行松陽介 : Techno, Leftfield, Bass / Beats - [2017-12-22]
[Profile]
2008年SpinnutsとMitsuki主催Kuhio Panicに飛び入りして以降DJとして活動。Naminohana Records主催The Naminohana SpecialでのKeihin、DJ Nobuとの共演を経て親交を深める。2014年春、千葉Future Terrorメインフロアのオープンを務める。
2015年、Goatのサポートを数多く務め、Dommuneにも出演。Pan ShowcaseではLee GambleとBTB。Oneohtrix Point Never大阪公演の前座を務める。
2016年Zone Unknownを始動し、Shapednoise、Imaginary Forces、Kamixlo、Aisha Devi、Palmistry、Endgame、Equiknoxx、Rabitを関西に招聘。Arca大阪公演ではArcaが彼のDJ setの上で歌った。2017年 Berlin Atonalに出演。
Black SmokerからMix『Lazy Rouse』を、イギリスのレーベルHoundstoothのA&Rを手掛けるRob BoothによるMixシリーズElectronic ExplorationsにMixを、フランスのレーベルLatencyのRinse RadioのShowにMixを、それぞれ提供している。
1. Arca /Arca (XL Recordings) LP
某E誌でセレクトしたものからこれが漏れているのも妙な話ですが、あちらは2017年のテクノというオーダーでしたので少し違うかなと思い、ここで堂々の1位に推します。前作『Mutant』リリース後のライブでは歌うというより煽るようにがなっていて、それもかっこよかったのですが、今作では『Vulnicula』でコラボレートして刺激を受けたのだろうBjorkばりに朗々と歌い上げていてとても驚きました。同時にアグレッシヴで先鋭的なビートも健在。ジャケットも凄い。これは是非ともレコードで。

ARCA - ARCA
Pitchfork では早速【Best New Track】を獲得!!
2. Bjork / Utopia (One Little Indian) 2LP
前作に引き続きArcaとの全面的コラボレーションによる今作はジャケットまでArca化(Jesse Kanda化)。ジャケットでBjorkが持っているように、フルートの音色が随所に響き、尽きることのないメロディーメイカーとしてのBjorkの資質が存分に発揮された捨て曲なしの傑作。Arcaという才能と出会い、彼の力を引き出せるのもBjorkの才能でしょう。亡きMark Bellに続く、息の長いコラボレーターとなりそうです。"Losss"ではRabitも参加。彼ならではのビートメイクで美しくもアグレッシヴな曲構成に貢献しています。『Arca』と『Utopia』のジャケットを並べると壮観です。

BJORK - UTOPIA
2017年作9th.ソロ・アルバム!!
3. Rabit / Les Fleurs Du Mal (Halcyon Veil) LP
ほぼまともにビートが入っている曲は無く、かといって心を穏やかにさせてくれるような美しいアンビエント作品というわけでもない。むしろ心をざわつかせる様な、どこか焦燥感や不穏さを感じさせる作品で、垣間見える美しさも切なさを伴い、多くの曲は唐突に終わる。圧巻のサウンドメイキングは健在だが、彼に新鮮なビートを期待していた自分は肩透かしをくらった。しかし掴み所のなさから何度も聴きかえすうちに年末リリースにも関わらず今年1番繰り返し聴いているアルバム。万人向けとは言い難いが奇妙な魅力にはあふれています。

RABIT - LES FLEURS DU MAL
Chino AmobiやDedekino Cut等とのコラボでも注目された奇才、Rabit新作!!
4. City / A Goal Is An Image (Halcyon Veil) LP
激しさや新しさを求める向きにはこちらをお勧めします。RabitのレーベルHalcyon Veilからリリースされた、ほぼ無名と思われるCityの作品。"End Zone", "Inevitable", "Ffaith", "Immaculate" あたりを聴いていただければ僕の言わんとする所がわかっていただけるかと思います。Halcyon Veilはデータだけのリリースも多いですが、個人的にはしっかりとヴァイナルでもリリースする作品の方がクオリティ的にも高く感じていて、嬉しい。

CITY - A GOAL IS AN IMAGE
ダイナミックなシンセ使いに魅了されるアブストラクト/グライム・サウンド!!
5. Eaves / Verloren (Purple Tape Pedigree) LP
もはやジャンルが何なのかよく分からないが、そんな事はどうでもよろしい。あえて言うならば音響Radical Grimeといったところか。重要なのはここに刺激が満ち溢れている事だ。まずは"Dragliner", "Linthen Heap", "Edgelands" あたりを聴いてみてほしい。叙情とアグレッシヴなビートが疾走するグレートなアルバム。PTPからは今後も目を離せない。

