なかの綾 / はせはじむ : 白熱教室。 - 第三回 [2015-05-15]

はせ)さあ、ジャパレゲですよ!綾さん、好きでしょ。

 


綾)やった~!!!こう暖かくなってくると、やはり聞きたくなりますね。

 


はせ)はい、でもちょっとテイストが違うかもしれませんけど...
行ってみましょう。
今回取り上げるのはダンスホール以前、レゲエが「レガエ」と表記されていた頃から80年初頭まで、そんな時期の名曲を。
なので、80年代後半からの「コッチ側」の方々の演奏する"REGGAE"、"LOVERS ROCK"は無し。「渚のアンラッキーボーイズ」とか。
あ、はっぴいえんどやサディスティックス周辺、小坂忠、久保田麻琴と夕焼け楽団、ジョー山中、サザン・オールスターズなど、皆さんご存知、言わずもがなのレコードも今回は無しです。

 


綾)お、おう。生まれる前の物ですか。
私が聞いてるのはBoogie Man以降ですから、新しい出会い!
楽しみです!

 


はせ)Boogie Man、あいかわらず良い感じですね(笑)。
このコラムも書きがいがあるというモノです。
ではまず早速。
この前お亡くなりになられたジョニー大倉さん、ボクもレコーディングでお世話になりましたが、ジョニーさんもやってます。
が...
この曲は名前はレゲエですが曲調はニューオリンズ、Huey Smith、というよりもJohnny Riversの”Rockin' Pneumonia"を参考にしてるロックンロール。
ジャパレゲ特集と言いながら、いきなりレゲエじゃない、というところもこのコラムの良いところです。
アルバム『Johnny Cool』から「ヘイ・レゲェ・ブギ・ウギ」。

 

 

 

綾)あ~。思わずニヤケてしまうくらい好きです。
なんとも言えないこのピアノリフやノリ!
好きなのよ。好きなんですけどね、
どこら辺がレゲエなのか、1ミリも伝わってきません先生!
はせ)ですね、全くレゲエじゃないですからね。

はせ)キャロルつながりでいけば当然この曲、内海利勝「レゲェレゲェ天国」。
アルバム『GEMINI』は、そのジャケットがまるでホルヘ・サンタナを彷彿とさせる名盤ですが、そこに含まれているこの曲、惜しむらくは全編英語詞という点なんですけれど、それを吹き飛ばす出来、と申せましょう。
バッキングは、マジもんのCimarons。
お互いどういう接点でこういうことになったのか、きちんと把握していた人はいたんでしょうか?(笑)。
ともかく素晴らしい「レガエ」になっております。
7インチは「鏡の中の俺」のB面。
 
綾)どうなって、こうなったんでしょうか?
としかイイヨウガナイ。。。

はせ)ここで、ダブ名盤を。
ペッカーさんがジャマイカに渡って録音、Augustus Pablo、Rico、Sly Dunbar、名うてが参加したモノホンのダブ、ペッカー『ペッカーパワー』。
以前、ペッカーさんご本人と話したら、「この当時のスラロビはスゴい売れっ子で、俺の後には『Ian DuryやMarianne Faithfullをやらなきゃいけないし、忙しっくって』とぼやいてた」とのこと。
時代的にニューウェイブな匂いを感じるこの盤、MUTE BEAT以前ですからね、スゴいことです。

 

 

 

綾)不思議な空気感!なんだか不気味でさえありますね。


トラック自体は今聴いても古くないし、とても正統派なのに。


夢に出て来そう。

 

 

 

はせ)スラロビつながりでこれも行っときましょう。

 

 

 

はせ)本場ジャマイカに渡って録音したと言えばコレも名盤、豊田勇造『血を超えて愛し合えたら』。

 

 

 

 

はせ)早過ぎた盤、といえるこのレコード、内容も素晴らしい。


あの名門Tuff Gong Studioでの録音。


フォーク~ブルースの流れを感じるヴォーカルもまた良し。


「土の匂い」繋がりですかね。

 


綾)ジャケットもカッコイイ!


