山田光 : Japanese Pop - [2020-12-18]

[Profile]

1988年生まれ。サックス奏者・トラックメイカー・プロデューサー。2010年から2年間ロシアのサンクトペテルブルグで活動。帰国後、自身のユニットHikaru Yamada And The Librarians、Feather Shuttles Foreverの他、入江陽・毛玉・前野健太・平井庸一・んミィバンド・SNJOらのアルバムに参加。2020年、ショボいポップスのコンピレーション『Tiny Pop - Here's That Tiny Days』を監修。アルトサックスの内部・外部奏法、循環呼吸を追求している。昼間は会社員としてコンシューマーゲームの音響効果・サウンドデザインを担当している。

 

 

1. Junes K / Silent Running (Oilworks) CD
私が新世代の音楽家を選ぶとしたら福岡のビートメイカーJunes Kさんは外せないでしょう。今年リリースされたこのアルバム素晴らしかったです。サンプリング/コラージュ作品ですがやはり新世代感あります。マスタリングもバッチリ決まっていてしばらくリファレンスとしても使っていきたい盤。Oilworksからのリリースというのも文脈ハマっている。参加ゲストも素晴らしいです。特にサンプルに綺麗に溶ける歌唱を聴かせるMasahiro Kitagawaさんと5曲目の「世間体」で抽象的なトラックに対するメロディの切り出し方に驚愕&関心の寝坊主さんに耳を奪われました。

SILENT RUNNING

JUNES K - SILENT RUNNING

注目を集めるビートメイカー、Junes KのアルバムがOilworksから!!

CD |  ¥2,310 |  OILWORKS (JPN)  |  2020-12-15  | 

 

 

 

 

 

 

 

2. Neco Asobi / PSR B1919+21 (Neco Asobi) CD
タイミング的に一番難しい時期にリリースされたのが残念だったNeco Asobiのミニアルバム。タイトルはJoy Divisionの引用。音源だとエディットが効いていてクールな印象を受けますが、ライブでは、シーケンスに収まりきらないロックンロール的とも言っていいヤンチャなギターとドラムが印象的でした。その耳で音源に再度向かうとまた発見があります。ボーカルの高野ユニコさんはミスiD2021のファイナリストに入ったり、新プロジェクト光学(Koh-Gaku)にfeatされたり活動広がってますね。普通に出歩けるようになったらまたライブ観たいです。

PSR B1919+21

NECO ASOBI - PSR B1919+21

Local Visionsよりデビューしたシンセ・ポップ・ガールのファースト・ミニ・アルバム!!

CD |  ¥1,650 |  NECO ASOBI (JPN)  | 

 

 

 

 

 

 

 

3. Okada Takuro / Morning Sun (Only In Dreams) CD
来年また世間が明るさを取り戻したらまた落ち着くために聴きたいです。

MORNING SUN

岡田拓郎 - MORNING SUN

現代最高の男性シンガー・ソングライターによる超待望の新作セカンド・アルバム!!

CD |  ¥2,400 |  ONLY IN DREAMS (JPN)  |  2023-03-14 [再]  | 

 

 

 

 

 

 

 

4. Derek Bailey/Mototeru Takagi / Live At Farout, Atsugi 1987 (Nobusiness) LP
今年は日本のフリージャズで重要な発掘がいくつも出たが、内容的にもこれは素晴らしかったです。私は高木元輝の大ファンなのですがここではDerek Baileyやっぱり上手いな、と思ってしまいました。二人の息がぴったりで、というかこの共演するためのフォーマットを作ったのがDerek Baileyの発明なんですよね。Derek Baileyを聴く際に「フリー・インプロヴィゼーションも結局はある種のジャンル・ムードに回収されてしまった」という批判が先に織り込まれ過ぎている風潮は大変良くないと常々思っているのですが、ジャンルの中での差異を一つ一つ聴きましょうとしか言えない。とにかくこの盤はとても良いです。音も良い。

LIVE AT FAROUT, ATSUGI 1987

DEREK BAILEY / MOTOTERU TAKAGI - LIVE AT FAROUT, ATSUGI 1987

'87年、Derek Bailey来日時に高木元輝と厚木FarOutでの演奏を収録!

