小西康陽 : Japanese Pop - [2019-12-20]

[Profile]

音楽家。'85年、ピチカート・ファイヴのメンバーとしてデビュー。解散後も、数多くのアーティストの作詞/作曲/編曲/プロデュースを手掛ける。'11年、PIZZICATO ONE名義で初のソロアルバムを発表。'15年、セカンドアルバム『わたくしの二十世紀』を発表。10年ぶりとなるヴァラエティブック『わたくしのビートルズ 小西康陽のコラム1992-2019』(朝日新聞出版)が発売中。

 

 

 

 

1. 細野晴臣 / Hochono House (Victor Entertainment) LP
 細野晴臣さんは、じぶんを現在の仕事に向かわせた音楽家です。中学2年生も終わる2月、発売日に札幌の玉光堂ススキノ店で買った『はっぴいえんど』というアメリカ録音のアルバムのA面の1曲めに収められた「風来坊」という曲とA面ラストの「無風状態」という曲を聴いて、じぶんも音楽を作る仕事、あるいはレコードを作る仕事、せめて何か、を作る仕事に就きたい、と考えたときの、あの部屋のひんやりした空気、ぼんやりした明るさは、まだはっきりと身体の中にあります。そんな細野晴臣さんに、じぶんはデビューする直接のきっかけまで与えていただいたのですから幸運だったとしか言いようがありませんが、同時にちょうどじぶんが音楽を仕事として考えるようになった頃から、細野晴臣さんの作品との距離が大きく開いてしまったように思います。それが『HoSoNoVa』という作品から、ふたたび親しく聴くようになって、と、我ながら正直なことを書いているものですね。
 そして今作は彼の最初のソロ・アルバムである『HOSONO HOUSE』というアルバムのリメイク、ということでまた興味を抱いたのですが、最初に音源として聴いた「薔薇と野獣」は、なるほど、といった感想を持つのみでした。しかし、発売されるや、とにかく周囲では大きな話題となっていて、アナログ盤LPが即完売してしまったことを知ったら、これはどうしても入手して聴かなくては、という思いに駆られてしまいました。
 ところが買ってしまうとそれで満足してしまったのか、あるいは気に入らなくて落胆するのが恐かった、というのもすこしありましたが、とりあえずジャケットを眺めるだけで中々針を落とすに至らず、ようやく聴いたのは9月の半ばでした。聴いてみたら、もちろん悪くない。というか、名曲揃いのアルバムですから、悪かろうはずがないのですが、なんとなくホッとしたことも憶えています。
 しかしながら、このセルフ・リメイク作にあって、もっとも印象に残ったのは、1970年代前半のライヴ音源だという「パーティー」というトラックでした。かつて何度もレコードで聞き、またじぶんのやっていたバンドでカヴァー・ヴァージョンを作って発表したこともある楽曲が、ここではピアノを弾きながら歌われています。それを聴いて驚いたのは、それがランディ・ニューマンという米国のシンガー・ソングライターで映画音楽家でもある人のスタイルをみごとに咀嚼し換骨奪胎していたから。そう指摘したなら御本人は、いやホーギー・カーマイケルのつもりなんだけど、と仰るかもしれませんが。たぶん細野晴臣さんという音楽家は、楽器の修得、音楽スタイルの習得、そして音楽の持つ気分・空気・雰囲気・気配・香気・霊気・気合・気功、そのほかあらゆるタイプの「気」といったものを読み取ることに関して天才的な技能を持っているのだろう。という、以前から漠然と抱いていた思いが、この「パーティー」というトラックを聴いて、はっきりと見えたその嬉しさを、ここに記しておきます。

HOCHONO HOUSE

細野晴臣 - HOCHONO HOUSE

『Hosono House』をまるごと新録した超話題作!!

LP |  ¥4,400 |  VICTOR ENTERTAINMENT (JPN)  |  2021-08-29 [再]  | 

 

 

 

 

 

 

 

