KM : Japanese Hip Hop - [2020-12-18]
[Profile]
音楽プロデューサー。ヒップホップに根ざした音楽スタイルを保ちつつ、異ジャンルとの果敢なクロスオーバーを試みる制作姿勢が常に話題に。Anarchy、Bad Hop、(sic)boy、田我流、Lexなど、すでに数多くの楽曲やリミックス・ワークを世に送り出している。自身名義では『Lost (EP)』(2017)、『Fortune Grand』(Album)(2018)、田我流とのEP『More Wave』(2019)、(sic)boyとのEP『(sic)'s sense』(2020)、アルバム『Chaos Tape』(2020)をリリースしている。
現在2nd.アルバムに向けて部屋篭り中。
1. (sic)boy/KM / Chaos Tape (Add.some labels) CD
今年のベストは、僕的にはこれ以外考えられないというジャイアニズムも許して頂きたいくらいに時間もアイデアも注ぎ込んだ（金はレーベルが注ぎ込んだけど）アルバムです。
トラックは(sic)boyの天才的で恐ろしいくらい純粋なメロディー・センスを軸に、時間の許す限りエディットを繰り返していますので、まだ聴いてない方は是非聴いてください心の友よ。
(SIC)BOY / KM - CHAOS TAPE
ジャンル東京を掲げて制作された待望の1st.アルバム!!
2. Mura Masa / R.Y.C (Red Vinyl) (Polydor) LP
Lil’ Peep以降、いよいよラップとロックの融合がポップ・シーンまで表面化した時点で、このゲームの行き着く先はバンド・サウンドに戻ることは明らかだったわけで、あとはタイミングと説得力を持つタレント、すなわち誰が歌うか、という事が重要だったと思う。そしてMura Masaも当たり前にそれを分かっていた。「だったら自分で歌うわ」と。
MURA MASA - R.Y.C (RED VINYL)
Mura Masaの2nd.スタジオ・アルバムはガレージ・パンクにインスパイアされた音源集。
3. Dominic Fike / What Could Possibly Go Wrong (Columbia) LP
昨年はEP『don’t forget about me, demos』をこの年末ベスト企画でもピックアップさせて頂いておりました。このイケメンはただのイケメンでは無いし絶対に話題になる、と。アルバムはラップ調のフロウはさらに影を潜め、トラップ・スタイルは排除され、バンド・サウンドに完全に回帰しているが、今年のキーワードであるローファイとインディー、ギターポップ・サウンドにぎりぎりクラブ・プレイ出来るドラムのバランスが100点満点だった。コロナで来日がキャンセルになった事が悔やまれるし、"Vampire"はハロウィン・パーティーでたくさんプレイされ、バズるはずだった。
DOMINIC FIKE - WHAT COULD POSSIBLY GO WRONG
フロリダのマルチ・タレント新星Dominic Fikeのメジャー・デビュー作がこちら。
4. Charli XCX / how I’m feeling now (Warnar) LP
今年の最重要プロデューサーの1人であるA.G.Cookがトータル・プロデュース。アルバム全曲通してエディットのしりとりをしているような感じ。トランスだったり、インダストリアルでノイズだったり、展開がコロコロ変わるが行き過ぎずポップ・ミュージックの枠に引っかかるバランスが素晴らしい。プロデューサーのアイデアと愛が詰め込まれている。（ちなみに2020最重要プロデューサーもう1人はDylan Brady、アルバムは出ていないのでここでシャウトアウト）
CHARLI XCX - HOW I'M FEELING NOW (NEON ORANGE VINYL)
コロナ禍のステイホーム期間に宅録メインで制作された新作がLPヴァイナルでもリリース。
5. Clams Casino / I'm God / I'm The Devil (Second City Prints) 7"
オンラインストアで発売されるも9分でソールドアウトした7"。アルバム『Instrumental relics』でLP切るかと思ってたら甘かったです。"I'm God"はImogen Heapをサンプルに使ったクラウド・トラックで、2009年リリースのLil' B"I'm God"のインストゥルメンタルになるんですが、今尚愛され続けているビートって感じですね。リスペクト。
CLAMS CASINO - I'M GOD / I'M THE DEVIL
アーティスト・サイト限定で初回限定プレス500枚が即完売した噂の7"がこちら。
6. Joji / Nector (88rising) 2LP
前述のClams Casinoも"Nitrous"という曲で参加。
全体を通して、インディー x ローファイな音像で、かつクラブ・プレイも可能という絶妙なバランスな上に、BPMまで良く練られている。個人的に"Upgrade"→"Gimme Love"の流れで一気に引き込まれた。一番好きなトラックはLil Yachtyをフィーチャーした"Pretty Boy"。賑やかで間の抜けたような盛り上がりチャント・パートが最高。
JOJI - NECTAR
前作『Ballads 1』(2018年)に続く2nd.アルバムが発売延期の末ついにLPで登場。
7. Partynextdoor / Party Mobile (Warner Bros.) 2LP
これはOVOの特色だと思うんですけど、基本的にトーンもダークで、盛り上がらないし、地味な楽曲が並ぶんです。それでも、家のリビングで聞いていると、浸れる。浸りきった5曲目、リード・トラックの1つである"Loyal"は完全にUAの「閃光」と聴き間違えます。Rihannaを迎えた"Believe It"が名曲。
PARTYNEXTDOOR - PARTYMOBILE
Drakeの後を追うカナディアン・シンガーPartyNextDoorの3rd.アルバムが2LPで。
8. kZm / Distortion (BPM Tokyo / KSR Corp) CD
キングChaki Zuluが総合プロデュース。Tohjiをフィーチャーした"Teenage Vibe"は間違いなく2020年を代表するアンセム・トラック。日本語ラップという枠組み、イメージ、今後の可能性をも大きく引き伸ばしたアルバム。
KZM - DISTORTION
およそ2年ぶりとなる待望の2nd.ソロ・アルバム!!
9. Lorenzo Senni / Scacco Matto (Warp) LP
ビートレスのアルバムという言葉から受ける印象を根底から覆す音像。
リズムを担うシンセサイザーのアタックを極限まで強調して、ダンス・ミュージックとしての機能も持たせている。インタビューでは「ダンスミュージックを作っているつもりは無い」とのことです。
LORENZO SENNI - SCACCO MATTO
エイフェックス・ツインも夢中になるトランスから重力を奪ったレイヴ探訪記!
10. Moses Boyd / Dark Matter (Exodus) 2LP
おそらくBandcamp RadioかNTSを部屋に流していたら"Stranger Than Fiction"が耳に引っかかった。最初に聴いた時は、ダブステップの曲をBadbadnotgoodかなんかがカバーしてるのかなと思った(笑)。一昔前だったらニュー・ジャズとか表現されるんですかね。聴いていくとブレイクスやUKガラージ、トリップホップの要素も伺えて、「UKジャズって今こんなに新しくなってきてるのか！」と興味を持つきっかけになってくれた1枚。
MOSES BOYD - DARK MATTER
Gilles petersonも賞賛するUKジャズ・ドラマーによるセカンド・アルバム!!
[イベント情報]
毎月第2土曜日 「Stereo Wave」 @渋谷 Sound Museum Vision
毎月第3火曜日 22:00- block.fm 「add.some radio」 放送中
[関連サイト]
https://kmmusicworks.wixsite.com/kmmusic
https://www.instagram.com/kmmusic_official/
https://twitter.com/KM_music_
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