LP |  ¥3,600 |  NOBUSINESS (LTU)  | 

 

 

 

 

 

 

 

5. Jubilee Jubilee / Assort (AZTiC Music) CD
12/23発売なので正確にはまだ聴けていないのですが、既リリースのシングルに素晴らしい曲があるのでここでご紹介。
鳥取・島根のローカルアイドルJubilee Jubileeですが、「ゆびきり」という曲は10年聴けるアイドルソングだと思います。アシッドジャズな良い曲。作曲はSiraphの蓮尾理之さん。流麗なソプラノサックスは松江市在住の宮本美香さん。

ASSORT

JUBILEE JUBILEE - ASSORT

鳥取・島根を拠点に活動するアイドル・グループの初のベスト・アルバム!! 

CD |  ¥3,300 |  AZTIC MUSIC (JPN)  | 

 

 

 

 

 

 

 

6. Farewell, My L.u.v / Gloomy Girl/Up Down (Surf Club / JET SET) 7"
もう一つアイドルですが、名古屋のFarewell, My L.u.vの"Gloomy Girl"は素晴らしい。新譜も出ましたが私はこちらの前作ほうが濃い感じで好みでした。この7インチがJET SETの制作で出るというのも素晴らしい。ちゃぷちゃぷRainy Day。

GLOOMY GIRL

FAREWELL, MY L.U.V - GLOOMY GIRL

とけだした青い雫のメロディにメロメロのレイニー・ディスコ・ブギー!!

7" |  ¥1,540 |  SURF CLUB / JET SET (JPN)  |  2020-12-08  | 

 

 

 

 

 

 

 

7. どろうみ / 親のない星が手の中で (Oninoko) CD
音が良い!チェロ、マンドリン、ギター、ピアノが理想的にオンマイクで録られていて、実際のライブより音が良いと思ってしまいました。日本語で歌うフォークを基調としたバンドのリファレンスになっていっても良いCD。セキモト氏熱唱の「九龍城落地」が好きです。

親のない星が手の中で

どろうみ - 親のない星が手の中で

ピアノとチェロによる縦横に拡張されたアレンジが新鮮なアコースティック・ポップ・バンド!!

CD |  ¥1,980 |  ONINOKO (JPN)  |  2020-04-03  | 

 

 

 

 

 

 

 

8. Lennie Tristano / The Duo Sessions (Dot Time) CD
Lennie Tristanoの発掘盤。これも凄かった。晩年の生徒とのデュオ演奏が3組収められている。ドラマーRoger Mancusoとのデュオはトリスターノのポリリズムとズらしをこれまでの録音の中でも最もわかりやすく聴くことができる。サックスのLenny PopkinはWarne Marshのスタイルを更に純化したような閉じた演奏で最高。ジャズ界もいろいろなカルトがあるがほんとに密室感があります。閉じきっている。

THE DUO SESSIONS

LENNIE TRISTANO - THE DUO SESSIONS

クール・ジャズ創始者、Lennie Tristanoによる未発表音源集!

CD |  ¥2,350 |  DOT TIME (USA)  | 

 

 

 

 

 

 

 

9. Jongdari13 / 時間のない音 (Jongdari13) CD
3人のアルトサックス奏者、松本崇史・若林一也・松井宏樹によるアルバム。サックスアンサンブル的なハーモニー曲も良いが、3人が高速トリルを重ねてミニマル・ミュージックになっていく曲が良かったです。こういうのやりたいと思っていましたが上手くないとできない。録音も良いです。

時間のない音

JONGDARI13 - 時間のない音

3人のアルト・サックス奏者によるジャズ・アルバム。

CD |  ¥2,200 |  JONGDARI13 (JPN)  | 

 