2. Francis Lai / Un Gout Deternite (あの夢をふたたび - フランシス レイ作品集) (Lawson Entertainment, Inc. / HMV Record Shop) LP
 2018年に逝去したフランスの偉大な作曲家を追悼したアンソロジー。じぶんなら、あの曲やこの曲をぜったいに選ぶのに、などと考えながら聴いていて、それにしてもピエール・バルー関連の曲が多いな、と思ったら、これはサラヴァ・レーベル音源から編んだ作品集、というわけで納得、それからは何度もくりかえし針を下ろしました。とりわけB面の流れが素晴らしい。LP、というのは家で独り音楽と向き合うのには最適のメディアなのだな、と、あらためて思いました。ジャケットも美しいこの追悼盤の選曲を担当されたのは、松山晋也さん。ちなみにこの音楽家の作品で、じぶんが1曲だけ選ぶとしたら、Aurelia、という女性歌手の"Au Temps Perdu"という曲です。いつかぼくもこの音楽家のアンソロジーを作ってみたいなあ。

UN GOUT DETERNITE (あの夢をふたたび - フランシス レイ作品集)

FRANCIS LAI - UN GOUT DETERNITE (あの夢をふたたび - フランシス レイ作品集)

数々の名サントラを生み出したことでも知られるFrancis Laiによる作品集が登場!

LP |  ¥3,850 |  HMV RECORD SHOP (JPN)  |  2021-09-09 [再]  | 

 

 

 

 

 

 

 

3. ズットズレテルズ / 僕の果汁 (Redrec / Sputniklab Inc.) 7"
 新譜、ですが、すでに活動休止しているグループのライヴ音源。伝説のティーネイジ・ヒップホップ・バンド、とのこと。うまく表現できませんが、なんだか強烈なドキドキ感、現場感、ドキュメント感のある音源。大昔、ライヴを観たフリクション、というグループや、ボーイズ・ボーイズという女性バンドのレコード、あるいは1973年にキング・ベルウッド・レーベルで通販のみで売った『唐十郎 / 四角いジャングルで唄う』というアルバムにあったような強烈なアンダーグラウンド感。でもクラブで掛けてもカッコいいレコードでした。いちおう、JET SETのサイトは毎日チェックしているつもりですが、見落としていたり、見たときには【入荷をお知らせ】となっているアイテムも少なくなく、そんなわけでこの7インチを入手できたことは本当にラッキーだったと思います。

僕の果汁

ズットズレテルズ - 僕の果汁

伝説のティーンエイジ・ヒップホップ・バンドによる無敵のパーティー・ファンク・キラー!!

7" |  ¥1,650 |  REDREC / SPUTNIKLAB.INC (JPN)  |  2019-09-10  | 

 

 

 

 

 

 

 

4. 川西卓 / Sand Step (Sand Step) MIXCD
 じぶんが新しい音楽に対して、ほぼ不感症になってしまったのは、いまに始まったことではなくて、もしかしたら1976年くらいからのことなのかもしれません。その後に登場したパンクやニュー・ウェイヴ、あるいはヒップホップ以降の音楽がじぶんの心を捉えたのは、それが古い音楽を刺激的に聴かせるスタイルの音楽だったから、だと考えると納得がいきます。そんなわけで、新しい音楽や新しい音楽家たちには相変わらずあまり積極的な興味を抱いてはいませんが、いっぽう古い音楽を掘り続け、いまもなお新しく聴かせようとしているDJたちの仕事にはまだまだ大きな可能性を感じています。とくに東京・渋谷オルガンバーをはじめ、小バコでいつも面白い試みをくりかえしている人々のセンスは、ぜったいに世界中でも何歩か先を進んでいる、と思っています。トーキョーの、ニッポンのDJカルチャーは明るい、と、ここにはっきりと書いておいても良いでしょう。
 さて、そんな刺激的なDJたちの中で、あのDJ KOCOさんは別格として、若手の中でもセンス、テクニックの両面で抜きん出ていると思っているのが川西卓さんです。その彼の、本当に久しぶりのミックスCD。前作『ヴァイナル・ファンタジー』という作品のタイトルはこのワタクシが付けた、ということを憶えていらっしゃる方はまだこのJET SETのサイトを覗いたりなさっているのでしょうか。そんなことはともかくとして、今回も期待を上回る素晴らしさでした。じつのところ、川西さん御本人から新作のミックスCDです、と送付されたときは、正直聴くのが怖くて、しばらく放置したままでした。聴けばぜったいにスゴイに決まっている。テクニックもセンスもないじぶんが聴いたなら、ただただ自己嫌悪に陥るだけなのではないか。そう考えたからなのですが、すこし時間に余裕ができたある日、意を決して聴いてみると、それほど落ち込んでしまうような内容ではなくて、ああ、ここ数年のじぶんのDJスタイルも、そうズレているわけではないのだ、と、勝手に励まされたような気分になりました。そんな明るい気持ちになって聴くと、これが本当に心地良く、かつ刺激的な内容で大いに楽しみました。そして幾つもの知らなかった曲の中から4曲、さっそくネット検索をして中古レコードを入手しました。2020年は久しぶりに川西卓さんと一緒にDJをしてみたいです。もちろん彼がこちらの腕を大目に見てくださるのなら。

SAND STEP

川西卓 - SAND STEP

アナログ・オール・ミックス・スタイルの集大成となる新作Mix!!

