Natsuki (Luby Sparks) : Japanese Pop - [2018-12-20]
[Profile]
Luby Sparks
Natsuki(ba/vo)、Erika(vo)、Sunao(gt)、Tamio(gt)、Shin(dr)の現役大学生5名によって、2016年3月結成。結成から3回目のライヴでThe Bilinda Butchers(US)、Manic Sheep(台湾)のダブル来日公演に出演。同月、1stカセットシングル"Pop. 1979"をリリースし即完売。2017年7月には、UK/Derbyshireでのフェス"Indietracks Festival 2017"に日本のバンドとして唯一出演。同年10月、YUCK(UK)とのスプリット・カセット"Yuck / Luby Sparks"をリリース。2018年1月24日、Max Bloom(Yuck/ex.Cajun Dance Party)と全編ロンドンで制作したデビューアルバム『Luby Sparks』を発売。2018年2月末で初代ヴォーカリストEmilyが脱退、新たにErikaが加入。2018年11月07日、4曲入りの新作"(I'm) Lost in Sadness"のリリースが決定。これまでにThe Vaccines(UK)、Yuck(UK)、The Pains of Being Pure at Heart(US)、TOPS(CA)、Hazel English(AUS)、Babaganouj(AUS)など、海外アーティストの来日公演のフロント・アクトも数多く務めている。
1. Arctic Monkeys / Tranquility Base Hotel & Casino (Domino) LP
ロックバンドは同じ事をやり続けるか、新しい事に挑戦し続けるかのどちらかだ。彼らは60~70年代へタイムスリップする事で後者になった。激しいギターは影を潜め、メロウなピアノが基盤を作り、昔のスパイ映画みたいなパーカッションが怪しい雰囲気を醸し出す、キューブリック作品を思わせる世界観。語りかけてくるメロディー、繰り返される転調、テクノロジー批判、懐古主義とも取れるアレックスの詞世界、時代錯誤なこのサウンドがヒットチャートに並ぶその姿は滑稽だった。それもまた彼らの狙いかもしれない。21世紀最高峰のコンセプトアルバム。
ARCTIC MONKEYS - TRANQUILITY BASE HOTEL & CASINO
全世界で500万枚以上のセールスを記録した『AM』に続く、通算6枚目のアルバム!!
2. Anna Calvi / Hunter (Domino) LP
"自分が男か女なんて選びたくない"と語る彼女、その言葉通りジェンダーをテーマにしたドキッとするタイトルも多い。シンプルなバンド構成、自身が演奏したソリッドなギターリフ、ストイックなリズム隊、そして怒りを叫んでいるかのような伸びのある力強い歌声、歌が前面に出るようなミックスからも強い意思表示や本作で表現する事への決意を感じる。PJ Harveyにも続く強烈な歌。確固たる主張を持った女性の歌はいつの時代も人々の心に訴えかけてくる。
ANNA CALVI - HUNTER (RED COLOURED VINYL)
限定レッド・カラー・ヴァイナル・エディション!!
3. 踊ってばかりの国 / 君のために生きていくね (ツクモガミ) CD
下津光史の歌を聴くと、日本語の言葉の力強さと繊細さを思い知らされる。抽象的な言葉繋ぎでも彼の揺れるメロディーに乗せると、耳に勝手に飛び込んでくる単語ひとつひとつが優しくて破壊的でインパクトがある事に気付く。現メンバーのラインナップも彼ら史上最も良いバランス。鋭くて不安定なディストーションギター、浮遊感溢れるドリーミーなアルペジオギター、対極的なギタリスト2人がヘッドホンのLRで織り成すスリリングなアンサンブルも心地良い。音源なのにライブのような音の熱が詰まった作品。
4. Let's Eat Grandma / I'm All Ears (Transgressive) LP
イギリスのティーンエイジャー2人組デュオ。唯一無二だと思われたエクスペリメンタルなエレポップを展開したGrimes、そんな彼女の音楽に憧れて育ってしまったような女の子達が現れた。ヘヴィーなキックとベースに、実験的でダークなシンセサウンド、そこへ2人のキュートな歌声が乗っかるという一歩間違えれば乖離してしまいそうなアンバランスさが見事にフィット。テクノからトリップポップまで取り込んだ、新世代の新たなポップスが誕生。
LET'S EAT GRANDMA - I'M ALL EARS
Sophie、Faris Badwanがプロデュース参加した激推薦作!!
