NEW LUK THUNG
アーティスト: JUU & G. JEE
タイトル: NEW LUK THUNG
レーベル: EM (JPN)
フォーマット: LP
発売日: 2019-07-27
初回入荷日: 2019-07-26
最新入荷日: 2019-11-02 [再]
価格: ¥2,530
CatNo.: EM1186LP
問い合わせ番号: 4230-0562-8239
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まだアメリカが知らないヒップホップ最新形がここにある。1st.アルバムが国内EMから!!

88risingと真逆の方向からアジア・ローカルをレペゼンし、それ故にグローバルに通用する全くフレッシュな音楽を創作するタイの異能、Juu。初のフィジカル・リリースが国内優良レーベルEM Recordsからリリース決定。

鎮座Dopeness、stillichimiya(田我流、MMM、Mr. 麿、Big Ben、Young-G)参加。

Artist Comment

Juu(ジュウ)とは何者か?魅力的なアクトがひしめくタイHIPHOP シーンでもOG としてリスペクトされる彼だが、国外からキャッチするのは困難を極める。タイ語で 歌いフィジカルはゼロ、Youtube にしかいない彼にOMK(One Mekong)が接触し、 2017 年には初来日ライブを敢行。その異形な音楽性と人物像が明らかなった。太す ぎるベースと刻まれたハイハットのグルーヴはTRAP 以降のそれだが、自在なフロウ、 英・タイ・日本語・甲州弁を織り交ぜるぶっ飛んだ言語感覚、豊穣なタイ音楽クラシッ クからの引用(あとファニーな人柄)そのどれもが当世に溢れるTRAP コピーキャッ ト達と全く別次元にいることを示していた。 本作はこの異才とOMK の面々が意気投合し、stillichimiya のYoung-G のリードで共 同制作を始め、2 年がかりで上げた初のフル・アルバムだ。大半のトラックが Young-G の手になるもので、これがOMK のアティテュードを反映した野心にみなぎっ ている。タイ固有のビートやグルーヴを注入するため必然としてタイの楽器ケーンや ピンを取り込む手法にエキゾチシズムは介在しない。そしてメロウな曲で滲み出るの はルークトゥンとも日本の演歌とも通じるフロウ(歌心)。それらがJuu のバックグ ラウンドであるHIPHOP やレゲエを介してなんとも言えない「新しい歌謡感」を生み 出している。 表題が示す通り、本作は死滅しかけていたタイ歌謡、ルークトゥン(*1)を最先端 HIPHOP でパッタナー(*2)したものだ。このルークトゥンという音楽は、過去の クラシックを何度も引用(サンプリング)して蘇らせ、同時に歌詞(リリック)を極 めて重視する点でHIPHOP と太い共通項を持つ。このルークトゥンとHIPHOP に通じ るマナーを完全に矛盾なく消化しきったのが本作だ。Juu が制作の過程で「これは ニュー・ルークトゥンだ」と言ったことから付いたタイトルだが、これは必然という べきネーミングだろう。本作は「最新のHIPHOP」であり「最新のルークトゥン」で もあるのだ。タイHIPHOP 界最高の” マスター・ポエット” としてリスペクトされる Juu の世界は、難航を極めた(!)完全対訳で是非チェックを!

<収録曲詳細>
収録曲の多くはジュウと彼の弟子(*3)、G. Jee(G. ジェー)によるタイ日英語を交ぜ たツイン・ヴォーカルで歌われる。70s ルークトゥンをループしたWEIRD トラックで鎮 座DOPENESS とMMM(スティルイチミヤ)をフィーチャーした「深夜0 時、僕は2 回 火を付ける」(M1)にはじまり、スリン・パークシリがプロデュースしたカワオ・シア ントーンのガンジャ・チューン名曲「Bong Ganja」をサンプリングしてアーバン・メロー に仕立てた「ラ・エイ・ラ」(M3)、ルークトゥン王道テーマを歌う「She Ley ~田舎で のんびり」(M4)、<合法化>を訴えるバラード「隣人」(M5)、パイリン・ポーンピブー ンの美しい名曲が暴力的なベースに変貌した「Yum Klom Thung ~ハナと僕の道」(M6)、 スティルイチミヤが勢揃いしパス・ザ・マイクで盛り上げる「ソムタム侍」(M7)、ダオ・ バンドン「水牛に乗る人」へのオマージュの姿をしたグローバリスト批判「水牛に乗る エイリアン」(M9)、そして「OMK テーマ」(M10)で締めるという怒濤の40 分。

<Juu とG. Jee 略歴>
バンコクの旧市街ウォンウェンヤイ出身、インディペンデントでDIY な活動を行うミュー ジシャン、音楽プロデューサー、スケーターで元暴走族。レゲエ・バンド、4E Rastafari のメンバーであり、伸ばし続けるトレードマークのラスタ・ヘアーそのままのチューン が多いが、実はダブルミーニングなリリックを特徴とする社会派ラッパー。タイ語、英語、 クメール語、日本語、Juu 自身が作ったno language でラップ可能で、プムプワンやチャー イ・ムアンシンといったルークトゥン歌手のフロウをラップ化したり、タイの古典文学 や詩を引用するセンスは誰も真似できない。Anderson .Paak と共演し、Yellow Fang(日 本でも人気のタイのインディー・バンド)やTwopee Southside(タイNo.1 のスキルを 持つラッパー)といったアーティスト達からジャンルを越えてリスペクトされている。 ティーンが熱狂するYoung Bong(タイの2人組ラッパー)はジュウの弟分。フィジカル・ リリース無し、サブスク無しという彼の作品はYouTube ならぬ<JUU Tube>で公開中。 最近はヤン富田に夢中でインスト音源もリリースしている。「グッチの鞄もコンビニの袋 も一緒」「ランボルギーニより自転車がクール」等々口から出てくるのはキラー・フレー ズばかり。謙虚で非常に腰が低い好漢。 G. Jee(G ジェー)はジュウが目をかける弟子で、ステージではジュウ負けない圧倒的な パフォーマンスをみせる期待のラッパー/シンガー/ソングライター。ジュウの強烈な 世界観に日々触れている人ゆえ今後はソロ作品にも期待大。

*注釈:
1)ルークトゥン:“ 田舎の子”、“ 田舎者の歌” の意を持つ音楽ジャンルで、1960 年代半ばにその名が確立し、現在はタイのナショナル・ミュージックとして継承さ れる歌謡音楽。田園風景、田舎と都市の対比、市井の生活や時事問題を扱い歌詞を 特に重視する。特定の音楽形式がないため雑食性が高い。

2)パッタナー:タイ語で変革、発展、改革の意。プロデューサー達が好んで用い る言葉。タイではパッタナーを怠った音楽はあっという間に一線からいなくなる。

3)歳上を敬う社会であるタイの音楽業界には師匠・弟子の伝統がある。HIPHOP であってもその関係は揺るぎない。