MIXCD |  ¥1,980 |  SAND STEP (JPN)  |  2020-05-31 [再]  | 

 

 

 

 

 

 

 

5. Kan Sano / Sit At The Piano (Origami Productions) 7"
 これはKan Sano & Miller Blue "House Of Mine (Rework Of Sit At The Piano)"という曲の7インチ・シングルのB面に収録された作品で、たいへんに美しいジャズのトラック。ジャケット・デザインも素晴らしい、すみずみまで気配り、目配りのきいたレコード。2019年の秋に渋谷の「Hotel KOE」というところでクボタタケシさんたちとDJをやったとき、あとでTwitterを見たら、Kan Sanoさんが会場にいらした、という若い友人のツイートを読んで、ちょうどその日はこのレコードをバッグに入れていたので、ああ、サインをもらいたかったなあ、と考えました。

HOUSE OF MINE (REWORK OF SIT AT THE PIANO)

KAN SANO & MILLER BLUE - HOUSE OF MINE (REWORK OF SIT AT THE PIANO)

話題のコラボレーション楽曲が完全限定7インチ・リリース!!

7" |  ¥1,980 |  ORIGAMI PRODUCTIONS (JPN)  |  2020-06-21 [再]  | 

 

 

 

 

 

 

 

6. Nona Reeves / Love Together (Unchantable) 7"
 コレ、2019年のリリースだったのですね。じぶんも含めて、多くのDJにとって、この一年いちばんヘヴィ・プレイしたかもしれない、誰もが幸福になってしまうような7インチ。グルーヴあんちゃん、こと中川さんから「ノーナの曲で7インチで欲しい曲といったら何ですかね?」と質問されて、そりゃ「Love Together」と「DJ! DJ!」でしょ、と即答したのは、もうかれこれ3年ほど前だったような。もちろん、こちらに尋ねた時点ではすでに、そのカップリングしかない、と決めていて、確認するつもりでの質問だったのかもしれませんが。じぶんたちよりもずっと若い世代のDJにとって「渋谷系」といったらノーナ・リーヴスとNegiccoのことなんだな、という現場を何度か見てきたので、この強力な2サイダーの7インチは最高のプレゼントになったと思います。
 それにしても、メジャー・レーベルに残された音源をまったくのインディ・レーベルからリリースする、ということ。いままでにまったく無かった事例、というわけではないものの、そこには大きな労苦があったはずだということは容易に想像ができます。西寺郷太さんと、グルーヴあんちゃんの信頼の絆に感謝を。過去には少なからず「しょーもない」曲もリリースしていましたけれども、宮田ロウ「悲しみはさざ波のように」とこのノーナ・リーヴスを連続リリースした時点で「アンチャンタブル」はいま最高のレーベルになったと思いますし、今後のリリースにも期待がつのるばかりです。もちろん「しょーもない」は愛の言葉ですが。

LOVE TOGETHER

NONA REEVES - LOVE TOGETHER

筒美京平プロデュースの甘くソウルフルな00'sジャパニーズ・ディスコ・ポップ・クラシック!!

7" |  ¥1,980 |  UNCHANTABLE (JPN)  |  2019-02-01 [再]  | 

 

 

 

 

 

 

 

7. Joao Gilberto / Joao Voz E Violao (ジョアン 声とギター) (ユニバーサル) LP
 そういえば『声とギター』って、世界中のどの国でもアナログ盤が出ていないじゃない、と気づいたのは、ジョアン・ジルベルトが亡くなる直前だったか、直後だったか。1991年のポリグラム盤『Joao』という作品が、アナログで聴くと本当に素晴らしくエロくて最高で、いつも夜中に聴いてはゾクゾクしていたのですが、それであるとき『声とギター』もアナログで欲しい、と考えたのだと思います。なにしろ収録時間も短いですし、これほどLPレコード向けの作品もないのに、と考えていた矢先の世界初アナログ化。ユニバーサル斎藤嘉久ディレクター、ありがとうございます。

JOAO VOZ E VIOLAO (ジョアン 声とギター)

JOAO GILBERTO - JOAO VOZ E VIOLAO (ジョアン 声とギター)

'00年にCDのみでリリースされたボサ・ノヴァ名盤が初アナログ化され復刻!!