5. Holy Motors / Slow Sundown (Wharf Cat) LP
エストニアの5人組ダーク・サイケバンド。ムーディーな雰囲気漂うスローなドラムと乾いたギターのリヴァーヴ具合はデヴィッド・リンチの『ツインピークス』の世界を想起させる。モデルとしても活動するアンニュイな紅一点ボーカルが陰鬱なメロディーを気怠く歌う、ブルージーなコード進行も相まってまさにツインピークスのロードハウスで演奏するJulee Cruiseのよう。美学の貫かれたシネマティックな音像はいい意味で2018年とは思えない。
HOLY MOTORS - SLOW SUNDOWN
MerchandiseのCarson Coxがプロデュースを手がけたデビュー・アルバム。
6. Jan And Naomi / Fracture (Cutting Edge) CD
これまで以上に打ち込みにピアノといった音が前面に出され、ただの"静かなフォーク"ではなくなった。繊細なピアノやギターが紡ぐ切ないコード進行、naomiの美しいファルセットとjanの鼓膜に響くハスキーな歌声がロマンチックな世界を作る。無駄な音がそぎ落とされ緻密に設計されたミニマルかつドリーミーなサウンドスケープ、時に遠くで鳴るノイズや不穏なベースラインが現れ彼らの狂気的な側面もちらつかせる。90年代のスローコアからThe xxにも続く、"静かなる衝撃"を体現できる数少ないアーティスト。
JAN AND NAOMI - FRACTURE
美しく静けさを纏ったメロディはもはや狂気。遂にファースト・フル・アルバムが完成です!!
7. Tanukichan / Sundays (Company) LP
まさかのToro Y Moiプロデュースのドリームポップ女性SSW。気怠く歌われる旋律とレトロなシンセサイザーがエヴァーグリーンな空間を作り出し、時折ファジーなギターが顔をのぞかせる。00年代以降のインディーポップの流れも汲んだメロディーだがそのサウンドには総じて90年代オルタナ、シューゲイズの要素が色濃く出ている。少し男の子っぽいざらついた音が、よくいるインディー女子SSWとは一線を画する。
TANUKICHAN - SUNDAYS
Toro Y Moiがプロデュースするベッドルーム・シューゲイズ・ポップ・ガール!!
8. Beach House / 7 (Sub Pop) LP
7枚も同じようなサウンドでアルバムを出しても決して飽きられない、それは00年代以降のドリーム・ポップのベーシックを彼女らが作ってしまったからだ。しかしその音像はアルバムを出すたびにリスナーをどんどん深い海の底へと連れていく。今まで以上にダークで耽美、アルバム『Bloom』から続いているCocteau Twinsから受け継がれた遺伝子が光るこの世界線は、本作でついに美しいクライマックスを迎えているように感じた。
BEACH HOUSE - 7
誰も抗えないこの美しさ、、、奇跡のようなファンタスティック・ポップ・ワールド!!
9. Anna Burch / Quit the Curse (Polyvinyl) LP
今年は女性SSWが多すぎた。そんな中でもメロディセンスが群を抜いていると感じたのがこの女性。非常にシンプルなコード進行、いわゆるなローファイなギターサウンドだが、はっきりと歌われるそのメロディーはSixpence None The RicherやThe Cardigansなどメインストリームなギターポップにも匹敵するキャッチーさ。なんだか00年代のMichel Gondryの恋愛映画のようなふわふわとした浮遊感と胸を締め付ける甘酸っぱさが溢れている。
ANNA BURCH - QUIT THE CURSE (LIGHT GREEN COLORED VINYL)
Jay Som超えのUSインディ・シンガー・ソングライター激烈最高作!!
10. Suede / The Blue Hour (WM) 2LP
2013年より始まった3部作の最終章。耳に刺さる鋭いギターリフ、リヴァーブの効いたドラム、老いを一切感じさせないエモーショナルなブレットの歌声の組み合わせはまさに王道のSuedeサウンド。そこへストリングスが大胆に取り入れられクラシック音楽のように緩急がつき壮大に。日没後から日が開けるまでのわずかな時間"Blue Hour"のように薄暗く肌寒く神秘的。彼らの創作意欲がここまで健在で力強かったとは、大いに圧倒された。
SUEDE - THE BLUE HOUR
リユニオン三部作の完結編となる2018年最新アルバム!!
[イベント情報]
1/17(Thu) 「Luby Sparks Presents『Thursday I don’t care about you』」 @渋谷 WWW
with Say Sue Me (Korea)
[関連サイト]
https://twitter.com/lubysparksband
https://www.instagram.com/lubysparksband/
[関連商品]
LUBY SPARKS - (I'M)LOST IN SADNESS
新ボーカル加入後初となるニュー・リリース!!
LUBY SPARKS - S.T.
2017年9月リリースのファーストEPに続く待望のデビュー・フル・アルバム!!
LUBY SPARKS - S.T.
10年代ギターポップ史にその名を刻む、傑作デビュー・アルバムがアナログ化!