Interview » vol.103

DE DE MOUSE

キラキラしたシンセサイザーの音色に、独特の響きで重なり合うオリエンタルなメロディ、そのキャッチーかつ独特の世界観を描く楽曲で、多方面で話題騒然となっているのがDE DE MOUSEだ。昨年発売された自主CDR『BABY'S STAR JAM』や、RAWLIFE2006での熱狂のライブで話題を集め、今年1月に、元トランソニック・レコーズのオーナー永田一直が新しく立ち上げたExT RECORDINGからファースト・アルバム『TIDE OF STARS』を発表するや、インディーの新人アーティストとしては異例の大ヒットを記録。7月21日にはボーナス・トラックを収録したリ・イシュー盤『TIDE OF STARS SPECIAL EDITION』をリリース。さらに、8月18日にはミニ・アルバム『EAST END GIRL』をリリース予定と、今後の活動にも期待が高まる所だ。

INTERVIEW + TEXT: やけのはら
  • ★音楽を好きになりだした頃の話を教えてください。
  • 歌は小さい頃から好きでした。幼稚園くらいからはアニメやみんなのうた、ポンキッキなどの歌をいつも歌っていたり。 小学生になってからは、合唱で大きい声で歌えば元気で先生にほめられると思って、大きい声で歌ってました。
  • ★自分で音楽を作り出したのは何時でどんなきっかけからですか?
  • 初めて作ったのは小学3年生の時に、妹の持っていたサンプリング・キーボードで。妹がクリスマス・プレゼントで貰ったキーボードは、サンプリング機能が付いていて、小さいわりに中々性能の良いものでした。 後々考えたらミッキーマウスのテーマのメロを変えただけなんだけど、当時は妹とそれをよく弾いて遊んでいました。
    音楽やろうって思ったのは中学生の時で、ぼくは田舎で育ったし特に閉鎖感の強い地域だったから他と交流があまり無いんですよね。 で、進路だったりなんだったりって事でだんだん未来がちょっとずつ差し迫ってきた時に「こんな田舎でサラリーマンになるなんて嫌だ!もっと派手な世界で生きるんだ!」って。 まあ、現実逃避ですけどね。退屈だしモテたかったからだったけど、気づいたら全然モテない音楽をやっていたって感じです。
  • ★『TIDE OF STARS』はどのようなことを意識して作ったのでしょうか?またリリース後の反応などはどうでしたか?
  • このアルバムは「銀河鉄道の夜」をモチーフにして作っています。それとバグルスの『THE AGE OF PLASTIC』をモデルにしています。
    元々、もっとビートの強い音楽を作っていたのですが、みんなが反応するのはメロディだと思ったんです。それで、そんなメロウなサウンドをライブで乗れる様なビートに乗せたって感じです。クラブで普通かかってるのはビート中心だし、ビートの強さにみんな反応している。そして、多くの作り手もビートとサウンド・メイキングのみに力を注いでいる。なら自分は「メロディでみんなを振り向かせてみせる!」って気持ちで作りました。
    リリースしてからの反応は大きかったと間接的には聞くんですが、ぼくの耳には直接は届いてこないし、プロモーションもきちんとしたわけではないので実感は薄かった。 唯一実感するのはライブの時に声をかけられる回数が段違いに増えたってことかな。
  • ★どの曲も何かのサウンド・トラックのような印象を受けます。そのようなことを意識して作ったりしてるのでしょうか?
  • アルバムに関して言えば『TIDE OF STARS』は「銀河鉄道の夜」です。ジョバンニがカムパネルラを連れ戻しに行く世界に生きる少年の物語という設定で作っています。
    一方、ぼく自身の音楽のテーマというのは、まずアニメーションです。音楽を作る際には、アニメーションの映像をイメージさせるようなもの、というのは、いつも念頭に置いています。 それとぼくは多摩の方の街並みが大好きで、これはジブリの「耳をすませば」がきっかけになっているのですが、多摩ニュータウンのような郊外の美しい街並みに合うサウンド・トラックを作って行きたいと思っています。 実際、自分の曲を聴きながら街並みを眺めるのは好きです。
  • ★8月には新しいミニ・アルバムが出ますね。これはどんなアルバムになっているのですか?
  • 『EAST END GIRL』というタイトルですが、表題曲の「EAST END GIRL」は、来年リリース予定の2NDアルバムの世界を牽引する役目を持っています。「BABY'S STAR JAM」を引用した「TIDE RIDE BABY」や、『TIDE OF STARS』に収録前提で作ったけどアルバムのバランス上、収録されなかった「BOY AROUND THE WORLD」、2001年に制作した今のスタイルの雛形になった「RATS WALKS MY FOREHEAD SLOWLY」、タイトル曲のCHERRYBOY FUNCTIONによるリミックスなどが収められていますが、基本的には「EAST END GIRL」のシングルと考えてもらってよいです。
