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Dr.Looper / 2018-02-03
1
V.A. - MIDNIGHT IN TOKYO
世界が注目するジャパニーズ・ディスコ&ブギーを名門Mule Musiqの新レーベル、Studio Muleがコンパイル!!
Alchemistが全編和モノ使いのアルバム『Fantasy Island』を発表したり、海外のDJが和モノ・オンリーのミックスを作ったり、最近和モノに世界中から熱い視線が集まっているようで。特に1970年代、80年代の日本のニュー・ミュージックやフュージョンあたり。しかもマイナーな楽曲の方がマニアの琴線に触れるようで、英BGPや米Cultures Of Soulなど海外産和モノコンピレーションを聴くと、(よくこんな曲を知っているな)と思う反面、(メジャーでももっと良い曲があるのにな)なんて複雑な気持ちにも。そんな中、Mule Musiqのサブレーベル、Studio Muleからリリースされた和モノ・コンピレーションが本盤。さすが日本のレーベルだけあって、桑名晴子「あこがれのSundown」や、高村亜留「恋は最高」などのお馴染みの曲に混じり、かなりマニアックな楽曲もバランス良くコンパイルされています。嬉しい新発見だったのがHonma Express"What the Magic Is to Try"で、ダウナーなコーラスがやけに耳に残る、Urban Danceを彷彿とさせる硬派なテクノ・ポップ。調べてみるとFILMS初期メンバーで、のちにTPO1をプロデュースする本間柑治のユニット。なるほどと納得する反面、いやそれにしても1980年にこの楽曲というのは、驚嘆を通り越し捏造を疑ってしまうほどのレベル。1980年といえばYMOでいうと『増殖』の時期ですから、当時これを聴いていたら自分は狂喜乱舞していたと思います。アメリカはもちろん、日本の音楽も奥が深いことを思い知りました。精進します。
2
INCREDIBLE BONGO BAND - APACHE / BONGOLIA
B-Boy国歌にしてレアグルーヴ~パーティー・ブレイクビーツ・クラシック!!
同時発売されるJimmy SmithやSylversの初7インチ化ももちろん最高なのですが、ここではUBB関連盤のこちらを。本盤"Apache"は"Bongo Rock"と一緒に、Cheryl Lynn"Got to Be Real"やHerman Kelly & Life"Dance to the Drummer's Beat"といった定番曲と並んで、UBB3番(通称「アストロ・ボーイ」)に収録された定番中の定番。でもそのわりにはLP(銀やグレー、様々なヴァージョンがあります)以外の音源があるのか無いのか、12インチは?7インチは?と、古くから議論の的になっていました。21世紀になってようやくイタリア盤7インチの存在が確認された訳ですが、その時の驚きといったら。どのみち高過ぎて買えませんけど。ここ数年で"Apache"は何度か7インチ化されましたし、2016年のレコード・ストア・デイで7インチBoxセットが出たのも記憶に新しいですが、今回はなんとも愛くるしい邦盤ジャケットで。ちなみにこのグループの実態は、Michael Vinerが映画の劇伴用にスタジオ・ミュージシャンを集めた匿名性の高いバンドのようです。そして"Apache"といえば、今はなき下北沢ZOO(~SLITS)で開催されていたMicrophone Pager主催イベント、『スラムダンク・ディスコ』でのライヴ後のフリースタイル(といっても持ち歌詞でしたけど)で、DJ Go君がよく2枚使いをしていたことを思い出します。終演後にGo君が「2小節ループだから大変なんだよねぇ」とニコニコ笑っていました。"Apache"を聴くと必ずあの笑顔を思い出します。Go君、元気かなあ。
3
MAINPOINT - ALASKA WARTET
知られざるジャーマン・バンドが'80年に残したフュージョン~ジャズ・ファンク・ブギー!!
