Dr.Looper / 2017-10-04

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YOU'RE YOUNG

MACKEY FEARY BAND - YOU'RE YOUNG

ハワイ産フリーソウルの最高峰2曲が夢のカップリング!!

7" |  ¥2,160 |  VICTOR (JPN) |  2017-09-12  | 
Kalapanaの中心メンバーだったMackey Fearyが、セカンド・アルバムのリリース直後に脱退、Country ComfortのGaylord Holomaliaとバンドを結成し、1978年にリリースしたのがハワイアンAORの最高峰アルバム"Mackey Feary Band"であります(もちろんLemuriaも最高ですけど)。その中でも佳曲"You're Young"と"A Million Stars"が、発売から約40年の時を経て初7インチ化という快挙。ちなみに、Mackey Feary Bandがバックを務めた桑名晴子のデビュー・アルバム『Million Stars』から、本盤と全く同じ曲構成の7インチも再発されています。印象的なジャケット写真(タンタラスの丘から撮影されたホノルルの夜景)を撮影したのは、本盤がレコーディングされたサウンズ・オブ・スタジオでエンジニアを務めていたAudy Kimuraでした。彼もまた『Looking for the Good Life』という名盤を残しております。さて。本盤で耳にできる爽やかで心地良い音楽とは裏腹に、Mackey Fearyの晩年は暗く悲しいものでした。1996年に覚醒剤(水晶メス)が原因とされる器物損壊で収監。1年後には社会復帰を果たしKalapanaの25周年コンサートなどに出演したものの、1999年に再び薬物で懲役10年の実刑判決を受け、入所2日後に刑務所内でシーツを使い首吊り自殺を遂げたのでした。享年43。そのエピソードを知った後に本盤をターンテーブルに乗せると、また違って聴こえてくるのも当然でしょうか。美しく、儚い名曲。
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AMEN, BROTHER / CANDY I'M SO DOGGONE MIXED UP

WINSTONS / CHOSEN FEW - AMEN, BROTHER / CANDY I'M SO DOGGONE MIXED UP

音楽の歴史を作った奇跡のドラムブレイク、通称アーメンブレイクで知られるあの曲をリエディット!!

7" |  ¥1,700 |  BREAKS & BEATS (GBR) |  2017-09-06  | 
出回っている枚数はかなり多いと推察されるのに、レコ屋ではなぜか強気な値段でよく見かける7インチ盤というのがありまして、たとえばDennis Coffey"Scorpio"とかBetty Wright"Clean Up Woman"とか。体感的な適正価格は500円ぐらいな気がしますが、だいたい1000円台半ばスタートの価格で販売されているようです。きっとアメリカで買い付けやすく、いつの時代でも人気盤なので、利鞘が見込める定番レコードというところなんでしょう。本盤A面The Winstons"Amen,Brother"も、まさにその代表的な1曲で、まあよく見かけることといったら、レコ屋で見ない日はないと書いたら書きすぎでしょうか。オリジナル盤ではひっそりとB面に収録されたこの曲が、「史上最もサンプリングされたブレイク」であることはさておき、本題は本盤のB面に収録されたThe Chosen Few"Candy I'm So Daggone Mixed Up"で、恐らくこれが初7インチ化となります。Statik Selektah feat. Black Rob, Deric "D-Dot" Angelettie and Redman"This Is It (Showoff Remix)"で大々的に使われたブレイクから始まるソウル佳曲。なぜ"Amen,Brother"と組み合わせたのかは謎ですが、ともかく素晴らしい選曲だと思い、ここに紹介させていただいた次第です。
3
IMPEACH THE PRESIDENT

HONEY DRIPPERS - IMPEACH THE PRESIDENT

ヒップホップ好きなら誰もが聴いたことのある定番ブレイクでお馴染みの'73年作が再発!!

7" |  ¥1,850 |  ALAGA (GBR) |  2017-09-20  | 
その昔、新宿ミロス・ガレージで開催されたMCコンテストで、Mummy-DとGAKU-MC(当時のMCネームは「スコスコ1号機」だったかもしれない)が対戦した時の話。たぶん1990年でGAKUはまだEast End結成の前。そして2人は初対面だったはず。対戦といってもフリースタイルではなく、持ち歌詞勝負でお客さんを沸かせたほうが勝ち、というシンプルなルール。この時、Mummy-Dは負け、勝ったGAKUはそのまま勝ち上がって優勝したと記憶しますが、書きたいのはバトルの話ではなく、その時のバック・トラックの話。ルールはMCが3つのブレイクの中から好きな1つを選ぶというもので、3つのブレイクとは"Funky Drummer""Shuck Up""Impeach The President"でした。自分なら何を選ぶかなあ?"Funky Drummer"かなあ?などとビールを飲みながらぼーっと考えつつイベントが始まると、案の定"Funky Drummer"の人気が高く、出場MCの殆どがClyde Stubblefieldの手数の多いスネアの上でラップする中、当時19歳だったMummy-Dは「これしかないでしょ」と言わんばかりのふてぶてしさで"Impeach The President"でラップを披露したのでした。そして、後攻だったGAKUも同じく"Impeach The President"をチョイス。試合の後、Mummy-Dを負かしたという事より"Impeach The President"を選んだという事実にGAKUに対して強烈な印象が残ったのでした。何を書きたいかというと、秀でたラッパーが選ぶのは"Impeach The President"ということ。このブレイクにはラップを乗せたくなる「何か」があるようです。
4
RE-CREATION OF THE GODS

