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![]() '08年ニューレイヴ・ムーヴメントの展望 KLAXONSやCSS、SIMIAN MOBILE DISCOがメイン・ストリームでのブレイクを果たした2007年。僕らの通うパーティーではネオン・カラーのパーカーやカラフルなサングラスがセオリーとなり、JUSTICEを筆頭にしたフレンチ・エレクトロの台頭も手伝って、インディ系のリスナーとエレクトロ系のリスナーが自然と交じりあうパーティーも多くなった。ニューレイヴというムーヴメントの気分は(ハイプな部分を含め)確実に東京のクラブでも感じることが出来た1年だったように思う。 さて、そんな現状を踏まえて'08年のインディ・シーンをどのように展望するのか。少なくともロンドンを中心にしたコミュニティに関しては、引き続きニューレイヴ以降のインディ・ダンス・サウンドが主流を占めるとみて間違いない。既にネオ・レイヴなんて新たな呼称も生まれているわけだし。THESE NEW PURITANSやLATE OF THE PIER、FOALSを筆頭に、FRIENDLY FIRES、TEENAGERS、METRONOMY、CRYSTAL CASTELSなど、KLAXONSと同等かそれ以上のカリスマ性やオリジナリティをもったアーティストのアルバム・リリースが控えており、恐らくは昨年以上の盛り上がり、マッドチェスター・ムーヴメントに措ける'91年の再現になるのではないかと期待している。 というわけで今回は来たるべきサード・サマー・オブ・ラヴに向けて、'08年のニューレイヴ・シーンの代表格、注目株をピックアップしてみました。かなり個人的な嗜好も入っていますので偏っておりますが、参考にして頂ければ幸いです。 TEXT: GIKYO NAKAMURA(JET SET TOKYO)
それではまず、ポストKLAXONSの座を競うバンド勢から。
抜きん出ているというか、完全に別格なのがLATE OF THE PIER。ファンクとグラムとエレクトロを同時に鳴らす奇跡的ソングライティング・センスに、ルックスも完璧というフロント・マン、SAMUEL DUST率いる4人組。CAJUN DANCE PARTYなどを輩出したWAY OUT WESTからデビュー・シングル"SPACE AND THE WOODS"をリリース後、MOSHI MOSHIからのセカンド・シングル"BATHROOM GURGLE"を発表。EROL ALKANをプロデューサーに迎えた同曲は、独自の耽美で退廃的な美意識をニューレイヴの衝動とクラッシュさせたスーパー・アンセムに。SAMUEL DUSTはソロ・ユニット、LA PRIEST名義でも活躍する他、VIDEO NASTIESのプロデュースや、FILTHY DUKESのシングルにヴォーカルとして参加するなど、多才っぷりを発揮しております。
そして忘れてならないのが、パリ出身の3人組、TEENAGERS。MEROKからリリースされた"HOMECOMING"、"STARLETT JOHANSSON"という2枚の超傑作7インチに続き、3月にはファースト・アルバム"REALITY CHECK"がリリース決定(スーパーマスト!)。おそらくコレが'08年上半期のハイライトとなるでしょう。’60〜70年代アメリカのノルタルジックなポップ・ソングを現代のインディ・ダンス・ミュージックのフォーマットで奏でる彼らの存在は、例えるならマッドチェスター・ムーヴメントにおけるST.ETIENNEのようなポジションかも知れません。そのサウンドを一言で形容するならば『「ヴァージン・スーサイズ」くらい眩しく切ない青春の全て』といったところでしょうか。リミックス・ワークに関してもTEENAGERS節のキラキラ・インディ・ダンス色に染め上げる素晴らしい傑作揃いですので、とりあえず名前を見たら買って頂いてOKです。
バンドと書くとイメージ的に語弊があるので別項にしましたが、CRYSTAL CASTLESに代表されるシンセ・レイヴ・サウンドもこれから本格的に流行ると断言します。