LP |  ¥4,400 |  ユニバーサル (JPN)  |  2019-12-11  | 

 

 

 

 

 

 

 

8. Prefab Sprout / Steve Mcqueen Acoustic (Kitchenware / Sony / Legacy) LP
 今年のレコードストアデイのアイテムで、自力では入手することができなくて、けっきょく音楽業界のコネを使って手に入れた一枚。そんなわけで点が甘いのかもしれませんが、やはり素晴らしいレコードでした。このバンド、2019年の後半は過去のカタログの多くがリマスターされてアナログ化、周囲の盛り上がりにノセられて、じぶんも何枚か買いましたが、そちらはあまり心の針が振れませんでした。やはりLPでダブル・ジャケットとか2枚組とかは良くないです。

STEVE MCQUEEN ACOUSTIC (180G)

PREFAB SPROUT - STEVE MCQUEEN ACOUSTIC (180G)

Prefab Sproutの'85年2ndのアコースティック版が180g重量盤でLP化!!

LP |  ¥2,800 |  KITCHENWARE / SONY / LEGACY (EU)  | 

 

 

 

 

 

 

 

9. Pizzicato Five / The Band Of 20th Century (Nippon Columbia) 16X7"
 ピチカート・ファイヴの1990年代、野宮真貴さんをヴォーカリストに迎えて、日本コロムビアと契約していた時期の音源の中から36トラックを選んで7インチ化、16枚組のボックス・セットにしてリリースしたものです。ここ10年ほど、じぶんもほぼ7インチだけでDJをやるようになって、ピチカートの楽曲の7インチ化を虎視眈々と狙っていたのですが、ようやく機会がめぐってきた、というわけです。音楽の内容のことは、とくに書くべきことはありません。ビートルズやヴァン・ヘイレンの7インチ・ボックスと同じく、ただのコレクター向け、マニア向けの豪華商品。磯部涼さん言うところの「懐メロ商売」というアレです。でも音楽産業においては、懐メロ商売、つまり旧譜カタログの再利用、というのはビジネスの本道なのだと信じておりますが。
 さまざまな経緯は、まだ書き記すにはあまりにも生々しいので差し控えますが、ちょうど2018年の仕事納めの日に日本コロムビアのディレクター・W氏とこの話をした直後、大晦日から2019年の元旦にかけての渋谷オルガンバーでのカウントダウンで、YOU THE ROCKさんとすこし喋ったことが、このリリースへの引き金となったことは書いておいても良いでしょう。今回のリリースが90年代の音楽シーンで活躍された多くのアーティストの作品の再評価、再リリースに繋がれば良いのに、と個人的には考えています。

THE BAND OF 20TH CENTURY (7"X16 EP BOX)

PIZZICATO FIVE - THE BAND OF 20TH CENTURY (7"X16 EP BOX)

小西康陽監修・選曲による7インチ16枚組ボックスセット!!

16X7" |  ¥27,500 |  NIPPON COLUMBIA (JPN)  |  2019-11-23  | 

 

 

 

 

 

 

 

10. レディメイド 未来の音楽シリーズ 7インチ編
Sunrays / Have To Be Myself c/w Turtles / Too Young To Be The One (Oldays) 7"

