシンセサイザー奏者の一人だったと思う。(ちなみに、アルトサックスを手にする前の白石民夫のローランドのアナログ・シンセによるホワイト・ノイズを中心としたパーカッシヴな演奏も同様と私は位置づけている)』 - コサカイフミオ
本作を聴いて記憶がよみがえった。「速度をもっと速くもっと速く」と繰り返す女性ヴォーカルは確かに吉祥寺マイナーで聴いたものだ。僕がこの時期の光束夜を見たことがあるのは間違いない。そして、シンセサイザーを揺さ振るように痙攣しながら演奏する男の姿は、僕が吉祥寺マイナーを思い出そうとする時、最初に浮かぶ光景だ。ただ、それが横山宏だったのか、白石民夫だったのか、それが判然としない。どちらにしても、僕が生でシンセサイザーの演奏を聴いたのは吉祥寺マイナーが最初だったということだ。
本作で最も興味深いのは、演奏終了間際、シンセサイザーの音がそれまでのフリーキーな演奏ではなく、まるで操作を間違えてしまったかのように、リピート機能によって短いフレーズが繰り返されるところだ。プログレの代名詞だった時代のシンセサイザーは、まだ人が実際に弾いて音を出す楽器だった。それがやがて、シークエンサーで自動演奏させることが主流となりテクノへと発展する。本作が録音された79年といえば、YMOが「ソリッド・ステイト・サバイバー」を発表した年である。それこそ日本中がピコピコしていた。にもかかわらず、僕は本作でシンセサイザーのフレーズが唐突にリピートするその瞬間こそテクノが誕生する瞬間だったのではないか、そんな風に聴こえて仕方がないのである。