SEKITOVA : Techno - [2018-12-20]

[Profile]

大阪、1995年元旦生まれのDJ/プロデューサー。生まれる前からJoey BeltramやDave Angelを胎教に、様々なエレクトロニック・ミュージックに触れ合ってきた、文字通りの第二世代。テクノ以外にも様々な音楽に影響を受け、「テクノはジャンルではなくそれと向き合う姿勢のこと」を胸に、時に細々としたジャンルの壁を越えていく事もいとわないストーリー重視のDJ。2013年、「BIG BEACH FESTIVAL 13」のメインステージへの出演を皮切りに、ageHaのモンスター・テクノ・パーティ「CLASH」へも度々招集され、2014年には自身の初オーガナイズ・パーティーと連動する形で、宇川直宏主宰の「Dommune」にて3時間SEKITOVAオンリー番組もオンエアされ話題に。2016年、「Clubberria Podcast」に提供したミックス『CB 276』では、その世界観の一片を垣間みることができると好評を博す。その他「ULTRA JAPAN」の第14回、第16回、「WIRED CLASH」、「EDC '17」、「Boiler Room」などへ出演。地元大阪でもClub Jouleにて『TESLA』を主催し、Licaxxxとのツーマン・パーティも好評を集めた。

トラック・メイキングの方では、2012年12月5日に初アルバム『Premature Moon And The Shooting Star』を自主レーベルよりリリースすると、砂原好徳やDJ Sodeyamaらを皮切りに数々のトップ・アーティストから支持される。iTunes Storeではエレクトロニック部門でトップ10入りを果たし、『ミュージック・マガジン』が選ぶ2013年ベスト・チャートのテクノ、ハウス、ブレイク・ビーツ部門で6位入選。これが制作面でのキャリアの船出となり、その後リリースした楽曲は軒並みチャート・インを記録する。2015年はセイコーウォッチ社のプライベート・ブランドGALANTEの10周年記念キャンペーンで音楽をプロデュースすると、森高千里をフィーチャーしたオリジナル・トラック"Foetus Traum"を、寺田創一「百見顔」とのスプリットでリリース。2017年には京都Metroでの石野卓球とのツーマン・パーティーに併せて、Takkyu Ishino"Lunatique (SEKITOVA Remix)"をSoundcloudにて発表。その翌週にAnimal Hackの楽曲"Moment"のリミックスが発表されると、アルバム・チャート最高13位にランクインした。2018年は2年ぶりとなるオリジナル・シングル"Escape"と、Boom Boom Satelitesの中野雅之が手がけるシンガーXaiの楽曲であり、2017年公開の映画『GODZILLA 怪獣惑星』のテーマ・ソングでもある"White Out"のリミックスを立て続けにリリース。

『エレキング』編集長の野田努からは「日本クラブ文化の未来の明るい星」と評されるなど、すでにシーンにおいてかかせないパーツの1人となっている。

 

 

1. 中村佳穂 / Ainou (Space Shower Music) CD
ほんまか!!やりやがったな!!!どこかにふっと一瞬ただようエスニカルな感じは個人的に「おおたか静流」か「高木正勝に女性の声帯がついていたら...というif世界」がオーバーラップしてくるんですが、やはりI KNOWではなくAINOUであるとおり、覚悟を持った「日本語のうた」であることが、”今”に遅れをとらないグローバルなアンサンブルの上で強烈な個性となって(まったく悪さなく)主張してくる最強のポイントですね。しっかり上品にまとまってはいるんですが、なにかのフォロワーとした雰囲気で無難にまとまるというありがちな感じもなくて、肌感がありありと伝わってくる大傑作です。ホントに大好き! こういうの、自分でつくってみようとするたびに挫折するんだよな...。

AINOU

中村佳穂 - AINOU

京都出身のアーティスト、中村佳穂、シーンのネクストスタンダードと成りえる、待望のフルアルバム。

CD |  ¥3,080 |  SPACE SHOWER MUSIC (JPN)  |  2018-12-20  | 

 

 

 

 

 

 

 

2. DJ Koze / Knock Knock(Pampa) 2LP+7"+MP3
Hip Hopカルチャーに出自を持つStefanが空想する世界はまさにサンプリングが出発点になっていて、それが彼の成功とともにドンドン発展したらこうなりました!という、気持ち的にさきほどの中村佳穂と対で並べたくなる作品です。一見荒唐無稽でバカバカしく見えるけど、彼のファンタジーはリゾームで、実は地下に隠れた根元で全て繋がってるんですよね。前作では「自分と自分の外」の世界から、エモーショナルなエナジーが体を駆け巡って、そしてふっと一歩だけ外の世界と邂逅するという感じがしたんですが、本作ではその主人公が堂々と世界の面白味をKnock Knockして回るような前進性を感じます。

KNOCK KNOCK (2LP+7"+MP3)

DJ KOZE - KNOCK KNOCK (2LP+7"+MP3)

Bon Iver、Jose Gonzalezら参加。フォーク、ヒップホップの手法を消化した大傑作!!

