なかの綾 / はせはじむ : 白熱教室。 - 第二回 [2014-12-30]

はせ)さあ、二回目にしてすでにネタに詰まったというか、、、

 


綾)えぇ!詰まったんですか(笑)!


最初連載のお話いただいたときにネタ続くかと懸念する私にこんなの朝飯前だよ、と豪語してたじゃないですか。

 


はせ)いや、色々あるんですが、ちょっとベタかなって。

 


綾)ベタ、とは?

 


はせ)例えば、モータウン・ビートやSavannah Band系の曲を特集するとか。


ジャンルで分けるのではなく、その曲が持つリズムで分類する、というのもオールジャンルDJとしての習性なので。


でも、まあ普通でしょう。


そんなの誰でもやるもんね。

 


綾)ジャンルの振れ幅が大きいほど繋がった時にわたしはワクワクします。


その分類、よう知らんけど(笑)。

 


はせ)そうなんですよ。


しかも、語り出したら、何なら100曲くらい挙げないと充実感が無いというか。

 


綾)聞く方も読む方も、相当に鬱陶しいですね、それ(笑)。
まず私が締切に間に合う自信がありません。

 


はせ)でしょう?


なので、、、分かりました!


じゃあ今回は、そういうリズム引用曲のパターンとしては、ありそうであまりない、ボ・ディドリー・ビートの日本曲特集で手を打ちましょう。ボ・ビート、とは、Bo Diddley が多用するこういうリズムですね。

 

 

 

はせ)よく、モータウン・ビートやAdam Antの"Goody Two Shoes"とかと混同されますが、16ビートで数えると、1、4、7、11、13拍目に打ってるのが特徴です。
George Michael の"Faith"とか、海外だったらこのパターンってスゴい数あるんですが、日本の曲ではなかなか無いんです。
そこで私め、苦労して集めてみました。
綾)それはいいですが、先生、私はそこから何を学べばいいのでしょうか?

 


はせ)、、、、、学ぶのではなく「感じろ!」ということです!

 


綾)ブルース・リー先生、ほんで、何を?

 


はせ)まあそこはいいじゃないですか(笑)。


はい!ではまず、超メジャー・アーティストから。


サザンオールスターズ、アナログ7インチ『BOHBO No.5』のB面「神の島遥か国」。


琉球っぽいメロとボ・ビートが絡んだ佳曲。

 


綾)この曲好き!サザン好きのお客さんでたまに上級者がカラオケで挑戦して、ビートに飲み込まれて撃沈するのをよく見ます。

 


はせ)あれだけポピュラーなのにルーツに根ざしてますよね、スワンプ、サンバ、レゲエとか。


きちんとリズムに重きを置いたアレンジ、カッコいいです。

 

 

 

 

はせ)メジャー第二弾。


ボ・ビート、まず思い浮かぶのはこの曲、という感じですかね。


ボクらの世代だと、ちょうど中学生、多感な時期に染み込んだ音楽。


大瀧詠一、大名盤『EACH TIME』から「1969年のドラッグレース」。

 

 



 

はせ)と、来れば、メジャー第三弾。


盟友、山下達郎 でアルバム『COZY』から「DONUT SONG」。

 


綾)あ、ミスドのCMの。


オールディーズ風で良い曲だなと思ってたら、これもボ・ビートなんですね。

 

 

はせ)ではそろそろ、異色、というか、ディープな方へ向かいましょう。


めんたんぴん、アルバム『MENTANPIN SECOND』からの一曲「今日も小松の町は」。


日本のグレイトフルデッドと呼ばれていた、めんたんぴん。普通にカッコいいスワンプ・ロックです。

 



 

 

はせ)さあどんどん行きます。


サンハウス、セカンド・アルバムの『仁輪加』に収録の「どぶねずみ」。


コレは以降でもライブ定番曲ですね。

 


綾)一瞬、「あれ?ブルー・ハーツ?」と思った


ロック大貧民世代をお許し下さい先生(笑)。


こういうかっこいいロックって、久しぶりに聞いた気がする。

 


はせ)もう、お手の物、という感じだよね。


映像は鮎川誠の『LONDON SESSION#1』から。

 

 


 

綾)文章で伝わるものか、、


口あけて聞いてます。こ、声がイイ!!!

 


はせ)ついて来て下さいね。


お次ぎは久保田麻琴と夕焼け楽団「バンバンバン」、アルバム『サンセット・ギャング』から。


スパイダースの「とぼけた顔してバンバンバン」がボ・ビートに変身。


こういうアイディアがあってこその「カバー・ソング」。

 


綾)ユーモアのあるアレンジですね。

 


はせ)そう、そこです!


音楽には一服のユーモアが欲しいじゃないですか。


それも、音楽的な。
自分のルーツやリスペクトをオマージュとして取り入れるって、大事だと思うんだよな。


ボクと綾がやってる今迄のカバーも、そういうことなんだけどね。

 

 


綾)あ、へ?そういうことですよね?

 


はせ)、、、正直でよろしい。


知らないことは知らない、ですね。

 

 

 

はせ)気を取り直して。


コレまた正統派のボ・ビート。


なんと頭脳警察!パンタ!


アルバム『悪たれ小僧』からのタイトル曲「悪たれ小僧」。

 

 

 

 

はせ)では、そろそろ締めとして、最近の曲をひとつ。


名曲量産体制万全という感がある曽我部恵一


曽我部恵一BAND、2枚組アナログLPから「恋をするなら」。


やっぱりこういう引用、上手いな。


サニーデイ・サービスにも何曲かあったような。

 

綾)曽我部恵一さん、良いですね。

 

 


 

はせ)さて、今回も色々やってきましたが、綾さん、いかがでしたか?

 


綾)一人のロックンローラーが考えたリズムのパターンが、何十年も受け継がれて、それが最早ルーツとしてジャンルを問わずに広まっているってスゴいことですよね。
こういうのはパクリじゃないですよね。

 


はせ)違いますね。


尊敬の無いモノマネはパクリですけど、上に挙げたような方々は、まずベースに尊敬と愛情がありますから。


しかも、それぞれ独自の解釈でマイナー・チェンジしている。


オリジナルのレシピで再構築してるんです。

 


綾)過去に学びながら前へ進む姿勢ですね。


温故知新とはこのことか!

 


はせ)素晴らしい!


あまりに素晴らしいので今回はここで締めましょう!


お付き合いありがとうございました。

 


綾)過去に学びながら前へ進む「なかの綾」。


アルバム「わるいくせ」も、色んなルーツへの尊敬を散りばめて作りました!


そんな流れで聞いていただきたい一枚です。


よろしくお願いしマース!

 


(敬称略)

 

 

歌謡曲リミテッドにスペシャル・インタビューとして掲載された、

なかの綾 「白熱教室。」 <番外編プレイリスト>もお楽しみください!

http://kayo.musicshelf.jp/special/vol030/