レコードストア・デイ 2019 - [2019-04-18]

US本家誕生から今年で12年目を迎えるRECORD STORE DAY。JET SETは5月3日に21周年を迎えます。

このイベントも当店で行い始めた9年前は「なにそれ?」的な反応が当たり前で、アメリカで行われているそのイベントを知るお客様もアーティストもごくわずかのかなりの早耳の方達のみでした。開店前の店に行列ができ始めたのは2013年。忘れもしない、直前に小西さんのインタビューで私がこのイベントを紹介して「きっと今年からは行列ができますよ」と話し、まさにその通りになった時には感無量でした。

その後、TV地上波の取材まで入るようになったのはよかったのですが、巨大資本傘下のCDチェーンが販路の中心になってからは、もう「レコード店」のイベントと言うにはいささか怪しくなってきました。でも、イベント当日ともなればそんな売り手側の勝手なモヤモヤも吹っ飛ぶようなお客様の熱気と首尾よくお宝をゲットしたえびす顔、インストアイベントには自らもレコードユーザーであるアーティストが華を添えます。

当日お越しいただいたお客様、出演していただいたアーティストの皆様、本当にありがとうございました。

text by KCMT(CEO)

 

 

 

 

 

 

4月13日 京都店 『RECORD STORE DAY2019』

14:00 【DJ】浦朋恵
15:00 【DJ】キングジョー
16:00 【DJ】DJ JUNIA
17:00 【DJ】Roy Comanchero
18:00 【DJ】金澤寿和
19:00 【DJ】DJ BugsBunny

※京都店ではRECORD STORE DAY x TECHNICSタイアップ企画として、5月24日に発売されるDJターンテーブル名機「SL-1200」シリーズの新機種「Technics SL-1200MK7」がインストア・イベントにて使用されました。

 

浦朋恵

トップバッターを務めて頂いたのはバリトン・サックス奏者、作曲家(ときどき歌手)として活動しつつ、大阪ミナミで飲み屋を経営、肉コラムニストとしても雑誌や関西の某番組にも度々登場、FMラジオのパーソナリティーとしても活躍し、大忙しの浦さん!2年前のRSD2017には都合により出演できませんでしたが、今回はリベンジということでスケジュールの合間をぬってお越しいただきました!ご機嫌なラテン・ナンバーからスタートし、甘茶ソウル〜Dr Dreのスティール・パン・カヴァーやBarry Whiteレゲー・カヴァーなどを交えめっちゃ最高でした!

 

キングジョー

バトンタッチしたのは浦さんとも親交の深いDJ/イラストレーターのキングジョーさん!JET SET京都店でのRSDインストア・イベントは今回で7年連続になりました!今回も今年のRSD限定盤を熱心にディグ!サイケな和モノ〜ECD〜購入して頂いたRSD限定盤Freedomの"Get Up Dance"やKick A Showの"Just The Two of Us"などで盛り上げ、ラストは某Xのあの名曲!


DJ JUNIA

続いてはJET SET京都店の真上7FにあるCINEMATIK SALOONのオーナー/マスターのDJ JUNIAさん!CINEMATIK SALOONでも頻繁にライブやイベントを開催し、ご本人もEGO-WRAPPIN’のライブ等でDJを務めるなど沢山のミュージシャンから信頼を得る存在。JET SETにも足繁く通われて新作もチェックされます!"空間演出選曲家"の異名を持ち、ジャンルや年代にとらわれない超クロスオーバーな選曲、ノスタルジックなようで現代的に緩やかに繋いでいく耳触りの良い展開と、出音のバランスを大切にした引き算の美学!その美学が集約されたCINEMATIK SALOONも是非おススメします!

 

Roy Comanchero

そして、海外からの支持も厚い、ワールドワイドなリリースを行う、Roy Comancheroさんが登場!ドリーミーな世界観をキープしつつ、バレアリック〜ニューエイジ、イタロディスコまでをセレクト!まるでビーチ・ラウンジにいるような、ラグジュアリーなバカンス感じる見事なプレイでした!

 

金澤寿和

続きまして、邦・洋ライトメロウ・シリーズなど、コンピレーションCDの監修・選曲を多数手掛け、近年のジャパニーズ・シティポップ人気の火種となった和モノ・ディスク・ガイド「Light Mellow 和モノ」が当店でもロングセラーとなっている音楽ライターの金澤寿和さん!今回はα-Station生出演〜タワーレコード京都店でのトークショーを終え休む間もなくお越しくださりました!笠井紀美子、稲村一志、高橋ユキヒロ、山下達郎、吉田美奈子〜今回のRSD限定盤AMANE TRILLやDaisukeなど新旧の和モノAOR/シティポップを織り交ぜる流石の選曲でとても気持ちの良いDJでした!

 

DJ BugsBunny

京都店のRSDインストア・イベントのラストは、DJ BugsBunny!中国四川省出身の彼は音楽の勉強とレコードを買うために日本語学校に留学中。お店にも週に何度も来店し、DJ活動も活発に行う注目株!ファンク、ディスコ、レアグルーブなど7インチ2枚使いでガシガシ繋ぎ、終了時間を超えてご機嫌にプレイしてくれました!

