いろいろと聞きたいことが山ほどあるんですが、お楽しみは残しておいて、、、まずはお二人がレゲエを聴き始めたきっかけを教えて下さい。
POSH MAN:一番最初は、小学生の頃かな。ちょうど、第一次レゲエ・ブーム(1990年代初頭の「レゲエ・バブル」と呼ばれていた時代。SNOW、SHAGGY、SHABBA RANKS等が人気だった)の頃。兄貴が聴いてて、「何コレ!?」って。それから何年かあいて、本格的に聴き出したのは16~17歳の頃。その頃は、ジャパニーズ・レゲエ全盛期やったな。でも当時は、それがレゲエという認識はなかった。土地柄なんかも知らんけど、まわりがみんな当たり前に聞いてるし。当たり前に生活する中で存在する音楽やったから、J-POPの延長的な感覚やったわ。
では、サウンドを結成したいきさつは?
CAPTAIN BUZZ:最初のきっかけになったのは、UJさん(大阪を中心にテレビ・ラジオ・現場とマルチな才能を発揮する大御所DJ)。RANKIN TAXIさんがやってた大阪の超長寿ラジオ番組『NATTY JAMAICA』で流れてたライブ録音みたいなやつで、当時のUJさんのCREW「TRINITY CREW」がかけとった
CULTUREの"TWO SEVEN CLASH"を聴いて衝撃受けた。「コレか!!レゲエってコレか!!」って。だから、俺にとっての最初のレゲエはダンスホールじゃなかった。
サウンドを結成するきっかけはどっちから?
(BUZZ氏がPOSH氏を指す)
POSH MAN:俺か??(笑)、、、たぶん、初めてサウンドのダンスへ行ったのは、ベイサイド・ジェニーでやってたMIGHTY CROWN。そこでスゴい衝撃食らってん。「なんやこれ!!シブすぎやないかい!!」と。それまで見てたダンスが、地元のちっさいクラブでやってた小じんまりとしたやつで。同級生とか友達みんなサウンドやらディージェイやらやってたから。自分らで必死にチケット売って友達呼んで、そういうイベントばっかやってたからな。 まぁ、そんなんやったから、初めてMIGHTY CROWNのプレイを見て、「コレはやらなアカン」と思ってんな。「俺はこの世界に名前を残す」と心に決めてん。(横でBUZZ氏が爆笑)
なるほど。では、活動を始めるにあたって影響を受けた人物はMIGHTY CROWN?
POSH MAN:そういう訳でもないなぁ。刺激を貰ったんは間違いなくMIGHTY CROWN。でも、そこからやっぱり大阪の自分らの先輩であるビッグ・サウンドを見てイイものもらったな。
CAPTAIN BUZZ:俺がサウンドをやろうと思ったきっかけは「TERMINATOR」('93年から活動する大阪の老舗サウンド)。そん時もやっぱりRANKINさんの『NATTY JAMAICA』に出ててん。UJさんのTRINITY CREWの次にTERMINATOR。DICEMAN(BOSS/MAIN SELECTOR)カッコイイーー!!!!!って衝撃うけたなー!
POSH MAN:ラジオしょっちゅう聴いてたもんな。ってか、ずーっと聴いてたな、テープに録音までしてな(笑)。
CAPTAIN BUZZ:(その番組では)ダブ・プレートとかもよくかかってたんやけど、その時代のサウンド・マンにとっては、ダブ・プレートをかけるってことはスゴいことやったみたいで。今はもうバンバン録れるけど、その時代には、ジャマイカ行ってダブ・プレート録って来てかけてるってのは、ホンマにスゴいことや、ってRANKINさんがよく言ってた。俺自身、その頃はまだダブ・プレートを所有することのスゴさをわかってなくて、「あー、ジャマイカってそんな危険なとこなんやー。そんなとこ行ってダブ録って来て、DICEMANってスゴいなー」って思ってたな。
JOHN HOLTの"LOVE I CAN FEEL"とか覚えてるわ。その時にTERMINATORが、流行ってる曲よりも古いのばっかりかけてたから、ずーっと聴いてたオレらも自然とそればっか聴いてた。今の俺らのスタイルになったんは、この影響がデカいと思うな。だから始めなんかは、プレイの選曲もまるまるTERMINATOR(笑)。情報源がそこしかないから。必死にラジオ聴いて、一曲一曲必死にメモして、あらゆるレコ屋探し回って。特に、アメ村にあるKING KONGにはTERMINATORのレギュラー・チューンが結構あったから、よく行ってたなー。
POSH MAN:まぁ、始めは俺らも新しい曲もかけてたんやけどな。もうめっちゃ早い段階でやめたな(笑)。ニュー・チューンも良いけど、やっぱりファウンデーション(FOUNDATION。レゲエの基礎になる昔の音楽)、ダンスホール・クラシックスを極めてからニュー・チューン行ってもいいんじゃないかなと。昔の曲知らんのに、今の曲かけててもな、と思って。
