Iku Sakan : Leftfield - [2019-12-20]

[Profile]

大阪生まれの電子音楽家、DJ。

2009年より渡欧し独ベルリンを中心にヨーロッパの主にDIYな音楽シーンで活動。2017年リリース“Prism In Us All”、”Human Wave Music”の2作が国内外の先鋭的なDJやリスナーの注目を集める。特に英Japan Bluesよりリリースされた“Prism In Us All”は、Four Tet やBen UFOが自身のRadio Mixに収録したのを始め、R&S RecordsがレーベルSNSで言及、米RVNG Intl.のMatthew Werthの年間ベストにも挙げられる等、各方面で高い評価を得た。その作品はこれまでにBBC Radio 1、NTS、Rinse、Rinse France、WFMU等で選曲されている。Steve Reich、Manuel Gottsching、Laraaji等にも比較されるミニマル且つ情感に富んだ有機的で快楽的な作風を特徴とし、「角度を変えれば無限に色彩を変化させるかのように、聴く度に新しい発見と、移ろいの美観をあたえてくれる。」(by Kazunori Toganoki - MASSAGE magazine) と評される。

2017年、日・デンマーク国交樹立150周年記念イベント "Opposite 2017" に関連し帰国。 2018年より大阪住之江区北加賀屋 "音ビル" にてプライベート音楽スタジオ "ICECREAM MUSIC"を日野浩志郎、西川文章と共同運営。

過去の主な共演・コラボレーションにSun Araw、Pekka Airaksinen、Maher Shalal Hash Baz、Anders Lauge Meldgaard (Frisk Frugt)、Günter Schickert等がいる。

 

※アルファベット順

1. EEL / HDD (Ethbo Music) EP
独DJ / プロデューサーPhilipp MatallaとRobert SchulzeによるデュオEELのデビュー12”EP。現行のシーンにおける流行への目配せとは無縁の、岩から切り出したかの様なゴツゴツとした荒削りな実験精神が横溢したテクノ+α。素晴らしい内容だが残念なことに未だ聴かれるべき層に届いていない様に感じます。少しでも多くの人に聴かれかし、という一抹の期待を込めてここに。

HDD

EEL - HDD

ライプツィヒのライブユニット”EEL”デビューEP!!

12" |  ¥1,800 |  ETHBO MUSIC (UK)  |  2020-11-02  | 

 

 

 

 

 

 

 

2. Fernando Falcao / Barracas Barrocas (Optimo Music Selva Discos) LP
ブラジルの音楽偉人Egberto GismontiがECM傘下に80年代初頭設立したレーベルCarmoに前衛音楽家Fernando Falcaoが残した2ndソロ作。同じくSelva Discosより今年再発された79年1st”Memorias Das Aguas”も幻惑的な名品だが、1stで聴かれた実験性を残しながらもシンフォニックな方向に大きく舵を切った本作は個人的にも長年アナログで聴きたかった作品。なので個人的reissue of the year。

BARRACAS BARROCAS

FERNANDO FALCAO - BARRACAS BARROCAS

'87年にリリースされたブラジル産エクスペリメンタル激レア盤がリイシュー!!

LP |  ¥2,700 |  OPTIMO MUSIC SELVA DISCOS (GER)  |  2019-11-18 [再]  | 

 

 

 

 

 

 

 

3. Herron / YIELD/WIELD (V I S) Tape
独ハンブルグのレジェンド・クラブGolden Pudelの中核メンバーでおしどりDJカップルNinaとGood Newsが運営するV I Sより、英マンチェスターのプロデューサーHerronのオブスキュア・テープ作。闇の中に不整脈的なリズムが蠢き層を成し明減するA面、よりツンのめるような衝動的ビート感を増したB面、どちらも予測出来ない展開満載で聴いていると脳細胞が騒めく気がする。

YIELD

HERRON - YIELD

TAPE |  ¥1,400 |  V I S (UK)  | 

 

 

 

 

 

 

 

4. Jesse Osborne-Lanthier / RNG TRAX Vol. 1 (Haunter Records) Tape
カナダはモントリオールの異才Jesse Osboene-Lanthierによるゲーム音楽やアニメOSTのみを使用したミックス・テープ。Final FantasyやMOTHER2、Xenogearsやlain serial experiments等、まるで彼の自室で聴かされているかのような趣味丸出しの内容だが、曲のパーツの切り貼りや展開の組み立てに非凡なセンスが光る。本人による使用楽曲の元ネタサントラのタイトルロゴをコラージュしたアートワークも大変格好がよろしい。

RNG TRAX VOL​.​1

JESSE OSBORNE​-​LANTHIER - RNG TRAX VOL​.​1

アニメやゲームのサウンドトラックで構成した新作『RNG TRAX Vol​.​1』を発表

TAPE |  ¥1,600 |  HAUNTER (ITA)  | 

 

 

 

 

 

 

 

5. Köhn / Köhn1 (Cortizona) LP
ベルギーの名門Kraakからの諸作でも知られるKöhnことJurgen De Blondeが98年にMini Discに録音したデビュー作。同レーベルよりCDのみで当時リリースされていた作品の初ヴァイナル化。モノトナスで簡素な音作りが同時期に勃興していたエレクトロニカとの近似性を薄っすらと感じさせもするが、暴発するディストーテッド・ギターをはじめ寂寞とした厭世観滲み出るアウトサイダー的佇まいでやはり完全に別物であった。発信音的パルス信号ビートやトイ・ピアノ、アナログ電話の呼び出し音のループ、アルバム後半に差し掛かるにつれ頻出する変ちくりんなポンコツビート等、様々なアイデアに溢れた一筋縄では行かない展開で飽きさせない。派手さは無いが隠れた名品。

KOHN 1

KOHN - KOHN 1

98年に発表されていた本作がリマスタリングで復刻!