 

 

 

 

 

 

10. V.A, / Tiny Pop - Here's That Tiny Days (P-Vine) CD
初期の打ち合わせで野田努さんが「どうせやるなら敵を作るくらいの覚悟じゃないとダメだよ」と仰られ「そんなァ~」という反応しかできなかったのですがリリースされると意外な反発もあり、やはりインパクトがあるものを作れたのかなと思います。そして体感よりも出荷枚数はだいぶ多かったので嬉しいです。ゆめであいましょう「誰もが誰かに」、エブリデ「牛の記憶」、SnjoとゆNovation"Days"などCDのみ収録曲もぜひ聴いてください。タイニー・ポップ的なもの、また来年以降何か出てくるような気もしています。
今年一年は実店舗になかなか行けなかったのもあり新譜があまり聴けませんでした。人のシェアするものもなぜかクリックすることができない精神状態であったり。そんな中、古いハードディスクを引っ張りだしてLee Konitzのディスコグラフィーを聴いたり(執筆のため)、Albert Aylerの全アルバムを聴き直したり(執筆のため)、Captain Beefheartの全アルバムを聴き直したり(これは趣味)できたのは楽しかったです。フィジカル以外で好きだったのは果樹園(Mellow Blush+ミヤオウ)のSoundCloud、Nerubeatsさんの『Pretty Little Distance』(凄いと思っています。私は作れない)、SettaさんのSP-404SXのビート、EspeciaのサウンドチームがやっているThe Replicants『Rediffusion 1』(五十嵐一生が特別参加している!)などでした。音楽書籍のリリースも充実していて、『スティーヴ・レイシーとの対話』(月曜社)、『日本フリージャズ・レコード図説』(カンパニー社)が素晴らしかった。来年は明るく音楽聴きたいですね!

TINY POP - HERE'S THAT TINY DAYS

V.A. - TINY POP - HERE'S THAT TINY DAYS

2020年注目を集める新世代ポップ・コンピレーション!!

CD |  ¥1,100 |  P-VINE (JPN)  |  2020-01-28 [再]  | 

 

 

 

 

 

 

 

 


[イベント情報]
3/1(Mon) 「平井庸一『The Hornet』発売記念ライブ」 @新宿 ピットイン


[関連サイト]
https://ekytropics.blogspot.com/p/blog-page.html


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TINY POP - HERE'S THAT TINY DAYS

V.A. - TINY POP - HERE'S THAT TINY DAYS

2020年注目を集める新世代ポップ・コンピレーション!!

CD |  ¥1,100 |  P-VINE (JPN)  |  2020-01-28 [再]  | 

TINY POP MIX - ORIGINAL ARTIFACTS FROM THE FIRST TINY ERA 2014~2020

HIKARU YAMADA - TINY POP MIX - ORIGINAL ARTIFACTS FROM THE FIRST TINY ERA 2014~2020

宅録音楽家達の音源をコンパイルした、ジャパニーズ・ベッドルーム・ポップMIX!!

MIXCD |  ¥0 |  JET SET (JPN)  |  2022-11-25 [再]  | 

EVERYTHING DROPS EXCEPT STAMPS

HIKARU YAMADA AND THE LIBRARIANS - EVERYTHING DROPS EXCEPT STAMPS

ドリーミン・サンプリング・ポップ・ユニットの新作サード・アルバム!!

CD |  ¥1,650 |  - (JPN)  |  2018-11-30  | 

GENRE MUSIC → GENRE MUSIC

HIKARU YAMADA AND THE LIBRARIANS - GENRE MUSIC → GENRE MUSIC

遂にファースト・アルバムが完成。2014年注目すべき新機軸ベッドルーム・インディー・ポップ!!

CD |  ¥2,343 |  OCTAVE (JPN)  |  2014-05-21 [再]  |