CAPTAIN BUZZ:当時、俺らの周りはみんな、ニューチューンかけてなかったもんな。その頃からイケイケやったRED SPIDERもバリバリ古い選曲もやってたし。まわりに古い曲をかけるサウンドがホンマむっちゃ多かった。みんな古臭いのんばっかかけてた。
そういった泉州の独特なレゲエ・シーンは今では全国的に知られてますね。
POSH MAN:そうやなぁ。変な所やな(笑)。
CAPTAIN BUZZ:みんなおかしいからな(笑)。変なのが多い!!お客さんとかでもめちゃくちゃ詳しいからなー。下手なことしたら普通にめっちゃバッシングくらうし。
POSH MAN:ジャマイカに近い雰囲気があるな。反応をちゃんと示してくれるからこっちもやってて面白い。
CAPTAIN BUZZ:まわりにも、同級生にも、年上にも恵まれてるな。いつの間にか下の若い子でも古いのかけるサウンドがどんどん増えてきとるし。
POSH MAN:「おーーーコイツらっっ!!!!!」ってヒヤッとすることなんかもあるしな(笑)。
CAPTAIN BUZZ:そうそう。でも、いつの間にかみんなに持ち上げてもらってるな。下からどんどん出てくるから、その分俺らもケツ押されて気合入るよ。
それでは改めて、『TRADITION THE ISLAND VOL.4』の完成、そしてリリースおめでとうございます。毎回素晴らしい内容ですが、今作のコンセプトは?
CAPTAIN BUZZ:いつもMIX CDを作る上で元になるコンセプトがあって、せっかく手に取って聴いてもらえるのなら、一生聴いてもらえるような内容にしようと心がけてる。聴きやすく、面白く、ずっと飽きずに聴いてもらえる内容。そんな中で今回はいつもと違う、ちょっと深くマニア路線なところをチョイスしてみた。面白おかしくひねりながら。ただ、、、今回は一般受けはしぃひんかなー(苦笑)。若干、マニア向けというか。80'Sレゲエを突っ込んで聴きたい人とかには喜んでもらえると思う。
毎回手に入りにくい音源が多数収録されていることに驚かされるのですが、製作の度にジャマイカへ足を運んで発掘しているんですよね?たった1枚探すのに膨大な労力が必要なこともあると思います。思い出に残るエピソード等があれば教えて下さい。
CAPTAIN BUZZ&POSH MAN:ジャマイカ?!、、、ナンボでもあるよな~。モンテゴ・ベイとかのエピソードはだいぶ濃いなー(2人揃って苦笑)。
POSH MAN:コレ、言っていいんかな~?ホンマにヤバいしな、、、(笑)。
もちろん言える範囲で結構ですよ(笑)。
CAPTAIN BUZZ:まぁ、いろいろ危ないことはある。ジャマイカは安全、って最近言われるようになったけど、ホンマに危ない時は危ない。
POSH MAN:メッタにないけど、そのメッタに当たったときはホンマに怖いな(苦笑)。
CAPTAIN BUZZ:ジャマイカ行って、欲しいレコード探すのは、サウンド・マンとしては必要なことやけど。みんなホンマに気ぃつけやと。痛い目に合うことも実際にあるから。
*ここでお2人からデンジャラスなエピソードを聞かせて頂きましたが、あまりにリアルなため掲載は控えさせて頂きます。
CAPTAIN BUZZ:
そんな感じの危ない面もあるけど、良い出会いもいっぱいある。良いジャマイカ人とも出会えて、そいつとの会話からいろんなことを感じたりできるし。俺らもそんな出会いで知り合ったジャマイカ人がおって、ある時、「おじいちゃんが死んだから、レコードいっぱいあるし見にこい」って連絡あって、行ってみたらめっちゃ山奥にサウンド・システムばっかりの村があってん。3件隣にはサウンド・システム、、、その隣にもその向こうにもサウンド・システム。「うわー、お前んとこスゴいなー!」ってそいつに言ったら、「言ったやろ、俺んところはスゴいって!!」とかって喜んでた。ホンマに、もう毎日どっかの家のサウンド・システムから音が出てて。そのジャマイカ人に毎日毎日、「明日も泊まっていけ、明日はあそこが音出すから泊まっていけ」ってめっちゃ気に入られたな(笑)。そんな面白い経験もある。キングストンに居るだけじゃなくて、そういったきっかけから面白い経験できる国やな。
POSH MAN:んで、次行ったら、またそいつらがケアしてくれるから。「おー!!帰って来たんか!!」ってな。
CAPTAIN BUZZ:そうそう。俺らいろんな国に行ってるわけじゃないけど、ジャマイカ人は人間が暖かい。プラス、レゲエがあるから分かち合える。国が一つになる素晴らしい音楽があって、さらに人間同士でしっかり繋がれる。良いところやで。
POSH MAN:慣れたからって気を抜いたら、ヤラれますけどね(笑)。
MIX CD1作目(『TRADITION OF THE ISLAND』)は、ジャマイカのレコード・ショップでも販売されていたそうですね。どういういきさつだったんですか?