EAVES - VERLOREN
破壊的なパワーと荘厳な意識とが交差するドープ・シット!!
6. Ziur/ U Feel Anything? (Planet Mu) LP
2017年、最も攻めていたレーベルの一つがPlanet Muだろう。Jlin、Mr.Mitch、Teengirl Fantasy、Antwood、Herva、Ekoplekz、個性豊かなアーティストたちが多様な魅力を放つ年間ベスト級のアルバムをリリース。どれがここで挙げられてもおかしくはないのですが、ここではZiurのアルバムを。この作品もジャンルはよく分かりません。とりあえず”U Feel Anything?”, "Cipher", "Rituals Of Passage", "Don’t Buy It", "Fractals"あたりを聴いてみて下さい。Aisha Deviの参加曲もあり、どことなくスピリチュアルな雰囲気が漂う箇所もあり。

ZIUR - U FEEL ANYTHING?
老舗ながらも最先鋭のエレクトロニック・ミュージックを供給する"Planet Mu"からの素晴らしい1枚!!
7. Angel Ho / Red Devi (Non) LP
Chino Amobi、Nkisiと共にアフリカのアーティスト集団、Nonを立ち上げたAngel Hoによる初のフィジカルリリース。ジャケットアートをChino Amobiが、マスタリングをRabitが担当。Elysia CramptonやDedekind Cutなど、興味深いアーティストばかりを巻き込んで、音楽だけにとどまらずアートを包括的に捉え、様々な表現形式でリリースし、社会に対する作用を考えながら活動するNon。このアルバムは怒涛のIndustrial Grimeという感じですが、ストリングスやフィールドレコーディングのコラージュなども含め、豊かな音楽性を内包しています。

ANGEL HO - RED DEVIL
Rabitがマスタリングを担当し、Chino Amobiがアートワークを手掛けた注目盤!!
8. Emo Kid / Gqomtera EP (Gqom Oh!) 12”
アフリカといえばGqomの事にも触れないわけにはいけません。今作ではGqomの特徴である不穏な低音の持続音がとても小さな音でMIXされていて、でもしっかりと入っている所がGqomのGqomたる所以ですが、その上をかなりアッパーな、レイヴィーといってもいいフレーズが彩っていて最高です。NONやGqomなど、興味深い動きがアフリカから出て来ていて、今後もその動向に注目しつつ、今の世界を見つめ、考え、行動していく事が重要だと思います。

EMO KID - GQOMTERA EP
フロア受け必至!!南アフリカ発ゴムのフィジカル作品!!
9. Lee Gamble / Mnestic Pressure (Hyperdub) LP
数多くの作品をリリースしてきたPanを離れ、Hyperdubに移籍しての第1作。ドラムンベースを解体再構築し、冷たい音の質感をベースに豊かな立体的音場を構成。流石の一品です。奥行きを感じさせるドラムンベース”East Sedducke”、車のスリップ音をサンプリングした”23 Bay Flips”、メロディアスな”A Tergo Real"、かなり露骨にドラムンベースな"Ghost"などを収録。彼が運営するレーベルUiqも良いリリースが続いています。

LEE GAMBLE - MNESTIC PRESSURE
"PAN"からの諸作でお馴染みLee Gamble最新作が遂に"Hyperdub"から投下!!
10. Still / I (Pan) LP
PanからDiscogsによるとSimone Trabucchiという人によるプロジェクトらしいStillがリリースした先鋭的ダンスホールアルバム。"Nazenet"ではHalcyon Veilのコンピレーション12”『Conspiracion Progresso』に収録されている曲がオケでそのまま使われている。アーティストは不明となっていたのでひょっとすると彼の作ったトラックなのかも知れない。レーベル面にはPlastikmanのロゴを変形させた様な図柄が。イタリアのシーンで活動しているようで、ThanksにはLorenzo Senniの名も。マスタリングはRashad Beckerで音もばっちり、最高にかっこいいアルバムです。

STILL - I
Equiknoxxファンにオススメの最前衛ダンスホールが名門"Pan"から登場!!大推薦盤!!
[イベント情報]
Asian Dope Boys X-mas Tour with Aisha Devi
12月22日(金) at Oil Club in Shenzhen
12月23日(土) at Club All in Shanghai
12月28日(木) at Contact『Tribe-The First Contact』with Apparat, Iori and More
12月29日(金) at Socore Factory『Pow x Tono』
12月31日(日) at 名村造船所跡地Creative Center Osaka『Circus presents New Year's Eve』
[関連サイト]
https://soundcloud.com/yousukeyukimatsu
http://blacksmoker.cart.fc2.com/ca444/389/p1-r-s/
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Black Smokerより、独自の世界観を持つ行松陽介が登場!!

WICKED WITCH - UNDER YOUR SPELL
YPY+行松陽介の新ユニットYYPYYによるリミックスを収録!!