詳細は全く不明ですが、気に入ってしまったのでご紹介しておこうかと。ドイツ・ハンブルクのレコード・マニアBassoが、それだけでは物足りずに自ら作ってしまった主宰レーベル、Growing Binからの再発盤。オリジナル盤は1980年にドイツのLet's Fetz Recordsからリリースされたらしいのですが、そのレーベルからのディールはこの1枚のみ。プレス枚数が少なく、ドイツ国内のみで売り切れてしまったとのこと。例えるならハワイのLuiのプライベート・プレス盤のようなものでしょうか。メジャー資本の音楽マーケットから外れてしまって、長らく陽の目を見ることがなかった傑作が、この世にはまだまだ沢山遺されている、という好例のようなこの曲、両面ともイントロやメインにシンセサイザーを据えたところには時代を感じさせますが、曲自体は洗練されたジャズ・ファンク。ヴォーカルは白人ぽく、敢えて名付けるならブルー・アイド・ソウル・ブギーといった趣き。日本と同じく、アメリカ音楽から多大な影響を受けた(受けざるを得なかった)敗戦国、ドイツに最近シンパシーを感じています。もちろんヒップホップも盛んですし。そういえばあのHeatwaveもドイツのグループでした。
4
STONE ALLIANCE - S.T.
DJ黒田大介氏によるレーベルkickin'リリース第2弾に収録された"Sweetie-Pie"を収録!!
1992年の春、ニューミュージック・セミナーを観るためRHYMESTERの面々でサン・フランシスコに行った時の話。今もある老舗レコード店Groove Merchantで、『Out! Vol. One』という謎のコンピレーション・アルバムを見つけたのでした。名門ジャズ・レーベルSavoyを丸パクリした、灰色のジャケットにつられて購入したところ、その中に収録されていたのが、当時から今に至るまでレア盤として名高い、Stone Allianceの"Sweetie-Pie"という曲でした(そちらは2015年にKickin'から7インチ再発されています。目の付けどころが流石は黒田さん)。ちなみにGroove Merchantと縁が深い、名門再発レーベルLuv’n Haightから出た『Déjà Vu』というコンピレーション・アルバムにも収録されていますが、そちらが出たのはその翌年でした。本グループはドラム、ベース、テナー・サックスという単音トリオ編成で、個人的にはTyrone Washington"Submission"と並ぶ、最高の攻撃型ジャズ・ファンク。帰国後、さっそく意気揚々とサンプリングして曲を作ったのですが、その曲がRHYMESTERの1st.アルバムに収録されたことを、先日たまたま下北沢のハリハラで聴いて急に思い出したのでした。「笑うな」というタイトルの曲です。
5
MAIN SOURCE - BREAKING ATOMS – 25TH ANNIVERSARY EDITION
リリース25周年を記念したアニヴァーサリー・エディション!!
発売25周年ではなく27周年な気がしなくもないですが、この素晴らしいアルバムを前にしては、そんな細かいことはどうでもよいわけで。内容といいジャケットといい、ヒップホップ史上屈指の名アルバムではないかと思います。何度聴いたか分からないほど聴き倒しました。もちろんテープで。デビュー前のNasの客演も象徴的ですが、なんといってもLarge Professorのトラック・メイキングは神がかっていて、SP1200から次にどんな音が出てくるのかワクワクさせる音の万華鏡のような音作りはカラフルなジャケット・デザインとの親和性が素晴らしいな、と。ただ、惜しむらくは当時のマスタリングで、どうも低音部に物足りなさを感じていました。良くも悪くもチャカチャカとした、まとまりに欠けた音に感じてしまったわけです。それでも十分に痺れましたけど。さてそんな名盤が本人たち監修のリマスタリングのもとでどのように生まれ変わっているのか、実に楽しみ。ぜひ2枚組LP化を希望するところですが、しばらくはCDで我慢するしかなさそうです。
Dr.Looper Chart
2020-03-15
2020-02-08
2020-01-20
2019-12-07
2019-11-06
2019-10-07
2019-09-03
2019-08-06
2019-07-04
2019-06-03
2019-05-01
2019-04-04
2019-03-04
2019-02-02
2019-01-07
2018-11-29
2018-11-02
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