
ROYKSOPPを筆頭に盛り上がるノルウェイのミュージック・シーンから登場した歌姫ANNIE。1999年にTELLEレーベルからリリースしたデビュー・シングル "GREATEST HITS" が話題となり、2005年にRICHARD XやROYKSOPPをプロデューサーに迎えたファースト・アルバム"ANNIEMAL"を英国679レーベルからリリース。その楽曲は、80'Sエレクトロ~ニュー・ウェイヴをベースにしながらも、CHICKS ON SPEEDやPEACHESなど大きな盛り上がりを見せたエレクトロ・クラッシュ~80'Sリヴァイバル・ムーヴメントのアーティストとは一線を画し、一躍新世代のポップ・アイコンとして注目を集めました。
また"ANNIEMAL"からカットされた4枚のシングル盤には、ROYKSOPP、MYLO、HEADMAN、JOAKIM(TIGER SUSHI主宰)、RITON、ALAN BLAXE、SEBASTIAN、PATRICK WOLFの8人よるリミックスを、さらにMIX CDのエクスクルーシヴ・トラックやプロモ盤のみのトラックとして、MAXIMO PARK、JAMES IHA(SMASHING PAMPKINS)、RAPTURE、MAULICE FULTONのリミックスを収録し、その世界各国の旬のアーティストの起用が話題となりました。また、DJとしても活躍する彼女は、PLAYGROUPやTIGA、ERLEND OYEなどと肩を並べてMIX CD"DJ KICKS"シリーズに登場。ニュー・ウェイヴ、コールド・ファンク、エレクトロ、ディスコ・パンクをANNIE独自のセンスで見事に調理し、DJとしても注目を集めています。そんなANNIEが今年2月に待望の来日を果たしました。SHIBUYA AXで行なわれたROYKSOPPのライヴではオープニング・ライヴを務め、西麻布YELLOWと梅田KARMAで開催された『GANBAN NIGHT』にはメインのDJおよびライヴ・アクトとして出演。愛くるしい笑顔と抜群の歌唱力、観客を煽る迫力のパフォーマンスで会場は終始大盛り上がりとなりました。
インタヴューのため私たちの前に姿を見せたANNIEは予想したより小柄。ちょうど同時期に来日していたROYKSOPPとカラオケでHUMAN LEAGUEを歌った話など雑談も交えつつ、短い時間ながら楽しいインタヴューとなりました。
TEXT + INTERVIEW: KOZUE FUKUSHIMA(JET SET TOKYO)
INTERPRETER: RYOKO ITO
ANNIE WORKS
JET SET(J):はじめまして。日本は初めてですか?
ANNIE(A):5年前に当時のボーイ・フレンドが大阪にDJしに行くことがあって、その時に一緒に来たの。私自身が今回みたいな仕事でDJしに日本に来るのは始めてよ。
J:あなたのデビュー・シングル"GREATEST HITS"は、
TELLE*からだけでなく、イギリスの
LOADED*からもリリースされましたね。
A:最初、TELLEから7インチでリリースされたんだけど、2日間でソールド・アウトしたの。それから世界中のたくさんのレーベルからオファーが来たわ。最終的にLOADEDと契約したのは、イギリスのレーベルならワールド・ワイドなアプローチがしやすいって考えたからよ。
J:現在のイギリスでのリリースは、
679*からですね。
A:LOADEDは、それこそ12インチを月に何枚も出すようなダンス・ミュージックのレーベルで、それはそれでもちろん良いんだけど……。プライヴェートで私のボーイ・フレンドが心臓を悪くして亡くなってしまったことなんかもあって、いろんなことを変えたかったのかもしれないわね。LOADEDを辞めて、もっと自分の音楽に対して理解を示してくれそうな679と契約したの。
J:オリジナル・アルバム"ANNIEMAL"に続けて、ミックスCD"DJ KICKS"もリリースされましたが、アーティストとしての創作活動と、DJとしてのキャリアは、どちらが先なんですか?
A:ミュージシャンとしてソングライティングしたり、ヴォーカリストとして歌い始めたのが全ての始まりよ。ギターを弾いたり、歌を口ずさんだりするのは、小さな頃からやっていたことだから。DJを始めたのは、つい6、7年くらい前のことかしら。正直、DJは趣味で始めたことだったの。
J:DJはどのくらいのペースで?
