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Column » RUMI(るみ): » vol.4 [2008-12-02]

[少数派の行列] オリジナルの巻

さてと、今回で4回目の<少数派の行列>、今回で最終回であります。

最終回のテーマは『オリジナル』。
これを追求するが故に少数派に迷い込んでしまった方も多いのではないでしょうか。
オリジナリティ=独自性、と捉えてよいのか分からないが、とにかく「他とは違うぞ!」という雰囲気をプンプン出し、『一歩先行く感』をほのめかすこの言葉、非常に厄介者だ。

主流からはぐれてしまった『少数派』にとって、宣伝文句はもはや『オリジナリティー』くらいしか無いのか?と思わせるほどに『オリジナル』関連用語が横行している。だが、人と違うことをすれば『オリジナル』、というのはお門違いだし、『オリジナリティー』に満ち溢れた結果が『意味不明』では表現のしがいがないというもんだ。とりわけアンダーグラウンドの中でも、オーバーグラウンドの音楽を全く聞かずに毛嫌いする部類は、こういったトラップに陥りがちだ。こういった部類は自ら『オリジナル』と口にせずとも『オリジナル』に取り憑かれて逆に自分を見失っているいることが多い。アタクシも気をつけなければ…と襟を正している問題のひとつだ。

はたまたプロモーションする側のコピー。
『オリジナル』も『NO.1』も『ディーバ』も『次世代ナントカ』も『カリスマ』も同様。パッと聞きでインパクトの強い言葉ばかりを集めているうちに、どのアーティストのコピーも結果的に似たような文字が並ぶ。それこそ『オリジナリティー』が欠如していることに気付かないものか。

はたまた「オリジナ~ルッ!」と自ら叫ぶ演者。
せめて「オリジナルと呼ばれたい~ッ!」とか、「オリジナルと呼ばれる人みたいにないたい~ッ!」とか、「オリジナルって言ってた人が格好良かったから俺も言う~ッ!」とか、『正直に』発表して欲しいもんだ。「それじゃあ格好悪い!」というのであれば、自分の『正直』な部分が格好悪いという結論になるのではないか。

かくいう我もまれに雑誌やCDレビューで『オリジナル』関連用語を用いて紹介されることがあるが、アタクシに『オリジナリティー』なんて微塵もないぞな。多少『型にはまりたくない』的な気持ちはあっても、客観的に考えるとそれは『型』が大きいか小さいかの差で、自分もそれなりの『型』にははまっていると思う。

というのは、私は米国産HIPHOPを軽く聞いた状態で日本のHOPHOPを知り、自らも手を出すことになったわけで、2つものお手本がある状態でマイクを握ったわけだから、『オリジナル』ではない。彼らの『副産物』だ。

だけど、『コピー商品』になるつもりもない。
だから、彼らと同じことをしたり、同じ服装をしたり、彼らをなぞったりする気にはならない。10代のころはアタクシもB-GIRLと呼ばれる服装に歩み寄ってみたこともあるが、「これじゃコピー商品だろが!」と自分に突っ込み、恥ずかしくなってヤメ。コピー商品に限って『元祖』の印が貼ってあったりするもの。産地偽装は食品に限った話ではない。

では、『オリジナル』でもなく『コピー商品』でもない、それは何か。

『自分』であることに他ならない。
書いていて、あまりにありふれた『自分』という言葉が出てきて自分でもビックリするが、それを全うするのはとっても難しいことと思う。己の視点で日々目や耳に入る情報を裁き、いつも先に誰かが植えつけてくる『結論風』なものを検証して自分なりの『結論』を探すこと。それが、全部に出来るだろうか?

もう世の中全てイメージ戦にやられつつある。
だからこそ、少数派くらいは物事の真意を見抜くクセをつける必要がある。それ故、『オリジナリティ』なんて言葉を少数派の言い訳にするわけにはいかないのだ。いつまでたっても小数で「我らはオリジナリティに溢れているゆえ少数派なのだ」なんて結論はあまりにお粗末というもの。

少数派は『行列』を作らなければならない。
その『行列』を見て主流の人間が「何だあの行列は?」と見に来るところまで持っていき、己等の価値観を見せ続けなければならない。そのためには『少数派』である言い訳を用意せず、常に正直に『自分』の思うところを発信し続ける必要性がある。
この『発信し続ける』が大事で、選挙前だけノコノコ出てきて「聞いてください、お願いです!」って言ったって、そんな言いたいなら常に発信しとけ!ってもんだ。

この連載の1回目は<レコードの巻>だったが、くしくもこの連載中にいくつかのレコード屋が潰れた。これはほんの一例で、自分の愛する物や価値観が『少数派』に属するならば、それを守っていかなければ、必ず死に至るのだ。

それを『変化』と一蹴する者もあろう。
だが、秋葉原の町の変化のように、『守り続ければ文化になる』ということもあるのだ。彼らは弾圧されながらも、常に自分の価値に正直に自分達の文化を守ったと思う。

新しいものを手に入れるよりも、守り続けることの方が大変だ。
反戦と叫んでいた『行列』はどこへ行った?
チベットと叫んでいた『行列』はどこへ行った?
『行列』を絶やすな。
米国産HIP HOPから学んだ言葉で言わせてもらえば、大事なのは『KEEP ON!』ですよ先輩!!

さて…。
これで<少数派の行列>はオシマイです。
いままでお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

……ところがドッコイ、JET SETさんの方からあと4回継続のお話をいただきました。
パオ! 嬉しい!

というわけで、次回からはテーマを変えてお伝えする運びとなりました。まだテーマは曖昧にしか決まってないので、「こんなのやって!」ってのがありましたら、Sanagi Recordingsまでお便りください。トップページからメール送れます。
www.sanagi.jp

ではでは、次回もまた宜しくお願いします、お楽しみに!

 
 

AUTHOR PROFILE:
RUMI(るみ)

Sanagi Recordings女将MC。高校生の頃、MC般若とヒップホップ・ユニット般若を結成。ライヴDJにDJ BAKUを迎え、精力的な活動を行う。2004年、自身のレーベルSanagi Recordingsよりソロ・デビュー・アルバム『Hell Me Tight』リリース、エモーショナルなメッセージはHIPHOPのみならず様々なフィールドで反響を呼ぶ。DJ BAKUや漢(MSC)の作品での客演で存在感を示しつつ、ジャンルに囚われず活動内容を拡大。数々の客演をこなしつつ、07年にはセカンド・アルバム『Hell Me WHY??』をリリース。今作はエレクトロ、ブレイク・ビーツ、ダブ・ステップの要素を取り入れ、前作とは違いカラフルな仕上がりとなっており、良い意味での裏切りを見せた。この作品が海外でも評価を得ることになり、現在イギリスのTHE BUG(KevinMartin//TECHNO ANIMAL)とも作品を制作中。加えて、3rdアルバムにして『Hell Me』シリーズの最終作となる『Hell Me NATION』が本年11月に発売決定!

SanagiRecordings: http://www.sanagi.jp
MYSPACE: http://www.myspace.com/mcrumi




 

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12" | 1575 | POPGROUP | 2010-01-11