Dr.Looper / 2019-01-07

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GANGSTER BOOGIE

CHICAGO GANGSTERS - GANGSTER BOOGIE

誰もが耳にしたことがあるあのフレーズでお馴染みの特大クラシックがダイナマイツ・カット!!

7" |  ¥2,200 |  DYNAMITE CUTS (UK) |  2019-09-07 [再]  | 
今月も『Ultimate Breaks Beats(以下UBB)』収録曲をご紹介。イリノイではなく実はオハイオ出身で、The Harmonicsとして活動していた4兄弟グループChicago Gangsters。彼らがGold Plateから1975年に出したファースト・アルバムに、ジャケットが2種類存在していることは好事家の皆さんであればきっと御存知なはず。本盤はそのうち1st.プレスの『I Choose You』の方のジャケットが流用されています(ちなみに2nd.プレスの方は『Blind Over You』)。バックは当時のシカゴを代表するスタジオ・ミュージシャンで固められていて、ベースはThe Soulful Stringsを率いたRichard Evansが、ドラムスはAhmad Jamalの『Jamalca』やSamuel Jonathan Johnson『My Music』など、数多の名盤でも叩いていたBrian Griceが、さらにギターは説明不要の名ギタリストPhil Upchurchが担当。アルバム発売当時はWillie Hutchのカヴァーでもある"I Choose You"がヒットしたようですが、今となっては『UBB』収録曲であるこちらの方が有名かもしれません。James Brownの"Funky Drummer"などと一緒に、『UBB』の12番(通称「ガイコツ」)に収録されたこの曲は、曲頭のアカペラ・コーラスが強烈なインパクトだったようで、タイトルもそのままのSchoolly D"Gangster Boogie"(1989年)や、Apacheの"Gangsta Bitch"(1992年)など、数多くの曲でサンプリングされました。中でも最も有名なのは、LL Cool Jの"Mama Said Knock You Out"(1990年)の中盤で出てくるあの箇所、ということになるでしょうか。本曲はおそらく初めての7インチ化で、自分も含めて待ち望んでいた人も多いかと思います。
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THEME FROM THE PLANETS / BOUNCY LADY INSTRUMENTAL

DEXTER WANSEL / PLEASURE - THEME FROM THE PLANETS / BOUNCY LADY INSTRUMENTAL

レアグルーヴ/B-Boyクラッシック2曲の貴重な未発表ヴァージョンがカップリングされ7"化!!

7" |  ¥1,850 |  OCTOPOSSE (UK) |  2019-07-31 [再]  | 
イギリスの謎のレーベル、Octoposseからも『UBB』関連盤が登場。関連どころか、両面とも『UBB』収録曲という豪華な組み合わせです。A面のDexter Wansel"Theme From The Planets"ですが、ESGの"UFO"と同様のパターンで、『UBB』では33回転のオリジナル曲を意図的に45回転で収録していたことが広く知られています。今回の7インチ化に際しても、オリジナルは敢えて33回転で収録されていて、それを45回転にすると『UBB』のバージョンを聴くことができるという、非常に「分かってらっしゃる」仕様になってますね。Dexter Wansel自身は、同じく『UBB』の18番の方への収録でもおなじみの"Yellow Sunshine"(バンド同名曲)や、Instant Funk(De La Soulの"A Roller Skating Jam Named "Saturdays"のイントロでまんま使われた"I Got My Mind Made Up"が有名でしょうか)などのバンドでキーボーディストとして活躍していましたが、1976年に発表した彼のソロ・デビュー作に収録されていたのが、本曲"Theme from the Planets"でした。LPはよく中古屋さんで見かけますので、当時はきっとそれなりに沢山売れたんでしょう。フィリー・ディスコ系で宇宙系ということで、自分の中ではVincent Montana, Jr.とイメージが被るアーティストだったりします。巻き込むスネアが特徴の曲頭のドラム・ブレイクは古くから重宝されてきましたが、Eric B. & Rakimの"I Ain't No Joke"(1987年)あたりが特に印象的かも。こちらもおそらく今回が初となる7インチ化です。B面に収録の"Boucy Lady"の7インチ化は初めてではありませんが、こちらはイントロ、中盤、アウトロにそれぞれブレイクが増やされて、DJとしては使いやすいリエディット仕様に。ただしオリジナル盤と同様に、1拍目のヒットは途中1か所しか出てきません。レーベルは謎ですが音はバッチリ。
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DAISY LADY / OLD MAN

7TH WONDER / BLACKBUSTERS - DAISY LADY / OLD MAN

ブレイク・クラシックのファンクをリエディットするBreaks & Beats第9弾!!