 

4月14日 下北沢店『RECORD STORE DAY Plus』

14:30【DJ】入岡佑樹 (Super VHS)
15:30【ミニライヴ】中野陽介 (Emerald)
16:00【DJ】Mars89
17:00【DJ】DJ MINOYAMA
18:00【ミニライヴ】アマネトリル
18:30【DJ】MURO
19:30【ミニライヴ】西新宿パンティーズ
19:50【DJ】8ronix

 

入岡佑樹 (Super VHS)

今年のインストア・イベントのトップバッターは、先日7インチ・シングルを発売されたばかりのユニット、Super VHSのフロントマン入岡佑樹さん。DJ/和モノ・コレクターでもある入岡さんが繰り出す、(え、こんな日本語カヴァーがあったのか・・・)的な選曲に、お客さんのみならず思わずスタッフまでDJブースに駆け寄る一幕も。


中野陽介 (Emerald)

Super VHS入岡さんのセンスが光るDJプレイに続いて登場されたのが、5月にアナログ7インチ・シングル『ムーンライト』をリリース予定のEmeraldから、中野陽介さん(Vo., G.)。この日は中野さんのソロによるアコースティック・ミニ・ライブだったのですが、中野さんの呼び込みからEmeraldのサポート・メンバーのまっつんさん(Sax)が飛び入り参加、中野さんの透き通った歌声と、まっつんさんによるサックスのブロウが溶け合う、とても素敵な時間帯となりました。


Mars89

続いてのDJは、Growing Pains 2018S/SやUNDERCOVER 2019A/Wのショーへの楽曲提供や、UKブリストルのNoods Radioでのレジデント、そして当JET SETオンライン・ショップでもDJチャートをご担当頂いているMars89さん。普段のDJでは最新譜のデジタル音源が中心のプレイで知られるMarsさんですが、この日は全てアナログ・レコードのみのセットでご参加頂きました。Marsさんの普段の選曲や制作の根底に流れるものを垣間見る、ニューウェイヴ〜ポストパンク〜ダブ〜レゲエ縦断型のセレクト。痺れました。


DJ MINOYAMA

続いてはセルフ・レーベルThrow Back主宰、数々のミックスCDやロングラン・パーティー『CLAEN UP』でもおなじみの、横浜のベテランDJ MINOYAMAさんが登場。普段ヒップホップのDJに馴染みのないお客さんにも、その凄さやいぶし銀の魅力が十分に伝わるセレクトとミックスで、店内の空気をドラマチックに染め上げていきます。リズミカルに首を振りながら、壁面のRSDリリースを隅々までチェックされるお客さんの姿もチラホラと。


アマネトリル

Mars89さんとDJ MINIYAMAさんによる2時間のDJタイムを経て登場されたのは、リミキサーT-Grooveさんを迎えたRSD2019限定7インチ・シングル、『FEELING YOU』をリリースされたばかりのアマネトリルのお2人。この日はエレキ1本アコギ1本のミニマム編成で、前述の『FEELING YOU』を中心に数曲を披露してくださいました。お2人による伸びやかなコーラスが店内に響き渡るころ、窓の外はすっかり暗くなってまいりました。


MURO

アマネトリルさんのミニ・ライヴの後は、ご存じ「King Of Diggin'」ことMUROさん。普段からお子さん(ノノちゃん)の幼稚園の送迎がてら当店にはよくお立ち寄り頂いていますが、この日はノノちゃんもカウンター内に入り、親子でインストアDJをして頂きました。(ノノちゃんはパパの後ろでお絵描き)。中古盤は元より新譜のチェック具合も人並みはずれているMUROさんだけあって、普段のDJ営業ではあまりプレイしないような新譜のビート物を投下してみたりと、比較的攻めた選曲でした。一曲ミックスし終わるたびに後ろを振り返って娘さんと微笑み合う様子を見て、スタッフからも思わず笑顔がこぼれました。

 

西新宿パンティーズ

MUROさんのDJの時間帯あたりから、店内はほぼ満員に。続いては何かと話題を呼んでいる西新宿パンティーズさんのライヴです。頭からパンティーを被ったMCくんに君、SNOOPバタ子さん、あでぃぽいさんのメンバー3人が、ここでは書けないような下ネタ全開の煽りをぶちかましつつ、店内のお客さんに向かってパンツを投げたり配ったりしながらライヴがスタート。5月にアナログ7インチ・シングルとしてリリースが予定されている新曲「STANDARD」や、カップリングで収録予定の「君に壁ドン part.2 (feat.豆尖)」などを中心に、代表曲数曲を披露してくださいました。

 

8ronix

今年の下北沢店インストア・イベント、『RSD Plus 2019』のトリを務めて頂いたのは、自身の新作も制作中のDJ/トラックメイカー/サウンド・エンジニアで、上述の西新宿パンティーズの新曲「STANDARD」のプロデューサーでもある、スタジオBullpen lab.の8ronixさん。元々下北沢生まれで、幼少の頃から一番街商店街のお店によく通っていた彼ですが、「自分が再び生まれ育った下北沢のレコード屋さんに、自分がDJとして立っているのは感慨深い」とのことで、弊社制作リリースでもある「TVアニメ魔神英雄伝ワタルのOPテーマ」なども織り交ぜつつ、最後までじっくりと盛り上げてくださいました。