 以前からトム・スコットの「トゥデイ / ブルース・フォー・ハリ」やノヴィ・シンガーズ「ブラウニー」といった7インチを買っていたOLDAYS、というレーベルから思いがけないお誘いを戴いて、じぶんがDJとして長らく愛していた1967年以前の音源の中から、未だ7インチ化されていない曲を選んで月に1枚、1年に12枚をリリースする、という企画に参加させていただきました。
 選曲のポリシーは「いかにもオレが好きそうな音楽」。ジャケット・デザインは吉永祐介さんにお願いして「レディメイドのフライヤーを連想させる」「1年間のシリーズ物だと解る」デザインをシリーズの初めにまとめて12枚、作っていただきました。特筆すべきは音質で、以前からこのOLDAYSレーベル、音がとても良いなあ、と思っていたのですが、CLINCKの長野ビイトさんによるマスタリングが本当に丁寧かつ大胆、とても優れているのです。さらには担当ディレクターの新井裕尚さん、プロモーターの藤沢さん、そして長野社長、と音楽を愛しているスタッフばかりで制作されているこのシリーズ、だまされたと思って、一枚聴いてみてください。かつて、粗悪な音質、粗悪な企画盤の代名詞のごとく用いられていた「板起こし」という言葉に、いまは大きな可能性を見出すことができる時代になったのだ、と驚かれる方も少なくないでしょう。
 このページでは「各順位1作品のみという形になっている為、シリーズでの掲載が難しい」ということですので、第3弾リリースの「サンレイズ / ハフ・トゥ・ビー・マイセルフ c/w タートルズ / トゥ・ヤング・トゥ・ビー・ザ・ワン」を載せますが、第1弾の「ジャッキー&ロイ / チアフル・リトル・イアフル c/w ノヴィ・シンガーズ / ダンシング・ナッツ」、第2弾の「ビリー・ストレンジ / アディオス c/w フランク・チャックスフィールド / ルート66」さらに年末に発売されるジョージ・ケイツの「12番街のラグ」他3曲の7インチ、そしてこの後に続くリリースも音質・内容共に間違いなしですので。

HAVE TO BE MYSELF / TOO YOUNG TO BE THE ONE

SUNRAYS / TURTLES - HAVE TO BE MYSELF / TOO YOUNG TO BE THE ONE

小西康陽×オールデイズ・レコードによる夢のコラボ企画!!

7" |  ¥1,650 |  OLDAYS (JPN)  |  2021-09-09 [再]  | 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、もう1枚。2019年に入手しましたが、2018年のリリースということで、この欄の担当の方から除外されてしまった作品を番外、として挙げておきます。

池間由布子 / 野となり、山となる (Ikemayuko / At One With Field) LP
 ギターの弾き語りで歌う女性シンガー・ソングライターの方が、鳥や虫の声、風の音の聴こえる環境の中でライヴ録音した作品。
 このアルバムについて、詳細を知ろうとして検索すると「フィールド・レコーディング」という言葉をよく見かけるのですが、本来、フィールド・レコーディングとは、在野の人々、職業的な歌手や音楽家ではない人々の歌や演奏を求めて、録音機材を持って採集する、という、ちょうど映画『COLD WAR あの歌、二つの心』の冒頭の場面のようなことを指すのであって、このような「屋外録音」「自然の中での録音」という意味では使わない、と理解していましたが、それとも、こちらのほうが本来の意味なのでしょうか。
 この作品に興味を抱いたのは、じぶんも女性歌手の歌うフォーク・ソングのレコードを制作したい、と考えていて、その制作費のことで頭を悩ませていたからなのですが、その解決策としては、このレコードは良い参考書とはなりませんでした。けれども、ここにはいくつかの、いくつもの素晴らしい歌が収められていましたし、なによりも「愚」「秘密結社○○教団」といったレコードにおける金延幸子さんの珠玉のヴォーカルを思い出させてくれました。「まるでむかしのレコードのような」という、じぶんにとっての最上級の褒め言葉を呈したい作品。なお、これはココナッツディスク池袋店の通販で購入しました。JET SETでの取り扱いはあったのだろうか。

野となり、山となる

池間由布子 - 野となり、山となる

夏と秋の境目、京都・沢池にて野外録音された行われた絶品アコースティック・フォーク・ソングス!!

LP |  ¥3,300 |  IKEMAYUKO / AT ONE WITH FIELD (JPN)  | 

 

 

 

 

 

 

 

 


[イベント情報]
12/20(Fri) 「(((((((((( A ))))))))))」 @渋谷 Organ Bar
12/21(Sat) 「PARALYZE 18Th Anniversary Party」 @渋谷 Bar Shifty
12/27(Fri) 「FRANKENSTEIN’S★R&R★NITE」 @富ヶ谷 フランケンの花嫁
12/31(Tue) 「Organ Bar COUNTDOWN PARTY」 @渋谷 Organ Bar
1/13(Mon) 「OTO 24th Anniversary」 @渋谷 OTO
1/17(Fri) 「(((((((((( A ))))))))))」 @渋谷 Organ Bar
1/19(Sun) 「レッツゴーヤ~ング?」 @渋谷 Organ Bar


[関連サイト]
https://www.readymade.co.jp


[関連商品]

井上順のプレイボーイ講座12章

小西康陽とプレイボーイズ - 井上順のプレイボーイ講座12章

前田憲男とプレイボーイズ『円楽のプレイボーイ講座12章』が小西康陽プロデュースで蘇る。

LP |  ¥4,400 |  TEICHIKU ENTERTAINMENT (JPN)  |  2019-12-29  | 

THE BAND OF 20TH CENTURY (7"X16 EP BOX)

PIZZICATO FIVE - THE BAND OF 20TH CENTURY (7"X16 EP BOX)

小西康陽監修・選曲による7インチ16枚組ボックスセット!!