2LP |  ¥3,050 |  CORTIZONA (BEL)  |  2020-01-12  | 

 

 

 

 

 

 

 

6. La Fureur De Vouivre / L'Herbe Qui Rend Amoureux (Stenze Quo) CD
仏トゥールーズの男女デュオLa Fureur De Vouivreの1st CD作品。自作の弦楽器や笛、パーカッションや環境音、ギターやキーボード等を用いた屋外あるいは屋内録音の珍妙な小曲群が雑然と小気味よく並ぶ。素っ頓狂でどこか牧歌的な野外演奏や、時に電子ノイズも交えた密室的な宅録作品まで、世のSNSにおける喧騒とは隔絶したところでこのような音楽を作り続ける人達がいるのだ、という事実を嬉しく思う。

 

 

 

 

 

 

 

7. Montel Palmer / !Aye Papi!/Las Cassetas Ultimas (Planet Rescue) 7”
独ケルンの変わり種トリオMontel Palmer、同じくPlanet Rescueから最近リリースされたmini LPも良いが、この7”作品は個人的に今年有数のフレッシュなリリースかも知れない。ニューウェイビーなダブを濾過しきった様なユルッユルのリズムに、弛緩しきったエフェクト音やぬるっとしたボーカルが程よく気持ち悪い感じで絡む。メンバーのTBZがRobert BergmanのレーベルBLEWや自主でリリースしたソロ諸作もユニークで面白い。

¡AYE PAPI! / LAS CASSETAS ÚLTIMAS

MONTEL PALMER - ¡AYE PAPI! / LAS CASSETAS ÚLTIMAS

ミニマル・シンセとダブの融合。好事家必聴のヘンテコ音響作!!

7" |  ¥1,450 |  PLANET RESCUE (GER)  |  2019-09-04 [再]  | 

 

 

 

 

 

 

 

8. Ross Alexander / Memorias Vol.2: High Atlas To The Sahara Desert (Discrepant) LP
独ベルリン在住の英国人DJ / プロデューサーRoss Alexanderによるモロッコのアトラス高地やサハラ砂漠でのフィールド・レコーディングを加工した神秘的アンビエント作品。個人的にもお気に入りだった2017年のテープ作品”Memorias Vol.1: Bugandan Sacred Places”に続き英Discrepantからリリースされた続編LP。瑞々しいエフェクトや抜群の編集センスで構築された純度の極めて高い有機的サウンド・スケープ。聴いていると深層心理に溜まった澱がゆっくりと融解していくよう。

 

 

 

 

 

 

 

9. Sea Urchin / Tahtib Tehbat (Bokeh Versions) LP
独ベルリン在住の伊異端サウンド・アーティストFrancesco Cavaliereとエジプト出身Leila HassanによるデュオSea Urchin (日本語で”ウニ”の意)、土着的パーカッションや空間的シンセ、Hassanによるポエトリー・リーディングを思わせるアラビア語のボーカルが渾然一体となり、異界的古代エジプトに呪術的あるいは祝祭的チャネリングを試みているかのようである。かと言って然程おどろおどろしいリチュアルな印象は無く、隙間を活かしたプロダクションやどこか家内工業的な素朴さもあり、意外と人懐っこく軽快な聞き応えで聴く度に異なる様相を見せる。

TAHTIB

SEA URCHIN - TAHTIB

コンピューターライズド・レゲエ~ダブを通過した、コンテンポラリーな音響の鳥肌盤!!

LP |  ¥2,250 |  BOKEH VERSIONS (UK)  |  2019-05-20  | 

 

 

 

 

 

 

 

10. Star Searchers(Spencer Clark) / Avatar Blue (Pacific City Sound Visions) 2CD
Monopoly Child、Typhonian Highlife、Tarzana等の数多の別名義・別プロジェクトやJames FerraroとのThe Skatersとしての活動でも知られる異能Spencer Clark。彼のStar Searchers名義の新作2CD”Avatar Blue”は、大洋の深奥や神秘を多岐にわたるシンセ音源を駆使し、Vapor Wave的な近未来の光に透過した様な得も言えぬ神妙にして新鮮な音世界。リズミックなアクセントも織り交ぜながら、波の揺らぎやうねり、海底の静けさや広がり、海洋生物の生態を音で活写したようなトラックなど、2CD全29曲2時間15分弱に渡りミッチミチに収録されている。音楽ジャンル的には80s-90sのシンセ・ニューエイジ作品等も思い浮かぶが、ただただスケールの大きい突き抜けた独自性に舌を巻く。通して聴いていると海酔い (?) する心持ちがする。2020年1月来日。

 

 

 

 

 

 

 

 


[イベント情報]
12.30.mon @ Club Daphnia, 大阪

Avatar Blue Japan Tour w/ Star Searchers
01.18.sat @ 砂丘館, 新潟
01.19.sun @ forestlimit, 東京
01.25.sat @ Club Daphnia, 大阪


[関連サイト]
https://soundcloud.com/ikusakan


[関連商品]

PRISM IN US ALL

IKU SAKAN - PRISM IN US ALL

大阪出身の音響作曲家による新作がJapan Bluesより!!

LP |  ¥2,950 |  JAPAN BLUES (UK)  |  2017-10-26  |