KLAXONSやWHIPを手掛けた傑作リミックス・ワークにHEALTHとのスプリット盤、そして単独リリースEP"AIR WAR"も当店大ヒットを記録したカナダ出身のCRYSTAL CASTLES。暴走するファミコン的な8-BITシンセとリズム・マシーンによるチープな鳴りで、何故にどうしてこの覚醒感、陶酔感。そしてコレが今もっとも刺激的なダンス・ミュージックと断言できるこの瞬間。めちゃめちゃ狂っていて楽しいです。3月には待望のアルバムもリリース予定。ちなみに過激すぎるのかイマイチ理解されておりませんが、彼らと共にスプリット盤をリリースしていたL.A.のエクスペリメンタル・ノイズ・コアHEALTHや、MEROKからリリースするレーベル・メイトのPRE、さらにその仲間のフィードバック・シンセ・コア・バンド、FUCK BUTTONSなど、確実にシーンの一翼を担う存在となりそうです。個人的にはこの辺りがネオ・レイヴの核心だと思うのですが…どうぞ気合を入れて聴いてください。
次。一聴してそれとわかる記名性の高いローファイ・エレクトロなリミックス・ワークで着実に支持を集めてきた当店お馴染のMETRONOMY。当初はJOSEPH MOUNTの1人ユニットでしたが、現在は3人組のバンド編成になっている模様。最新シングル"RADIO LADIO"で過去最高にポップな地点に到達し、まるでJUSTICE"D.A.N.C.E"のごとく子供コーラスまで入るキラー・エレクトロ・ディスコをゲットしたにも関わらず、お茶の間にまったく接近しない素晴らしいショボさ。この音でGORILLAZやKLAXONSといったビック・ネームのリミックス・オファーがガンガン来るのですから、英国はすごいなーと感心します。こちらも遂にアルバム・リリースとの噂あり。
たった1枚の自主プレス12インチと幾つかのリミックス・ワークのみで話題沸騰中のFRANKMUSIKも、間違いなく今年のブライテスト・ホープ候補。80年代MTVポップの下世話で切ないキラキラ感を更に過剰にしてビートを加えたら、ハイ・エナジーを通り越してレイヴになってしまいました的な時代設定のまったくわからない、でもコレこそ今の音。髪型やファッションを含めてポストPATRICK WOLFと呼んでも差しつかえありませんが、コチラは一瞬で消えさりそうな胡散臭さがまた溜まりません。褒めてるんだか何だかサッパリわからなくなってきましたが、とりあえず個人的には今一番スキです。既にISLANDとサインしているようで、これからリリースや露出の頻度も増えていきそうですね。
もう少しダンス寄りのアプローチのものになると線引きが難しくなってくるのですが、フレンチ・エレクトロやフィジェット・ハウスを見据えながらも、あくまでインディ側からのスタンスと判断されるかどうかがニューレイヴ/ネオ・レイヴと、既存のエレクトロ・ディスコの境でしょうか。乱暴な理屈ですが、ニューレイヴという括り自体がレイヴ・リヴァイバルという建前はありつつ、そもそもファッション主導の側面も強いので、ここは感覚でジャッジして頂くしかないかと…。
'07年はYOUNG TURKSからデビューした過剰にロッキンでノイジーなチンピラ・デュオ、SOUTH CENTRAL(新作はMETRONOMYのレーベルから!)や、フレンチ・エレクトロの影響も色濃いDOES IT OFFEND YOU YEAH!などが人気となりました。
今年の注目アーティストの筆頭はロンドンのAUTOKRATZ、TRONIK YOUTHあたりでしょうか。KITSUNEがマネージメントする2人組AUTOKRATZは、DIGITALISMというよりも皆様そろそろお忘れになっているWHITEYのあのヒリヒリとした空気感と、ED BANGAR以降のファンキーなエレクトロ・ディスコを掛け合わせたようなサウンドが魅力。KITSUNEからリリースされたCAZALSの傑作リミックスに続き、既に当店大ヒットしているMAKE MODEL、UNDERWORLD、FISHERSPOONERといったビッグネームのリミックスが続きます。TRONIK YOUTHはオリジナル作品のリリースこそ12インチ1枚ですが(実は'04年頃に自主リリースしていたと思われる7インチを自宅で発見したのですが…)、既にGOSSIPやRAKES、JAPE、LATE OF THE PIERなどのリミックスを手掛けており、チェックされている方も多いかと思われます
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