2LP+7" |  ¥3,700 |  PAMPA (GER)  |  2019-01-11 [再]  | 

 

 

 

 

 

 

 

3. Mitski / Be The Cowboy (Dead Oceans) LP
1曲目に収録されている"Geyser"がシングルで出た時にぶったまげたは良いものの、夏に出たこのアルバムを聴いたのはこの冬になってからで、そしてまた遅れてぶっ飛んだという...。時代性という意味ではこのアルバムが一番2018年を象徴してるかもしれないですね。彼女のストレートなボーカルラインの裏でそのエナジーを支えているバックバンドの秀逸なアレンジはしっかりとした技巧を凝らしているのに捻くれてるわけでもないし難解なわけでもない、ポップスとして完成されたバランス感。シンセの使い方なんかもしっかりと現代特にNetflix以降の息吹を感じるわけですが、その隙間を埋めるように叫ぶノイジーなサウンドに強く二本足で地を踏みしめるMitskiの矜持を禁じ得ません。

BE THE COWBOY

MITSKI - BE THE COWBOY

大名曲"Nobody"を含む2018年リリースの5th.フル・アルバム!!

LP |  ¥3,450 |  DEAD OCEANS (USA)  |  2023-12-11 [再]  | 

 

 

 

 

 

 

 

4. David August / D'Angelo ([Pias] Cooperative) LP
しばらくの活動休止から戻ってきた彼のサウンドはより叙述的、そしてエキセントリックになって、多くの制約を振り払った至極の作品になりました。実は彼は今年もう一作『DCXXXIX A.C.』というアルバムを出しているんですが、こちらはより自由なアンビエント/ドローン的発想の作品になっていたので、だいぶ羽根を伸ばしたなぁという印象でした。自分としても去年はアンビエント的なモードで、今年はそこからどう還俗するかみたいな感覚だったので、彼の動向についてもかなりワクワクしていたのですが、それがこのアルバムに結実したのだと思うと感慨深いです。最高!

D'ANGELO

DAVID AUGUST - D'ANGELO

ハンブルグの敏腕テックハウサーによるエクスペリメンタル/アンビエントワールド、新境地!

LP |  ¥4,200 |  [PIAS] COOPERATIVE (UK)  |  2019-04-20  | 

 

 

 

 

 

 

 

5. Amen Dunes / Freedom (Sacred Bones) LP
ニューヨークからいざッ! お恥ずかしながら彼のことは今作で初めて知ったんですが、2014年作の『Love』共々素晴らしいですね。インディーロック界隈に流れるサイケデリックのうねりを洗練された技術力でしっかりとまとめあげています。特有のヨレの美学みたいな心地よかったスモーキーさも最近ではけむに巻きたくなるくらいには食傷気味だった中で、このボーカルのヨレ方...。あくまで肩の力を抜きつつもここまでの凄みを出してこれる圧倒的な支配力、語彙力がなくて申し訳ないんですが、本当に洗練ということばがぴったりですね。

FREEDOM

AMEN DUNES - FREEDOM

ブルックリンを拠点にするシンガー、Damon McMahonのソロ・プロジェクト。

LP |  ¥2,300 |  SACRED BONES (USA)  | 

 

 

 

 

 

 

 

6. Sophie / Oil Of Every Pearl’s Un-Insides (Transgressive) LP
ものすごく神々しいんですよね。ともすればやりすぎやぞってくらいに。でもそれってクラシカル作品群が持つ様な神々しさとはまた質が違ってて、こういう攻撃的でシンセシスなサウンドとアルバムコンセプトが大きく確かな背骨となって人間性を押し出している上での神々しさというか、間違いなくここに人間がいるぞって感じがしますね。だから5曲目を除いてわかりやすさのバランスは難しいとこにあると思うんですけど、これは間違いなくポピュラーミュージックなんですよね。だいぶアバウトですが、そういうことです。

OIL OF EVERY PEARL'S UN-INSIDES

SOPHIE - OIL OF EVERY PEARL'S UN-INSIDES

次世代エレクトロニック・アヴァン・ポップ最先端アクトによる激傑作がLPリリース!!

