Dr.Looper / 2017-05-04

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THOUSAND KNIVES

坂本龍一 - THOUSAND KNIVES

【Record Store Day限定盤】超衝撃の初7インチ化!! オランダ盤RSD限定リリースです。

7" |  ¥2,400 |  RH STORE (HOL)  |  2017-09-16 [再]  | 
坂本龍一という人は優れた音楽家であると同時に、優れたヒット曲分析家だったりします。ピンク・レディの「ウォンテッド」を分析してあの"Technopolis"を作曲した、というのは有名な話だし、彼の足跡を辿るとHerbie Hancock、細野晴臣、Bill Laswellといった音楽家からの影響、分析、再解釈が見え隠れします。しかし1978年に出たデビューアルバムだけは別。ヒット曲の分析というよりも、Debussy(ドビュッシー)や武満徹から影響を受けた、芸大を出てまだ2年の純粋な若者が、真摯でもあり不遜な姿勢で音楽と対峙している様子がそこからは窺えます。アルバム冒頭のこの曲は毛沢東の詩のボコーダー朗読から始まり、渡辺香津美の「火がついたような」のギター・ソロへと雪崩れ込むマニフェスト曲。坂本龍一本人も気に入っていたようで、その後も度々取り上げていて色々なバージョンが存在しますが、やはりこのオリジナルが白眉。26歳の坂本龍一が奏でるシンセサイザーは、あまりにも瑞々しい。
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PECKER POWER

PECKER - PECKER POWER

1980年のジャパニーズ・ダブ名作が超衝撃の正規復刻!!

LP |  ¥2,900 |  RH STORE (HOL)  |  2020-06-21 [再]  | 
パーカッショニストPeckerの、「レゲエなのに無国籍」に聞こえる怪作。このアルバムは1979年六本木PIT INNでKYLYNのライブが行われた際、坂本龍一がステージ上でいきなり「Peckerのアルバムをジャマイカで作ります!」と宣言したことから始まったそうで。しかしYMO自体が大ヒットしたため、坂本龍一がプロデュースする話は立ち消えに。代わりにレコーディングをまとめたのは、このアルバムのコーディネーターで、坂本龍一のマネージャーでもあった生田朗と、当時生田朗の恋人だった吉田美奈子でした(後に結婚)。しかし残念ながら、このアルバム発表の8年後(吉田美奈子との結婚から4年後)に生田朗は亡くなりました。このアルバムは2人の恋の墓標でもあり、日本の若きジャズ・ミュージシャン達が、Sly & RobbieやThe Wailersとカクトウギ・セッションした記録でもあります。
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GOD MAKE ME FUNKY

HEADHUNTERS - GOD MAKE ME FUNKY

強力ブレイクのファンク・クラシック!!

7" |  ¥2,000 |  SOUL BROTHER (UK)  |  2024-03-01 [再]  | 
当時アメリカで100万枚を超えるヒットとなった『Head Hunters』(1973年)は、Herbie Hancockにとって大きなターニング・ポイントになったはずで、この成功はジャズの本流が「難解なジャズ」から「踊れるジャズ」へ、つまりはフュージョンという潮流を作り出した一枚だとも言えます。そんな偉大なアルバムのバック・メンバー達が独立して結成したのがThe Headhuntersで、Harvey Masonに代わってドラムを叩いたのが、ベイエリアで活躍していた白人ドラマーMike Clarkでした。彼が叩いたとぼけたフィルと独特なもたりを持つブレイクから始まるこの曲は、『Ultimate Breaks & Beats』の11番(通称「オレンジ」)"Impeach the President"の直後、という絶好のポジションに置かれました。ということで90年代前半の日本のフリースタイル・ラップ(と言っても持ち歌詞)の現場では、"Impeach the President"からの"God Make Me Funky"、がビートを担当するDJの鉄板ルーティンだった、というお話。
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MUKATSUKU PRESENTS: FIRST TIME ON A 45 CLASSICS, VOL. 1

THREE PIECES / JOHNNY HAMMOND - MUKATSUKU PRESENTS: FIRST TIME ON A 45 CLASSICS, VOL. 1

初7"化となるレア・グルーヴ・クラシックがカップリング再発!!

7" |  ¥1,400 |  MUKATSUKU (UK)  |  2017-04-21  | 
日本語を用いたレーベル名といえば、これまでにも「一番」レコードとか「忍者」チューンなどありましたが、日本人としては漢字Tシャツに通じるものがあり、敬遠してしまう人も多いはず。それにしても「ムカつく」レコードという名前はいかがなものか。このレーベル名は20世紀後半にロンドン・ソーホーで行われていたイベント名が由来だそうで、「ムカつくほど最高」ということでしょうか。そのイベントの中心DJだったNik Westonが2006年から始めたこのレーベル、このたび「未7インチ音源」に特化した7インチ再発を始めるようで、その第1弾がこちら。A面B面ともレア・グルーヴ大名盤からのカット。他にもまだまだ7インチ化されていない佳曲は山ほどあるので、今後に期待しております。例えばEddie Drennon & B.B.S. Unlimitedの"Do What You Gotta Do"なんていかがでしょう?
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ORCHIDS FOR THE SUN

LEON WARE FT. QUADRON - ORCHIDS FOR THE SUN

メロウの帝王が、デンマークのQuadronとのコラボで超絶品の新曲をリリース!!

12" |  ¥1,900 |  QUIERES (FRA)  |  2024-03-06 [再]  | 
この盤を見つけたのは2016年の6月。場所は大阪・心斎橋のNewtone Recordsで、実はその時ROCK-Teeと男2人で「レコードを掘るためだけに」2泊3日で大阪、京都を回るという夢の企画が実現したのでした。初めて入店したレコード屋で偶然見つけたこの12インチ盤のクレジットを見ると、2012年の曲ですが全くノーマーク。でもLeon WareとQuadronなのだから内容は悪いはずがないので試聴させてもらったら、案の定最高。何から何まで全て好きだと断言出来る曲でした。しかしその時はとにかく7インチ盤に夢中で、悩んだ挙げ句に盤をレジに戻してしまった次第。今となっては、もちろんフォーマットなんて二の次だし、曲が最高なんだから絶対に入手すべきで、何で買わなかったんだろうと後悔するばかり。だから今さっそくJET SETのサイトで購入しました。ちなみにこの曲、PVも最高。カリフォルニアにレコードを掘りに行きたくなります。

Dr.Looper

Profile

1979年よりレコードを買い始め、その魅力に取り憑かれたまま今に至る。1990年から1998年までRHYMESTERに参加。現在はROCK-Tee(ex.East End)とL-R STEREOとして活動中。

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