SCENES IN THE GRAVITY
アーティスト: DJ LIBERATE
タイトル: SCENES IN THE GRAVITY
レーベル: HOODISH (JPN)
フォーマット: TAPE
発売日: 2022-05-30
初回入荷日: 2022-06-07
最新入荷日: 2023-07-11 [再]
価格: ¥2,200
CatNo.: HDR003
問い合わせ番号: 4170-0606-1999
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ヘビーウエイトなサウンドとラップを独自の質感で融合させた新時代のビートサイエンス!!

新鋭レーベルHoodish Recordingsのリリース第3弾は、ヒップホップを起点としながらベース・ミュージックやダブの要素を取り入れた独自のスタイルを提示しているDJ Liberateの1st.アルバム。※DLコードを付属

本作は、コロナ禍で発売延期となっていたアルバムのオリジナル楽曲をミックス/アレンジを担当するFumitake Tamura(Bun)と共に再構築したアルバム。極限まで音数を減らし、研ぎ澄まされたプロダクションが生み出すサウンドはタイトでヘビーながらも繊細な音の配置がエコーした仕上がりに。客演にStonedz(Mega-G, Dogma)、鎮座Dopeness、前里慎太郎、Fortune D、Mori、BDR、KSと巧みなスキルを持ち、シーンを牽引するラッパー達が参加。マスタリングは、木村健太郎(Kimken Studio)、リミックス2曲はそれぞれMaL(Part2style)、Atsukiによるドープ・トラックス。ジャケット・デザインはKei Sasakiが担当。MV制作ではOshirasamaが撮影/編集を担当。

Artist Comment

■プロフィール
東京を拠点とし、国内のアンダーグラウンドシーンを中心に活動しクラブ/ライブハウスでのDJプレイやラップトップを用いたライブを行い、ヒップホップを起点としながらベースミュージックやダブの要素を取り入れた独自のスタイルを提示している。

ディープで気骨のあるミックスセンスとサウンドプロダクションに定評がありソロ名義の他にも、Mariana Kaikou / Echolocation Clikといったユニットをプロデュースし作品を発表。

活動初期より自主レーベル「WURAFU」を立ち上げ自身の作品を含め様々なアーティストのリリースに携わる。2022年に初のソロアルバムをHoodish recordingsより待望のリリース。

DJ/Producer based in Tokyo.

DJ Liberate is one of the enthusiastic DJs in the underground music scene in Japan who plays at various nightclubs and venues, and he is well reputed for his unique DJ style incorporating elements of bass music, dub, and hip-hop, and also for his live performances using a laptop.

DJ Liberate is known for his deep and stout-hearted DJ mixes and sound production, and he has produced a unit called Mariana Kaikou/Echolocation Clik.

He is the owner of his own music label "WURAFU" and has engaged in various artists' releases as well as his own works to date.

In 2022, DJ Liberate released his first solo album "Scenes In The Gravity", further expanding his creativity and activities.

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ベース・ミュージック、あるいはダブ/レゲエと日本のラップの蜜月の時代が再び訪れようとしているのではないか。DJ/プロデューサーのLiberateが、クラブやライヴハウスといった現場での豊富な経験を活かし、重厚だが軽やかに異なるルーツを持つラッパーやディージェー、音楽家を結び付けたファースト・アルバムを聴くと、そんなことを強く感じる。

1990、2000年代にもそうした融合や横断はあり、その後もそうしたミクスチャーは進行していた。しかし、誤解をおそれずにいえば、ある時期からそうしたサウンドは非常に限られたシーンで支持されるものだったが、この作品のサウンドにはそうした閉鎖性をぶち破るエネルギーと洗練があり、風通しが良い。これこそがいま求められている音だと、私はおもう。

例えば、冒頭曲「ANYAKU」に鎮座DOPENESSが登場するのも象徴的だ。彼のオリジナルなスタイルはいまや広く認められているものの、2000年代に日本語ラップ、ラガ、レゲエを横断する特異性はアンダーグラウンドで際立つものだった。日本の主流の音楽シーンや音楽産業と呼ばれる世界の中で、アメリカのヒップホップ/ラップを追うひとびとと、UKやヨーロッパ諸国に連綿と受け継がれるサウンドシステム・カルチャーにアクセスするひとびとの隔たりは、両者を愛する音楽ファンからすれば、想像以上に大きかった。

だが時代は変わった。DJ Liberateのサウンド/プロダクションはUKドリルやトラップも通過した上でベース・ミュージックやダブを追求しているように聴ける。その音が歌い手のことばとフロウと化学反応を起こしている。STONEDZ (MEGA-G, DOGMA)、Fortune D、BDR、KS、MORI、前里慎太郎a.k.a.IC といった個性的な面子の参加も然ることながら、あのFumitake Tamuraが作品の再構築に関わっていることも見逃せない。リミックスも2曲ある。こうした挑戦的な作品を起点に何かが動き始めるのは間違いない。

二木信(音楽ライター)