POSH MAN:いきさつも何も。コピーやけどな、アイツら(笑)。
CAPTAIN BUZZ:客が来て、「コレとコレ焼いてや~」ってな。
POSH MAN:元のCDが置いてあって、「コレとコレとコレを入れてくれ」って感じやで。ジャマイカにもコレクターとかマニアもいっぱいおって、そこの店のヤツもめっちゃ古いダンスホールが好きなんやけど、「お前らのCDもっと持ってこい!!」って毎回めっちゃ喜んでくれる。「やっぱりお前らの作るMIXは違うなー!!!」って。ジャマイカ人が作るMIXと日本人が作るMIXは違うからなぁ。日本のサウンドが作るMIXが欲しいってヤツもおるし。
「レゲエ・シーン激戦区」と呼ばれる南大阪・泉州エリアを中心に活動を続けるこだわりなどありますか?
POSH MAN:ん~、、、確かに「なんで大阪市内にもっと出てこんのんか」ってよく言われる。もちろん、市内でやってるとプラスになる事はようけあるな。プロモーション的にもやり易くなるし地方からのお客さんとかも来やすいし。でも、大阪のレゲエ・シーンって市内と泉州の2つの地区に分かれてて、俺らは泉州出身なわけやから、地元に根付いたレゲエをしっかりキープしていきたい。そこから少しずついろんな場所に行きたいと思ってる。そしたら最近では、全国から泉州にわざわざ見に来てくれるようになったしな~。めっちゃ嬉しいね。昔からブッキーさんとかベアーくんが「泉州を大事にしていこうや」ってずっと言い続けてきてて、俺らもそれを見て育ってきてるからこのまま大事にしていきたいなとずっと思ってるな。
今、注目している日本のアーティストは?
CAPTAIN BUZZ&POSH MAN:TAK-Z(大阪出身の若手シンガー。今後もっとも飛躍が期待されるアーティストの一人)
CAPTAIN BUZZ:新しいのに古い。リリックとか歌い方、アーティストとしてのスタイルが新しいのに雰囲気が古臭い。それがいいね。
現在、尊敬する人物はいますか?
CAPTAIN BUZZ&POSH MAN:やっぱりRESPECTしてるのは、ROCK DESIREのクリリン君。(大阪のベテラン名セレクターであり、日本のダンスホール・シーンのオリジネーター)いろいろ一緒にやらせてもらってきて、クリリン君と出会って変わった。レゲエに対する考え方もやし、全てにおいて変えてくれた。ここまで俺らがやれてきてるのも、クリリン君の存在がデカい。まさに、「出会いは必然」やな。ホンマ、めっちゃ良い人やしなぁ。引き出しをいっぱい持ってるし。レゲエやってる人間とは違うところでレゲエやってる。今回、ジャマイカでクリリン君のプレイ見て改めて思ったなぁ。日本のプレイの時のあのまんま、いつも通りジャマイカ人の前で堂々とやってみせるねん。
音楽以外に興味があることはなんですか?
CAPTAIN BUZZ:何も無いなー。音楽、ってかレゲエを取ったらなんもない(笑)。
POSH MAN:ボーッとするのが一番や!!
CAPTAIN BUZZ:あ、ビール。ビールの美味さについてにしとこ(笑)。
昨年の12月で6周年を迎え、今年で結成7年目ですね。ダンスホール・クラシックスを基盤にしつつ幅広くセレクトする独自のサウンドはどんどん進化していくと思いますが、今後の活動として挑戦したいことはありますか?
CAPTAIN BUZZ:あることはあるねんけどな~、今言ってもイイんかな(笑)。コレを今の時点で、全国に出していいんか悪いんか、、、(笑)。
POSH MAN:ほんじゃ触りだけにしとこか(笑)。今、俺らはダンスホール・クラシックスを前面に出してやってるわけやけど、レゲエを聴いてるみんなに、この面白さをもっと知ってもらいたいし、楽しんでもらいたいねんな。ってことで繋がる企画やねんけど、このダンスホール・クラシックスだけで、もっともっと大きなことを企てて、みんなに楽しんでもらえるような企画を近いうちやろうかなと。今は下準備中です。今、言えるんはここまでやな(笑)。
(2008年4月 大阪・心斎橋にて)