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Ba Dum Tish特集 - [2023-01-17]

2020年のロックダウン中に発足したイギリスはセブノークスを拠点に活動する新興ディストリビューション兼レーベルBa Dum Tish。Phone TraxxxやSnoozin' B名義での活動も著しいAlec Falconerを中心にDr.Bananaらが運営を務め、コミカルでキャッチーなブレイクビーツ、テックハウス、UKガラージを軸にリリースを行い、着々とシーンの底上げを担う存在になりました。

PUNCHLINEやScratch Discs、Sock It To Meといった当ディストリ傘下のレーベルが手掛ける看板名シリーズから『BUMBLEPRESS』や『LOOPOETS01』、『FIELDCOCOON』といった知る人ぞ知るニッチサウンドのリイシュー作、さらにミステリアス・ホワイト盤やヴァイナル・オンリー・ブートレグ、詳細不明変名義作など、そのリリースは多岐にわたります。

500枚限定、ヴァイナル・オンリーにてリリースされたミステリアス・アーチストTDFEによるホワイト盤2ステップ・ブートレグ作『Countdown』は、Richard Whiteleyが生前ホストを務めた名クイズ番組『The Countdown』のSEを大胆に引用したガラージ作が収録。さらにBサイドではWham!"Last Christmas"というまさかの大ネタでクリスマス前後のパーティーでしかプレイ出来ない問題作となった1枚でした。Hoodratsによる'03年超カルト盤リイシュー作『Tha Whack Messiah』は"Payola"からの第1弾としてリリースされ、アーティスト情報も不明の謎多き人気作がまさかのBa Dum Tish配給でした。リイシューですとWagner、Hetschによるデュオ変名Loopoetsの'01年リリースのブリープ・ガラージ作や任天堂64ゲーム『Buck Bumble』のスピード・ガラージ・サントラのクラブ・リマスターなども大変界隈を震撼させました。ボルチモア・クラブの先駆者DJ Technics名作リイシュー『Butter002』も印象に残ります。

個人的なリコメンドであるディープ・ハウスからイタロ〜UKGまでをエレクトリックに落とし込んだテック・ハウス・コンピ作『Triphasic』は、イビザ出身のミニマル実力派Luca CazalことLVCAが『Estado Salvaje』を経て新たに始動したニュー・レーベルIbiza Sound Machineの1作目で、Sock It To Meからのリリースでお馴染みMarlon Lopez HoldenとConstant Sound、You & Me、Aesthetic、Locus等からリリースしてきたUK気鋭Josh Bakerが集った傑作EPです。

本特集では、そんな良い意味でお騒がせな名門Ba Dum Tishより選りすぐりをピックアップして紹介しました。

Text by Chiharu Awazu (JET SET Kyoto)