オールタイムベストをお訊きしました!第2回: 高田漣 - [2019-02-15]
作品を制作して世に出すアーティストの方々が、リスナーとして愛聴しているのは他のアーティストのどの作品なのか、ファンならずとも気になるところです。そこで始まったこの企画、「オールタイムベストをお訊きしました!」。
第2回目は3月6日にリリースされる新作アルバム『FRESH』から、先行7インチ・シングルのリリースを目前に控えた高田漣さんにお伺いしました。
-------------
'17年のアルバム『ナイトライダーズ・ブルース』が日本レコード大賞の優秀アルバム賞を受賞、細野晴臣のライブサポートや、映画/CM音楽の制作を多数手がけるなど日本の音楽界が誇るマルチな音楽家/プロデューサー、高田漣。待望のニューアルバムに先駆けて、共同プロデューサーに砂原良徳を迎えた80sテクノポップ風ダンス・チューン"GAMES"と、ニューオリンズmeetsシティポップなラブソング「モノクローム・ガール」の先行アナログ・シングル・カットが決定。オールタイムベストに加え、今回7インチ化された2曲についてもお話を伺いました。
text by Mai Sugisawa(JET SET Tokyo)
JET SET:"GAMES"は従来のブルース~アメリカン・ルーツ・ミュージック的な高田さんのイメージを覆す新しいサウンドに挑戦された印象です。
高田漣:前作のサウンドをさらに進化させてファンキーにしたらどうなるか?という試みから書き始めました。デモを作り終えて、敢えてこれを打込みにしたらどうなるか?と思い、砂原さんにお願いしました。細野さんのユニット、F.O.E.のようになるかな?と。いつかこの路線だけの作品集も作ってみたいです。
JET SET:「モノクローム・ガール」は豊潤なヴィンテージ・サウンドが素晴らしいですが、特にこだわった点はどこですか。
高田漣:作曲の段階からルーツ色が強くならないように意識して書いていました。サウンド面でもそれは同じで21世紀のポップ・ミュージックとして成立出来るように心がけました。
JET SET:アナログ・レコードというフォーマットでリリースすることについてどう思われますか。
高田漣:アナログ、しかも7インチには特別な思い入れがあります。盤になると自分の作品ですが過去からの贈り物のような不思議な感覚に陥ります。とにかく嬉しいっす!
JET SET:今後の予定を教えてください!
高田漣:この2曲の勢いのままアルバムも完成しました!より多くの方に聴いて頂きたい自信作です。それに伴いライブもたくさん出来ると良いなぁと思っています。その節は何卒よろしくお願いします。
オールタイムベスト by 高田漣
1.Sam & Dave / Soul Men (STAX) LP
超定番のタイトル曲の音像は永遠の憧れ。スネア、ベース、ギター、どの音もパーフェクト!もちろんソウルフルなSam & Daveの歌声も素晴らしい。
SAM & DAVE - SOUL MEN
メンフィスが生んだ60'S最高のソウル・デュオ、Sam & Daveの'67年作!!
2.Led Zeppelin / Houses of the Holy (ATLANTIC) LP
ハードな側面とアコースティックな側面、ラウドでロックなサウンドとファンキーな演奏、その絶妙なブレンド具合の面白さは自分が歳を重ねるごとに強く感じられるようになっている気がします。
LED ZEPPELIN - HOUSES OF THE HOLY (180G)
5th.アルバムがJimmy Page監修のリマスターで重量盤再発!!
3.The Mills Brothers & Count Basie / Annual Report (DOT) LP
奇跡の共演盤の第二弾。"Gentle On My Mind"のカバーは本当にとろけます。
4.Harry Nilsson / Harry (RCA) LP
子供のころ(4歳頃)大好きだったアルバム。もちろん今でも大好きです。
5.Ry Cooder / Paradise And Lunch (Reprise) LP
Ry Cooderのアルバムに駄作はなく、どれも好きなので、1番最初に自分で買ったものを。ギタリストとしての僕はこの方がいなければ成立しないほど影響を受けてます。
6.The King Sisters / Aloha (T808) LP
鬼才Alvino Reyのストレンジなスティール・ギターとアレンジワーク、奥方の姉妹グループThe King Sistersの息を飲むようなコーラス・ワーク。天国から聞こえてくるかのような音楽。オリジナルのジャケ写も美しい。
7.The Rolling Stones / Black And Blue (ROLLING STONES) LP
名作の多いストーンズですが、この時期の良い意味で煮え切らない感じが大好きです(笑)。
8.はっぴいえんど / 風街ろまん (URC) LP
言わずもがな永遠の指標はっぴいえんど。風街を前にすると背筋がピンとします。
『GAMES / モノクローム・ガール』の制作に影響を与えた・よく聴いていた作品
1.Beastie Boys / Ill Communication (Capitol) 2LP
前作『ナイトライダーズ・ブルース』の時もよく聴いていました。あ、つまりはいつも聴いてるわ(笑)。
BEASTIE BOYS - ILL COMMUNICATIONS (180G)
Q-TipにBiz Markieも参加した94年の激クラシック・アルバム!
2.Yellow Magic Orchestra / 増殖 (Music On Vinyl) LP
最も聴いたYMOのアルバムは『増殖』だと思います。"GAMES"は久し振りにYMO趣味全開で、作っていて楽しかったです。
YELLOW MAGIC ORCHESTRA - 増殖 X-MULTIPLIES (180G)
当時の人気ラジオ番組「スネークマン・ショー」とYMOがコラボして生まれた通産4作目!!
3.スチャダラパー / タワーリング・ナンセンス (Major Force) CD
今回の"GAMES"、「モノクローム・ガール」、そして続く新アルバム『FRESH』は前述の『増殖』とスチャダラの遊び感覚を思い返しながらの作業でした。青春の一枚!
4.大瀧詠一 / ナイアガラ・ムーン (Niagara) LP
「モノクローム・ガール」は大瀧さんへのオマージュの気持ちが強く、またリズム面では「ハンドクラッピング・ルンバ」からインスパイアされた部分が多いです。
5.岡村靖幸 / 家庭教師 (Sony) CD
"GAMES"のファンクネス、どこかチャラいのにピュアで懐かしい詩世界などは明らかに岡村ちゃんの影響で作りました。
[プロフィール]
音楽家、プロデューサー、作曲家、編曲家、マルチ弦楽器奏者、執筆家。
1973年、日本を代表するフォークシンガー・高田渡の長男として生まれる。少年時代はサッカーに熱中し、14歳からギターを始める。2002年、アルバム『LULLABY』でソロ・デビュー。現在まで6枚のオリジナル・アルバムをリリース。自身の活動と並行して、他アーティストのアレンジ及びプロデュース、映画、ドラマ、舞台、CM音楽を多数担当。2015年、父・高田渡の没後10年を機にトリビュート・アルバム『コーヒーブルース~高田渡を歌う~』をリリース。2017年10月には4年ぶりとなるオリジナル・アルバム『ナイトライダーズ・ブルース』をリリースし、第59回 日本レコード大賞 優秀アルバム賞を受賞。
[予約受付中]
高田漣 - GAMES / モノクローム・ガール
砂原良徳の共同プロデュース曲と極上シティポップ・ナンバーを収録の最高ダブルサイダー!
[関連作品]
高田漣 - ナイトライダーズ・ブルース
2017年リリースの7thアルバムがアナログ化!!