しかもアングラ感がスゴいですね。

 


はせ)でしょう。


っぽいので言えば、根津甚八『火男』なんかもLP一枚を通して素晴らしい「レガエ」風アルバム。


チト河内のプロデュースが冴える名盤です。

 

 

 

 

はせ)他にも例えば、関西フォーク出身の西岡恭蔵にも「レガエ」を感じさせる曲がありますが、リズムが少し違ったり。


「ジャマイカ・ラブ」という題名から「レゲエかな?」と買うとカリプソだったリが多いんですが(それもスゴく良い曲ですが)。


バックビートを強調してるものだと「燃えるキングストン」とかかな。

 

 

 

 

綾)先生...


相変わらず隙間ばっかり、重箱の隅をつつくような話が矢継ぎ早で、最早”レガエ”の定義すらわからなくなってきましたよ。

 

 

 

 

はせ)ついて来て下さいね!


次!


見事な血筋を残しておられているジョニー吉長がメンバーのイエロー。


日比谷野音のライヴ盤からイエロー「うつむいてばかり」を。

 

 

 

 

綾)あ、やっと少しずつ慣れた空気に近づいてきました。


良い感じ、これは解る。


なんかホッとしますね(笑)。

 

 

 

 

はせ)最近教えてもらったアルバム、清須邦義『優しきまわり道』から「九十九折りの坂道」もぜひ聴いて欲しい曲。


試聴などはありませんが、フォーキーな、なんというか、さとう宗幸チックなアルバムなんですけど、この曲はなぜか"Message To You Rudy"なんです。


手頃な値段で転がってると思いますので、お好きな方は探してみる事をお勧めします。

 

 

 

 

はせ)どんどん行きましょう、ラヴァーズ歌謡を2曲。


レイド・バック感がなんとも言えない、クリスタル・キング「初夏の忘れもの」。


中古レコ屋なら100円ですが、こんな曲、良くない?

 

 

 

 

綾)おぉ!

クリキン!
こんな曲もやってるんだ、、、


これで100円は確かにお得ですね!

 


はせ)ね。
こういう曲を探すのも楽しいです。で、もう1曲。


アルバムの中には結構色々なカバーが入っていて見逃せない当時のアイドルNo1、あいざき進也。


この「愛の舟」は、メロウなラバーズ歌謡。


これまた中古レコ屋では100円。


結論、値段ではない。


ここから聴けます ⇒ https://itunes.apple.com/jp/album/best-of-shinya/id164362963

 


綾)アイドル歌謡なのに、バッキングがきちんと低音を効かせているかどうかで、こうもイメージが変わるもんなんですね。


ちゃんとレゲエだ...

 

はせ)でしょう?


本格的にラバーズしてます。


あと、曲自体がとても良い。

 

 

 

 

はせ)テイストがちょっと違いますが、80年当時は、The Clash経由で日本のロックバンドも色々ロッキンなレゲエをやってます。


当然、Mikey Dreadが関わったアナーキー『亜無亜危異 都市』なんかはその典型ですが。

 

 

 

 

その他にもコレとか。

 

 

 

 

いまだにアンセムなこの名曲!

 

 

 

 

綾)いいですね~。

鉄板のコード進行!
若き血潮が踊る曲たち。

 


はせ)と、まぁともかく、大量のレゲエ歌謡が日本には存在するので、このお題なら永遠に続けられますが(笑)。


綾さんいかがでした?

 


綾)”ジャパレゲ”と”レゲエ歌謡”。似て非なるものですね~。


源流は同じはずなんだけども。


どんなジャンルにも言えるんだけど、
音の聞き方、解釈、そして作り方で全然変わるし、


そこがまた音楽の面白さでもありますね!

 


はせ)はい、と、キレイに決まった所でお開きにしましょう。


綾さんも、そろそろオリジナルを製作中だし、一発こういうのやりましょうかね?

 


綾)うん、レゲエやりたい!


是非やりましょうよ!

 


はせ)というか、今気付いたんですが、今回はJET SETで発売中の音源とのリンクが1つもなかった、という、大人にあるまじき勝手ぶりを発揮してしまいましたことを、

この場をお借りしてお詫び申し上げます。

 


綾)ホントですよ先生!


大人には暗黙の了解っていうものがあるんですから!

 


はせ)スミマセン。


では最後っ屁として一枚。


ジャケのインパクトで選んでみました。


さよなら。

 

 

「北大路欣也/風のバラード」