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日本語ラップ史を語る上で決してはずすことのできない名曲"証言"を生んだ伝説的グループ、LAMP EYEの一員にして、同曲のプロデュースを手掛けたことでも知られているDJ YAS。この時点ですでに日本語ラップ史にその名はハッキリと刻まれたわけだが、その後KEMURI PRODUCTIONS、ソロとしての活躍もまた、熱心な日本語ラップ・リスナーならずとも周知の通りだろう。

2007年の暮れ、近年稀に見る日本語ラップのリリース・ラッシュにおいて、とりわけインパクトが強かったA+ TOKYO"日本語ラップIS DEAD?"のリミックス・ワーク、そしてこの度のインスト集"DEADLY BEATS"のリリースなど、彼が主催するパーティー「TIGHT」が10周年を迎える今年、氏により一層の注目が集まる中でインタビューを敢行した。

INTERVIEW + TEXT: TAKASHI KUROKAWA(JET SET KYOTO)
去年の年末に、A+ TOKYOの"日本語ラップIS DEAD?"*1のREMIXをされていましたが、実現の経緯を詳しく聞かせていただけませんか?
ジャパニーズ・ヒップホップ作品は、正規プロモーションだけでも数枚、リリース未定作品もそれ以上に毎月聴いているんだけど、"日本語ラップIS DEAD?"という曲は、凄く嬉しさがこみ上げてきたんだ。純粋にDJとして、DENに「アナログとか出さないの?」と聴いたらその予定はなかったので、「リミックス作るから、うち(ケムリレコード)で12インチプロモーションさせてくれ」って頼んだんだ。お互いシーンに対して熱い思いがあるからね。話はトントン拍子で進んだよ。彼らにとっても良いプロモーションになると思ったし、俺にとってもやりがいがあるだけでなく、本当に良い作品はアナログで残して欲しいという希望も持っているので速攻で仕上げたんだ。
あのREMIXは、どことなくLAMP EYEのクラシック"証言"に似た雰囲気を感じたのですが、その辺りは特に意識されたのでしょうか?
トラック作ってる人が同じだからでしょ!?そもそも、あの曲のパンチラインは証言だけでなく、ブッダやギドラ、ペイジャー、ライムスター、ランプアイ等の名パンチラインを見事にはめてるじゃない?リアルタイムで聴いてきた1人として感動したし、あの曲は時間を超えて繋がる曲だと思ったよ。
"証言"と言えば、同曲のインスト・トラックが最近になってリリースされましたが、なぜ今のタイミングで?
昨年6月に出した俺のブレイクビーツ集DUB&BEATSね。あんなに地味に出したのに反響あって嬉しかったよ。もともと第三部作品の最初だったので、1枚で1人がキック出来る長さにしたんだ。
前作に続いて、今回もインスト集のリリースとなったわけですが、インスト・トラックへのこだわりを教えて下さい。
機材の進化もあって、今は音楽全体の環境が変革の時期だと思うんだ。俺も例外に漏れず、機材は進化してるし、作り出す音も無意識に変化してるのかもしれない。変化、進化というのは、肯定的に捉えるのが常であるけど、変わらぬ良さというのも知っているし、少なくとも俺の中で不変なのは、ブレイクビーツに対する思い入れと、音へのこだわり、そして好みだね。要はブレイクビーツが俺の音楽の基なんだ。そこは、変えたくても変えられない。
DJ YASさんのプロフィールで、「ヴァイナル派」という言葉を目にしたのですが、改めてヴァイナルへのこだわりを教えて下さい。
結果そうなってるけど、俺自身その言葉は発してないよ。CDでのプレイも、トラクター等PCベースのプレイだって取り入れてるよ。ただ、音楽活動の最初から制作始めもヴァイナルが中心だったし、DJをする時も現場はヴァイナル中心。20年近く集めたレコードのデジタル化も徐々にやっているけど、やはり好きだからなのかね。お金と時間がいっぱいあればいっぱい買うよ!でも今俺に出来る事はヴァイナル中心の作品作り&リリースをしっかりやっていく事だと思い至ったんだ。
今後の活動/リリース予定を教えて下さい。
2月下旬にブレイクビーツ集第二弾その名も"DEADLY BEATS"が出ます。それと、タイ先行なんだけど、"OPEN THE FUTURE"という4曲入りEP出します。それと、今年はヤバいラッパー達の作品にも数曲関わっているのでその都度チェックして!3rdアルバムも出すぜ。そしてタイト*2が10周年を迎えます。
最後に、ファンに一言お願いします。
今まで以上に感謝の気持ちを込めてイベントを開催しますので遊びに来て下さいぃメーン!
注釈
*1) 「日本語ラップ IS DEAD?」 - 妄走族のDENが、毎月第2木曜に渋谷VUENOSにて開催しているパーティー「A+ TOKYO」から生まれた、新しい日本語ラップのクラシック。去る2007年10月17日に同パーティーの1周年を記念したコンピレーション・アルバムにも収録。参加メンツはD.O、JBM、JIKN、SIMON、DEN、DJ MISSIEで、プロデュースは無也(下克上NYC)。REMIXをDJ YAS氏が担当した。
*2) 「TIGHT」 - DJ YAS氏が、DJ QUIETSTORMと共に、渋谷ROOMにてオーガナイズする長寿パーティー。同パーティーが企画する同名のMIXCD(担当DJは、同パーティーに縁のあるアーティストが持ち回りで行っている)は現在第20弾までリリースされている。

■ DJ YAS プロフィール

日本のヒップホップを語る上で欠かせないトラックメイカー/DJ/プロデューサーの一人。DJ KRUSHのレコード持ちとして業界入りを果たした。デジタルを駆使しながらも、レコードそのものやアナログな音を愛してやまない。2006年末、9年ぶりにKEMURI PRODUCTIONS名義で、DJ KENSEI、刃頭、DJ HIDEと共にアナログをリリース。2007年に入ると「DUB&BEATS」というインスト/ブレイク集のアナログ・シリーズをスタートさせる。今回の「DEADLY BEATS」はその続編。2007年末には日本語ラップ・ファンの熱い期待に応え『日本語ラップ is DEAD? 』/D.O,JBM,VIKN,SIMON feat.DEN&DJ MISSIE produced by 無也(下剋上NYC)をリミックスし、アナログでリリース。またDJ QUIETSTORMと共に主催しているヒップホップ・パーティー"TIGHT"は2008年6月で10周年を迎える。

http://www.dj-yas.com/
http://www.myspace.com/DJYASKP