A:去年は、ANNIEとしてのライヴ・ツアーがとっても忙しくて、DJはあまりできなかったの。今は月に5、6回ってところかしら。今年はもっとペースをあげてやりたいわ。DJとしてのツアーが始まれば、月に15回くらいはやりたいと思っているの。
J:レコード・バッグの中から、現在のお気に入り3枚を挙げてください。
A:LINDSTROM"I FEEL SPACE"と、DATAROCK"FUR FUR FUR"。あと、FLATPACK"SWEET CHILD OF MINE"のMYLO REMIXかしら。"FUR FUR FUR"は、私の"DJ KICKS"にも入れたんだけど、彼らのアルバム"DATAROCK"に収録されてる曲よ。
J:2月4日のYELLOW公演ではライヴも披露されました。ライヴのメンバーについて教えて下さい。
A:まず、TIMO(TIMO KAUKOLAMPI)ね。アルバムの中の7曲をプロデュースしてくれた人よ。もう長い間一緒に活動しているわ。ライヴでは、サンプラー、エフェクター、シンセを担当していて、全体のサウンドをまとめているのも彼なの。そして、ギター担当のPETRE KAUTO。彼はたまにドラムも叩いたりするわ。
A:曲の骨組みは、基本的に全て私が作ってるの。まず、メロディ・ラインを作っていって、そうするとリズム・セクションのドラムやベース・ラインが浮かんでくるから、そこに歌詞をつけていくの。そこまでできたら、プロデューサーのところに送って、ここをこういう風にって、口ずさんだり、シンセで弾いてみせたりしながら仕上げていくのよ。
J:アルバムからの12インチ・シングルが4枚(プロモ盤を除く)リリースされていますが、毎回リミキサーのセレクトが素晴らしいですね。ジャケットのクレジットを見ると、
EROL ALKAN*も関わっているようですが。
A:EROLは679のレーベル関係者と関わりが深くて、私も何かと相談に乗ってもらってるの。もちろん、私が選んだリミキサーもいるのよ。RAPTUREやSMASHING PAMPKINSのJAMES IHA、PATRICK WOLFは私の友達なの。MYLOは会ったことはないけど、素晴らしいプロデューサーだわ。
J:音楽的に影響を受けたアーティストは?
A:そうね、難しい質問ね。ソングライティングやメロディに関しては、HUMAN LEAGUEやMADONNAかしら。サウンド・プロダクションで言えば、ARTHUR RUSSELLとZONGAMINね。ヒップホップなら、DR. DREはプロデューサーとしての仕事が本当に素晴らしいと思うわ。
J:では、最近お気に入りのアーティストは?
A:まずはALAN BRAXEが思い浮かぶわ。TIGAやMYLOも素晴らしいし、MUも大好きよ。たくさんいるから、この質問は困っちゃうわ。
J:あなたがお住まいのベルゲンには、たくさんの才能溢れるアーティストがいますね。
A:ROYKSOPPや
FREDRIK SAROEA*、RALPH MYERZ。すごく環境に恵まれていると思うわ。各々いろんなカラーがあるんだけど、行き詰まった時にはお互いに助け合える空気があるの。それに、最近はもっと若い世代のアーティストも活発に活動しているのよ。例えば、SKATEBAARDとか。彼は、DATAROCKとも仕事をしていて、今後は私のプロダクションにも関わってもらう予定なの。
J:最後に、日本のファンへ一言お願いします。
A:まず、日本に来れたことがとても嬉しいです。あんな素晴らしいオーディエンスに恵まれることなんて、どこに行ってもあまりないわ。ぜひまた戻ってきたいと思っています。本当にありがとう!
注釈
- * TELLE
- ROYKSOPPやKINGS OF CONVENIENCEの初期シングルをリリースしたノルウェイのインディ・レーベル。現在活動休止となっている。
- * LOADED
- SUPER_COLLIDER(CRISTIAN VOGEL+JAMIE LIDELL)やHAKAN LIDBO、BAH SAMBAなどをリリースするブライトンのダンス・レーベル。SKINTの親レーベルとしても知られる。
- * 679
- DEATH FROM ABOVE 1979、THE FUTUREHEADS、MYSTERY JETS、STREETSなど人気のアーティストを多数擁する、イギリスの新興インディ・ロック・レーベル。
- * RICHARD XやROYKSOPPが...
- RICHARD Xは"CHEWING GUM"と"ME PLUS ONE"を、ROYKSOPPは"NO EASY LOVE"と"HEART BEAT"を、両者が共同で"MY BEST FRIEND"を、それぞれプロデュースしている。
- * EROL ALKAN
- ロンドンのTHE ENDで毎週行なわれているイヴェント"TRASH"のプロモーターで、ALTER EGO"ROCKER"やMYLO"DROP THE PRESSURE"などのヒット曲のリミックスも手掛けるDJ/クリエイター。
- * FREDRIK SAROEA
- TELLEやESCALATOR RECORDSからリリースするエレクトロ・ロック・バンドDATAROCKのメンバーで、ソロ名義でも活動するノルウェイのアーティスト。
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