  • ★今後、やってみたいと思っているアイデア、展望などあれば教えてください。
  • 色々あるし、着々と進んでいるものもあるのですが、まだナイショです。でもジブリの主題歌とかやるのが夢ですね。 駿作品は無理だとしてもジブリ関連に関われたらって言うのを目標にしています。
  • ★音楽以外に興味がある事ってありますか?
  • 今は音楽が楽しいですね。自分の体験や状況をすべて音楽にフィードバックしようって考えています。メランコリックな気持ちにさせられる場所を探したりするのも好きです。
  • ★最後にオールタイムでのお気に入り盤を紹介して下さい。
『耳をすませば』サウンド・トラック
この映画は人生で一番観た映画でぼくの人生を突き動かしてます。これがきっかけで郊外の街に取り憑かれました。2年位前にこのサントラの作曲者の野見祐二さんと仕事をして大感激でした。全曲素晴らしいですが「丘の街」という曲が特にステキです。ここでの「カントリー・ロード」を超えるカバーは聴いたことないです。
AVALANCHES / SINCE I LEFT YOU
ぼくの今の方向に向かわせる布石になった、最初のきっかけがこれかもしれません。はじめて聴いた時、表題曲のあまりの素晴らしさにその場にボー然と立ち尽くしたことをうれしく思ったのを覚えています。
キリンジ / 3
流れから言うと「魔女の宅急便」→「荒井由実」→「キリンジ」って感じです。 目まぐるしく変わるコード、メロディ、コーラス、郊外感溢れる歌詞、すべてが大好きです。 コーラスの楽しみはキリンジに教えてもらった気がします。彼らの作品の中でも、多分、1番聴いたのはこの『3』です。秋から冬にすごく聴いたので晩秋には毎年聴きたくなります。 特に「千年紀末に降る雪は」のストーリー・テリングには戦慄すら覚えます。 ぼくのレーベル・オーナーの永田氏がキリンジと友達で実際お会い出来た時は夢かと思いました。
BUGGLES / THE AGE OF PLASTIC
「BABY'S STAR JAM」は「ラジオ・スターの悲劇」から、「METEORSWARM FALLS IN YOUR RADIO」は「アストロ・ボーイ」からインスピレーションを受けています。 『TIDE OF STARS』は、この『THE AGE OF PLASTIC』を下敷きに作ったと言い切ってよいでしょう。 このアルバムが無かったら今の「BABY'S STAR JAM」の形は無かったし、こんなにメロディアスにならなかったでしょう。
荒井由実 / コバルトアワー
「ルージュの伝言」も「航海日誌」も「少しだけ片思い」も「雨のステーション」も大好きだけど、とにかく表題曲の「コバルトアワー」はなんと素晴らしいことか!夜明けの金星にも真夏の桟橋にも思いは膨らむばかりだし、きらめく空はコバルトだし、夜の都会をさあ飛び越えて、ぼくの夜のキラキラへの憧れはこの一曲に詰まっています。
世界名作劇場 主題歌集
赤毛のアンの「きこえるかしら」「さめない夢」はうっとりするくらい好きで、いつかこんな曲を作るのを夢見ています。 トムソーヤーの「誰よりも遠くへ」や、私のあしながおじさんの「グローイングアップ」も大好きです。
『マディソン郡の橋』サウンド・トラック
これは18歳の時、地元のブックオフで映画のサントラと思って買ったら映画ではまるで使われてなくて、謎のまま未だになんだか分からない1枚です。1曲目の「ローズマン・ブリッジ」という曲から、ボブ・ディランの「北国の少女」のカバー、中盤はラジオから流れるスタンダード・ジャズ、最後の「ブリッジ・オブ・マディソンカントリー」まで素晴らしく休日の夕暮れや夜によく聴いていました。映画とはまったく関係ない企画ものっぽいです。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』サウンド・トラック
この映画もホントに大好きで元気になりたい時によく観ます。 ホントにこの世界の住人になりたいっていつも思います。 タイトル・ソングを聴くとワクワクして胸膨らみます。 やっぱり郊外の街の美しさが好きなようです。
『魔女の宅急便』サウンド・トラック
このサントラは大好きで、キリンジを好きになったのもユーミンを好きになったのもここからです。大好きな「海の見える街」が流れるシーンは、いつ観ても胸を打たれます。
 
DE DE MOUSE - Interview 103
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