Dr.Looper / 2017-04-04

1
WE THE PEOPLE.... / DIS GENERATION

A TRIBE CALLED QUEST - WE THE PEOPLE.... / DIS GENERATION

実に18年ぶりにリリースされた新作アルバムからの日本国内限定7"カット!!

7" |  ¥1,980 |  SONY (JPN)  |  2017-04-16 [再]  | 
縁あって今月から5枚ずつレビューを書かせて頂くことになりました。しばらくの間お目汚しのほど、どうぞよろしく。まずは発売から日が経ってしまい現在入手しづらいようですが、どうしても紹介したいのでこちらの盤から。いきなり6枚目の番外編だと思ってお許しください。さて。相変わらずレコードの音の良さを改めて思い知らされている毎日ですが、その中でも特にこれは凄かった。音が出てくる面の広さが倍になった感じ。USの某レーベルのような首をかしげる音質の再発Rap45とは対極にある、恐ろしい音圧。さすがメイド・イン・ジャパン。ビバ東洋化成。いや東洋化成だとしても出来過ぎな気がするぐらいのクオリティ。外国人が聴いたら日本人が何か魔術(イエローマジック!)を使ったと思うに違いない、強烈な音質。リファレンス7インチとしても使えると思います。
2
BRAZILIAN RHYME (UNRELEASED EXTENDED VERSION)

EARTH, WIND & FIRE - BRAZILIAN RHYME (UNRELEASED EXTENDED VERSION)

EW&Fのクラシック"Brazilian Rhyme"の未発表ヴァージョンが7"で登場!

7" |  ¥1,700 |  ATHENS OF THE NORTH (UK)  |  2017-09-21 [再]  | 
アルバム(1977年)収録時はほんのインタールド扱いでしたが、極上のグルーヴ(ベースの弾けっぷりと言ったら!)そして清涼感溢れるコーラスを「もっと長く聴きたい」と思ったのは自分だけではなかったはず。オリジナルはたった1分20秒でしたが、2004年に発売されたベスト盤に収録されたロング・エディットバージョンがついに7インチ化。もちろん当時はシングル化されておらず、往年のアース・ファンの中にはこの曲がシングル?と首をかしげる方もいらっしゃるかもしれませんが、良い曲は良いわけで。そういう意味では今の時代の再評価が生んだシングル化でしょう。痛快です。ちなみにアルバムジャケットは長岡秀星が担当し「風林火山」の漢字が隠し描かれています。日本人としてこちらも痛快です。
3
THE UNRELEASED BOOGIE TRACKS VOL.1

LEROY HUTSON - THE UNRELEASED BOOGIE TRACKS VOL.1

Leroy Hutsonの未発表ブギーをフランスSaphが発掘した12"第1弾!!

12" |  ¥2,150 |  SAPH (FRA)  |  2017-03-23  | 
Curtis Mayfieldほど熱くなく、Donny Hathawayほど内省的でなく、Leon Wareほど官能的ではない。つまりLeroy Hutsonこそが自分にとって最高のニュー・ソウル・アーティストだと確信して久しい。まさか2017年に突如としてフランスのレーベルからLeroy Hutsonの未発表曲がリリースされるなんて。長生きして良かった。1982年作と88年作が2曲ずつ収録された2枚の12インチはどちらも最高。早くもセカンド・アルバムで盛り上がるTuxedoも良いですが、彼らが手本とするオリジナル群と同じ時代の空気が吹き込まれたこちらも、多くの人の耳に届くことを切に願います。もちろん2枚セットで。
4
NOW IS THE TIME / GIVE ME YOUR LOVE

SISTERS LOVE - NOW IS THE TIME / GIVE ME YOUR LOVE

B面は、レアグルーヴ/フリーソウル・クラシックとして知られる大人気カヴァー!

7" |  ¥1,650 |  MO-EAST (EU)  |  2017-12-15 [再]  | 
シカゴ・ソウルをもう1枚ご紹介。Curtis Mayfieldがオリジナルの"Give Me Your Love"ですが、映画『Superfly』の挿入歌だったせいか歌が後半(3分半過ぎ)にしか出てきませんでした。消化不良だった私にとってBarbara Masonのカヴァーも美しいのですが、やはり原曲に忠実なSisters Loveのヴァージョンの方が一枚上手な気がします。こちらは7インチオンリーでなかなか入手しづらい盤でしたが、この度めでたく再発されました。曲の良さはもちろん、何と言っても終盤に出てくるドラム・ブレイクが素晴らしい。1973年の時点で既に曲の繋ぎを意識していたということならば驚くべきこと。歌モノで後半ブレイクと言えば…そう、Whatnautsの"Why Can People Be Colors Too?"を彷彿させます。
5
GIVE IT UP / ROCK STEADY

KOOL & THE GANG / ARETHA FRANKLIN - GIVE IT UP / ROCK STEADY

前作が大ヒットした、ソウル/ファンク・クラシック・リエディット7"の第2弾!!

7" |  ¥2,100 |  SOOPASTOLE (UK)  |  2023-04-13 [再]  | 
敬愛する友人、DJ Kocoちゃんから教えて頂いた1枚。初期Kool & the Gangはホーン・セクションを含む多人数のインスト・ファンク・バンドということでJ.B.'sと比較されがちですが、あちらが固くかっちりとしたグルーヴをまるで金属製コイルのように巻いていくのに対し、こちらは柔らかくしなる革製ムチを編んでいくような演奏で、多少のズレもご愛敬という感じ。でも当たると猛烈に痛いわけで。"Chocolate Buttermilk"同様"Give It Up"(1970年)も、そんな大らか且つ鋭くしなる演奏が堪能出来る佳曲。オリジナル7インチは出ていないのでぜひこちらで。限定250枚。
6
THE AWAKENING (180G)

AHMAD JAMAL TRIO - THE AWAKENING (180G)

Ahmad Jamal関連作品の中で最高峰と名高い逸品、'70年Impulse!に残されたマスターピースが再発!!

LP |  ¥3,550 |  BE WITH (UK)  |  2020-07-04 [再]  | 
例えばモネの睡蓮のような風景。美しい水面に石を落とした時に果てしなく広がっていく水紋。Ahmad Jamalの奏でるピアノはそんなイメージ。波紋のように広がっていくメロディはどこまでも美しい。中でも1970年作のこちらは今聴いても新しく、美しい。そして美しい曲をサンプリングするとまた新しく美しい曲が生まれる。Common"Resurrection"然り、Nas"The World Is Yours"然り。昔々RHYMESTERの「20世紀」という曲をBeatnutsがリミックスした時のお話。ニューヨークでのレコーディング時にMummy-DがPsycho Lesに同曲のサンプリング・ネタを尋ねたところ、「アマー・ジャマー」と答えたそうで。それ以来RHYMESTER内では「アーマッド・ジャマル」ではなく「アマー・ジャマー」と呼ぶようになったとさ。

Dr.Looper

Profile

1979年よりレコードを買い始め、その魅力に取り憑かれたまま今に至る。1990年から1998年までRHYMESTERに参加。現在はROCK-Tee(ex.East End)とL-R STEREOとして活動中。

Web Site