7" |  ¥1,850 |  BREAKS & BEATS (UK) |  2019-11-13 [再]  | 
今月はさらにもう1枚『UBB』関連盤をご紹介。英Breaks&Beatsからの第9弾は、A面にアラバマ出身のファンク・グループ、7th Wonderの"Daisy Lady"を収録。彼らの2nd.アルバム(1979年)のB面2曲目に収録されているこの曲が、まさか後にこんな沢山サンプリングされることになるとは、本人たち夢にも思わなかったでしょう。本曲の使用例で一番有名なのは、やはり何といってもThe Sugarhill Gangの"8th Wonder"(1980年)ではないでしょうか。映画『Style Wars』でも使われていましたっけ。この曲は実にポピュラーで、米Wikipediaには、曲としての"8th Wonder"は載っているのに、バンドとしての7th Wonderについての記述は載っていない、という不思議な状況だったりもします。それにしても、前年に出た曲をサンプリングして翌年大ヒット、というのもなかなか凄い話ですけど。そしてその"Daisy Lady"使いの曲と言えば、LL Cool Jの"I'm Bad"(1987年)も外すわけにはいかないでしょう。2小節ループの一拍目に擦って入れたと思われるヒット音は、コンマ何秒しか聴こえないにもかからわず、"Daisy Lady"、あるいは"8th Wonder"の存在感がバッチリ。80年代後半当時のトラック制作では、1拍目に分かり易く派手なヒット音を入れるのが流行であったことも、ここに付け加えておきます。ともあれ、オリジナル7インチはかなりレアなので、個人的にこの7インチ化は嬉しい限りです。B面はフィリピンの7人組ディスコ・バンドBlackbusterの"Old Man"(1975年)で、曲頭から炸裂するドラム・ブレイクがいきなり最高の一曲。こちらは以前7インチ化されましたが、今や既に入手困難なのでぜひ。
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MYSTIC VOYAGE 45S COLLECTION

ROY AYERS UBIQUITY - MYSTIC VOYAGE 45S COLLECTION

'75年名作『Mystic Voyage』よりファンキー・ディスコ/ダンサーが7"化!!

2x7" |  ¥3,050 |  DYNAMITE CUTS (UK) |  2019-09-07 [再]  | 
その昔、N-Tyceという女性ラッパーがおりまして。後にWu-Tang Clan一派で唯一の女性グループであるDeadly Venomsに参加する彼女ですが、ソロ活動期に名門Wild Pitchから数枚の12インチを出したものの、ついにフル・アルバムを出すことが出来なかった(『Single File』というシングル曲をまとめたプロモ・カセットは存在したようですが)という、レーベル・メイトだったChill Rob GやMain Sourceあたりと比べても、実に不遇かつマイナーな存在でした。その彼女の2nd.シングルの曲、"Walk A Little Closer"に改めて針を落としてみると、Bob Jamesの"Valley of the Shadows"のイントロから、ループされるドラム・ブレイクはLafayette Afro Rock Bandの"Hihache"、そこにRoy Ayers Ubiquityの"Mystic Voyage"のフレーズが乗ってラップのバースに入る訳ですが、フックの部分で展開するサンプリング・ネタが、同じくRoy Ayers Ubiquityの"The Black Five"という・・・。つまりは、Roy Ayers Ubiquityのアルバム『Mystic Voyage』の、LPの表面と裏面の収録曲同士を組み合わせて作られた曲だった訳です。当時一緒に聴いたDJ Jinとともに「安直だね~」なんて顔を見合わせたことをよく覚えています。この曲はリリース当時にそこそこヒットしてて、橋本徹さん監修のコンピレーション『フリー・ソウル'90s ブラック』にも収録されていますので、気になる方はそちらも。前置きからいきなり脱線してしまい話が長くなってしまいましたが、本盤はそんな思い出があるアルバム『Mystic Voyage』から、今回初7インチ化となる4曲を英Dynamite Cutが2枚組でリリース。であれば映画『Coffy』のO.S.T.からの7インチ2枚組の方もぜひ。ジャケットが猛烈に可愛いはず。
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SEARCHING FOR SOUL / SHOW-STOPPER

JAKE WADE & THE SOUL SEARCHERS / IRON KNOWLEDGE - SEARCHING FOR SOUL / SHOW-STOPPER

Beyonceネタ、7"オンリーの激レア・ブレイク~ディープ・ファンク・クラシック!!

7" |  ¥1,400 |  GALAXY SOUND COMPANY (USA) |  2019-06-26 [再]  | 
Rhymesterのファースト・アルバムに収録された、「ユニフォーマーズ宣言」という曲がありまして、その曲のベースラインのネタで使ったのが、Leroy And the Driversの"The Sad Chicken"という曲でした。7インチ・オンリーのレアな一枚で、今でも人気の高い曲なのですが、残念ながら当時はそのオリジナル盤を持っておらず、その出元は1992年に英Goldmineから出た『The Sound of Funk Volume 1』というコンピレーション・アルバムでした。『クリムゾン・キングの宮殿』をピンク1色にしたようなジャケットが印象的だったこのコンピは結構良く出来ていて、他にもTiny Panxが"Last Orgy"で使った"Iron Leg"や、『UBB』でもお馴染みの"Hector"が収録されていました。そして、強力なドラム・ブレイクで始まる7インチ・オンリーの本曲を初めて聴いたのも、そのコンピの中でした。キックがバタバタしていて、音源のキックを足すのに「耳で合わせるしかなかった」当時は、えらく苦労したのを覚えています。バラして使っても良いかもしれませんが、やはり原曲のグルーヴを活かすと一層効果的な気がします。Beyoncéの"Suga Mama"(2006年)も最高でしたが、DJ JinがRhymesterの「Bの定義」(1999年)という曲で使ったときは思わず膝を打ちました。そしてそれと同時に、敢えてこのドラム・ブレイクを使うということは、DJ Jinによる「オリジナル7インチを入手した」宣言に等しいと受け止めたので、とても羨ましく感じたものです。

Dr.Looper

Profile

1979年よりレコードを買い始め、その魅力に取り憑かれたまま今に至る。1990年から1998年までRHYMESTERに参加。現在はROCK-Tee(ex.East End)とL-R STEREOとして活動中。 Instagram:drlooper | Facebook:https://www.facebook.com/fujita.asuka.3