LP |  ¥4,200 |  TRANSGRESSIVE (UK)  |  2019-01-07  | 

 

 

 

 

 

 

 

7. Sen Morimoto / Cannonball! (Sooper) LP
いや~これはえぐいっすよ。ふざけてるしかっこいいししっかりしてるしでもやっぱふざけてるし...。Dirty Projectorsとも比較される緻密さですが、やはりそこに関しては素晴らしいプロダクションというほかなく、ジャケットにもあるようなナンセンスさが表すこの世界観の奇妙さをしっかり支えるサウンドレイヤーの積み上げ方にこのアルバム特有の気怠さの迫力の真相が詰まってると思います。おもちゃ箱をひっくり返す人は多いですが、おもちゃ箱ひっくり返し界隈の中でも特に彼はおもちゃ箱そのものな感じがしますね。

CANNONBALL!

SEN MORIMOTO - CANNONBALL!

衝撃を呼んだオルタナティヴ・ヒップホップ~R&Bアーティストのデビュー作!!

LP |  ¥3,050 |  SOOPER (USA)  | 

 

 

 

 

 

 

 

8. Benoit B / Japonaiserie (Berceuse Heroique) LP
LP、アルバム尺でシンプルに今年一番聴いた作品です。かっちりしつつもエキゾチックな夢見サウンドはタイトル通り日本のニューエイジ群からインスパイアされたかぐわしい響き。僕らとしては映画や幼少期のゲームのサントラの趣があるので、もうこういうモジュールものが好きなのはしょうがなくて、出会ってしまったが最後なんですよね。

JAPONAISERIE

BENOIT B - JAPONAISERIE

既に配給元もソールドアウトの逸品につきお早めに!!

LP |  ¥1,850 |  BERCEUSE HEROIQUE (UAE)  |  2018-03-11  | 

 

 

 

 

 

 

 

9. Connan Mockasin / Jassbusters (Mexican Summer) LP
こちらもひたすらゆるく、netflix以降のタイムゾーンな感じがする例の人、Connan Mockasinのニューアルバム。ソフトサイケの中でも象徴的な一人として今年はMac DeMarcoのフジロック公演にも客演として参加していましたが、その時のステージ演出でもリビング感は大事にされていて、そこと共通するものがあります。驚きやエキサイトできる部分はこの作品にはあまりなくて、先進性という意味ではベストに入らない人も多いかと存じますが、こういう普遍的で特別でない感覚に対しても工業品ではない私的な形で寄り添うこと自体が、本来人間として大事な営みの一つだと思っていて、そこにフォーカスを向けた作品として、そして自分自身のなんでもない瞬間の傍にあった作品としてここに並べておきます。

JASSBUSTERS (LIMITED EDITION)

CONNAN MOCKASIN - JASSBUSTERS (LIMITED EDITION)

超待望のサード・アルバムはMexican Summerに復帰してのリリース!!

LP |  ¥2,750 |  MEXICAN SUMMER (USA)  |  2018-12-08 [再]  | 

 

 

 

 

 

 

 

10. Eartheater / Irisiri (PAN) 2LP
なんかここまでくると何周も回りすぎて真面目にやってるのかふざけてやってるのか一番わからない感じですよね。厳かな雰囲気をまといながら、ナンセンスな世界観の中でどこかからどこかへといったりきたり、行くのかい行かんのかい行かんとおもったら行くんかい...って。緻密なのかどうかはわからないけど、でも乱暴ってわけでもないんですよね。丁寧。コラージュ的なんだけどコラージュっぽい暴力性はあんまりなく、でも好奇心に溢れていて、コンテンポラリーな(それこそ)Diyによって成り立ってる、個性が際立つ作品です。彼女と同じNyといえばAltopaloのFrozenthereもこちらとはまた違うアプローチで色々な要素が融合していてめちゃくちゃよかった。NYからは最近面白いアーティストがたく さんでてるのでまた期待できそうですね。

IRISIRI

EARTHEATER - IRISIRI

強烈なセンスと音響構築に鳥肌確実。気鋭Moor Motherも参加した新奇的ポップ作!!

LP |  ¥2,900 |  PAN (GER)  |  2020-02-03 [再]  |