16X7" |  ¥27,500 |  NIPPON COLUMBIA (JPN)  |  2019-11-23  | 

12TH STREET RAG/STARDUST / TEA FOR TWO/FRENESI

GEORGE CATES - 12TH STREET RAG/STARDUST / TEA FOR TWO/FRENESI

小西康陽×オールデイズ・レコードによる夢のコラボ企画!!

7" |  ¥1,650 |  OLDAYS (JPN)  |  2021-09-09 [再]  | 

HAVE TO BE MYSELF / TOO YOUNG TO BE THE ONE

SUNRAYS / TURTLES - HAVE TO BE MYSELF / TOO YOUNG TO BE THE ONE

小西康陽×オールデイズ・レコードによる夢のコラボ企画!!

7" |  ¥1,650 |  OLDAYS (JPN)  |  2021-09-09 [再]  | 

ADIOS / ROUTE 66

BILLY STRANGE / FRANK CHACKSFIELD - ADIOS / ROUTE 66

小西康陽×オールデイズ・レコードによる夢のコラボ企画!!

7" |  ¥1,650 |  OLDAYS (JPN)  |  2021-09-09 [再]  | 

CHEERFUL LITTLE EARFUL / DANCING NUTS

JACKIE & ROY / NOVI SINGERS - CHEERFUL LITTLE EARFUL / DANCING NUTS

小西康陽×オールデイズ・レコードによる夢のコラボ企画!!

7" |  ¥1,650 |  OLDAYS (JPN)  |  2019-10-17  | 

わたくしのビートルズ

小西康陽 - わたくしのビートルズ

ザ・ベスト・オブ・小西康陽1992-2019★約17年間の文章をスクラップ!!

BOOK |  ¥3,630 |  朝日新聞出版 (JPN)  |  2019-04-20  | 

素晴らしいアイデア 小西康陽の仕事 1986-2018

V.A. - 素晴らしいアイデア 小西康陽の仕事 1986-2018

あの曲もこの曲も小西さんが書いていた! 初の作品集BOX!

5CD |  ¥14,850 |  SONY MUSIC (JPN)  |  2018-06-12  | 

わたくしの二十世紀

PIZZICATO ONE - わたくしの二十世紀

小西康陽によるソロ・プロジェクト。遂にセカンド・アルバムが完成!!

CD |  ¥3,300 |  UNIVERSAL MUSIC (JPN)  |  2016-03-26 [再]  | 

ONE AND TEN VERY SAD SONGS

PIZZICATO ONE - ONE AND TEN VERY SAD SONGS

遂に出ました!!小西さん初のソロ作品は、全編英語曲のカヴァー・アルバム!!

CD |  ¥3,143 |  UNIVERSAL (JPN)  |  2012-03-13 [再]  | 

女王陛下のピチカートファイブ

PIZZICATO FIVE - 女王陛下のピチカートファイブ

1989年リリースのサード・アルバムが遂にアナログ化!!

LP |  ¥4,070 |  SONY MUSIC (JPN)  |  2018-07-17 [再]  | 

女王陛下のピチカート・ファイヴ EP

PIZZICATO FIVE - 女王陛下のピチカート・ファイヴ EP

超衝撃の初7インチ化★ピチカート・ファイヴ版「夜をぶっとばせ」!!

7" |  ¥1,980 |  SONY MUSIC (JPN)  |  2018-05-15  | 

ラヴァーズ・ロック

PIZZICATO FIVE - ラヴァーズ・ロック

超衝撃の初7インチ化★ソニーミュージック期唯一のシングル曲!!

7" |  ¥1,980 |  SONY MUSIC (JPN)  |  2024-04-13 [再]  | 

ショコラに夢中

野本かりあ - ショコラに夢中

小西康陽プロデュース、安野モヨコ原作アニメのOPテーマ曲が初アナログ化!

7" |  ¥1,980 |  KING / JET SET (JPN)  |  2022-08-26 [再]  |