RUFUS HARLEY - RE-CREATION OF THE GODS

ルーファス・ハーレイの最も危険な一枚!!サイケ・ジャズ・ファンク"Malika"他、収録!!

LP |  ¥1,550 |  ANKH (USA) |  2017-09-16 [再]  | 
比較的マイナーな楽器、例えばそれがヴィブラフォンであっても、まずは当然Roy Ayers、ミュージシャンの登竜門的な楽団を率いたLionel Hampton、実は非ラテン系ミュージシャンだったCal Tjader、後世に残る名曲"Montara"を残したBobby Hutcherson、UBB収録曲"Sister Sanctified"のMilt Jackson、Salsoul Orchestraの監督Vincent Montana、忘れちゃいけないGary Burtonなどなど、7、8人のミュージシャンを思い出せるもの。でも、バグパイプはどうでしょう?そもそも楽器としての仕組みすら分からない。そして、自分はバグパイプを操るミュージシャンをRufus Harleyただ1人しか知らないわけで。しかし本盤のおかげで「決して侮れない楽器」というイメージが強いのです。1965年にAtlanticからデビュー、5枚のアルバムを出した後に、ニュージャージーの自主レーベルAnkhからリリースした1972年の本盤こそが彼の最高傑作で、タイトに決まったリズムをバックに、素っ頓狂なバグパイプの音色がうねる、うねる。さらにはエレクトリック・バグパイプも炸裂。今ならStones Throwが好みそうな変態ジャズといったところ。初めて聴く人はこれが45年前の音源だとは、絶対に思えないはず。いつ聴いても新しい。バグパイプ・レアグルーヴというジャンルがあったら間違いなく最高峰盤でしょう。ちなみにRufus Harleyは何と16人のお子さんを残されたようで、音楽以外のバイタリティも凄かった、というお話。
5
S.T. (180G)

MARCOS VALLE - S.T. (180G)

ブラジリアン・ブギー人気曲"Estrelar"を収録した大傑作が大注目レーベルより再発!

LP |  ¥2,750 |  PRESERVATION (NOR) |  2017-09-11 [再]  | 
誰もが一度は耳にしたことがある"Summer Samba"といえば、大ヒットしたWalter Wanderleyのヴァージョンかもしれませんが、Andy WilliamsやAstrud Gilbertoもカヴァーしているボサ・ノヴァの名曲であります。1964年に発表された"Summer Samba"の作曲者こそ、この人Marcos Valle。彼のヴァージョンが収録されている名盤『Samba '68』のジャケット写真では、イギリスのパブリックスクール生徒を思わせる好青年感を漂わせていましたが、その15年後の本盤ではまるでサーファーのような佇まいに変貌しております。実はこの頃のMarcos Valleはテレビでフィットネス番組に携わっていたらしく、健康志向アピールのためにカラフルなドリンクを並べたようです。かくも酷いジャケットですが、中身は最高。というのも、1979年のアルバム『Inside Is Love』をきっかけに、メロウ大王ことLeon WareとL.A.で共作をスタート。具体的にはMarcos Valleがコード進行を決め、Leon Wareがメロディを書くことが多かったそうです。80年代頭まで蜜月時代が続き、互いにコラボ曲を収録したアルバムを数枚ずつ出しましたが、個人的には本盤こそが最高傑作だと思います。ブラジル音楽とモダン・ソウルの見事な融合。CDで初めて聴いて以来虜となり10年ほど探し続け、ようやく大阪で入手できた時の感動と言ったら。ちなみにMarcos valleはセルフ・タイトルのアルバムを本盤を含めて少なくとも3枚出しており、実に識別しづらく、インターネットで本盤をヒットさせるのは至難の技だったりします。アーティストの皆さん、セルフ・タイトル・アルバムを出すのは控えてくださいな。そして、なるべくなら良いジャケットで。