CH.0 : Japanese Hip Hop - [2021-12-17]
[Profile]
1993年京都生まれ、京都在住のDJ/ビートメーカー。ヒップホップのCDコレクターであった兄の影響を受け、16歳のときターンテーブルを手にする。以降、ヒップホップ・クルーDripを結成後、DJとしてのキャリアをスタート。2016年、C.O.S.A. × Kid FresinoのツアーDJを務めた後、Kid Fresinoや日本横町と共にDJパーティー"Off-Cent"をオーガナイズし、各地を転戦。最近の仕事では、Jazzy Sport Kyotoの3周年を記念したミックスCDの制作を手掛けた他、レコード・ショップPinks Vinylのディレクターを務めるなど、他分野にまたがって自らのスタイルを表現している。2021年、レコード・レーベルOnda Bubblesを設立。
1. Joy Orbison / Still Slipping Vol. 1 (XL) LP
情報のスピードが早くて少し辟易していた2021年夏、数少ないリリース前から楽しみにしていた作品。後述のOvermonoとのコラボなど、これまでのクラブ即戦力なダンス・トラックのリリースから、いい意味でその流れを断ち切るかのような内省的な作品に感じて、それがまた上手く世相を反映していたようにも聴こえました。各メディアのインタビュー記事などからも読み取れる、自然体なキャラクターにも好感が持てます。
JOY ORBISON - STILL SLIPPING VOL.1
テン年代UKガラージ・ハウス最重要プロデューサーJoy Orbison初フルレングス作品!!
2. Overmono / Diamond Cut/Bby (XL) 12"
こちらもXL Recordingsからのリリース。硬質でタイトなキックで、箱鳴りも相当なものと思われます。"Bby"(B1)は唸るベースとアンビーな上ネタが交差するブレイクビーツ・テクノ。アーリータイムのフロアをじっくり低温で温めてくれることでしょう。今後もリリースが続きそうなので、小まめに追っておいて損はないと思います!
OVERMONO - DIAMOND CUT / BBY
ベース・ミュージック界のトップ・ランナー、Overmono待望の新作!!
3. 小袋成彬 / Piercing (Sony Music) LP
本来なら今年リリースのニュー・アルバム『Strides』を真っ先に取り上げたいところですが、現状デジタル・リリースのみという事でこちらがランクイン。2019年にデジタル・リリースされて以降、その後の動向がずっと気になっていたアーティストの1人で、日本のポップスの枠に留め置くには勿体ないほどの稀有な才能の持ち主だと思います。特筆すべきはアルバム・ラストを飾る"Gaia"(B4)。セルフ・プロデュース作品ならではの独創性を保ちながら、その他大勢のメジャー作品を易々と凌ぐクオリティー。このまま何周でも聴いていたいです。
小袋成彬 - PIERCING
2019年配信のみでリリースされたセカンド・アルバムがアナログ化!!
4. Mild High Club / Going Going Gone (Stones Throw) LP
2016年リリースの前作、『Skiptracing』から5年。噛むほどに甘味が膨らんでいくような、摩訶不思議アンニュイ・サイケポップな世界観そのままに、前作よりさらに練り上げられたDiy作品へとビルドアップしています!本作のように聴く時間帯やシチュエーションによってここまで曲の印象がガラッと変わる作品も珍しいです。向こう何十年と聴き続けたい、オールタイム・フェイバリットな1枚になり得る逸品です。こういう作品こそまったりレコードで味わいたいものです。
MILD HIGH CLUB - GOING GOING GONE (GREEN VINYL)
5年ぶりとなる超待望のサード・アルバム!
5. JNKMN / Good Junkee (Castle) CD
国内のヒップホップだと、今年はこれと同氏も所属するコレクティブ、JODYのコンピばっかり聴いていました。もはや熟練の域へと到達したタイトな脚韻の応酬にヤられてしまって...。同時に豊富な客演参加でも知らるラッパーですが、ソロ名義ではさらに表現の幅を広げていて、吐き出す言葉の数々はどこまでも等身大。SNSで見せてくれる含みたっぷりの呟きにも常に目が離せないです。
JNKMN - GOOD JUNKEE
Yentownの中心人物、JNKMN待望の2nd.アルバムが枚数限定でCD化!!
6. Patrick Paige II / If I Fail Are We Still Cool? (Fat Possum) LP
The Internetのメンバーで、ベーシストのPatrick Paige IIのソロ作品。この辺は普段割とスルーしてしまいがちなんですが、友人の車で移動中、"Big Plays feat. Westside Mcfly"(A3)が流れてきてすぐに誰の曲か尋ねたのを覚えてます。洒脱でアーバン、でもたまに刺してくる。そんなバランスが素敵です。
PATRICK PAIGE II - IF I FAIL ARE WE STILL COOL? (CLEAR BLUE & SMOKE VINYL)
The Internetのベーシストによる新作ソロ・アルバムが限定カラー盤で登場。
7. Sam Gendel & Sam Wilkes / Music For Saxofone & Bass Guitar (Leaving) TAPE
2018年リリースの『Music For Saxofone And Bass Guitar』で受けた衝撃から約3年。その続編となる作品とあらば、自然と手が伸びてしまうのはDJの性でしょうか。350本限定 カセットテープでのリリースというのがまた心憎いです。当然のことながら現在は入手困難となっていますが、ここは各種定額サブスクリプション・サービスを頼りましょう。10秒でL.A.にひとっ飛びです。
SAM GENDEL & SAM WILKES - MUSIC FOR SAXOFONE & BASS GUITAR MORE SONGS
ロングヒットとなった名作コラボの続編!!
8. Jay Worthy X Shlomo / Till the Morning (GDF) TAPE
意外性で言えば今年ナンバー1のコラボだったかも知れません。The AlchemistやHarry Fraudとの共作にLNDN Drgsとしての活動など、常に話題に事欠かないラッパー Jay Worthyと、Low End Theory以降のL.A.ビート・シーンを牽引しつつ、イケイケブリンブリンのラッパー・シンガー達のプロデュースもサラッとこなせちゃう柔軟性を併せ持つShlohmoのコラボ作。サンプリングの抜きどころも完全に分かってらっしゃる流石のセンス。
JAY WORTHY / SHLOMO - TILL THE MORNING
L.A.コネクション。絶妙な相性をみせるコラボレーション・アルバム!!
9. Young Dolph & Key Glock / Dum and Dummer 2 (Empire) 2LP
本来であれば是非アルバムで!!とオススメしたいところですが、"Penguin"(A1) が個人的ベスト。かくいう自分もこの曲を知ったのは某SNS動画がきっかけだったということから、あえて単体で曲名を挙げさせて頂きました。そんな中、今年11月18日に銃弾に倒れたという報道が...。事実上、生前最後のアルバムとなった『Paper Route Illuminati』も先日リリースされたばかり。是非聴いて彼の死を悼みましょう。Rip Dolph、神のご加護を。
YOUNG DOLPH & KEY GLOCK - DUM AND DUMMER 2
Young DolphとKey Glockというメンフィス・コネクションによる共作第2弾。
10. Brittany Howard / Jaime (Reimagined) (Ato) LP
音楽って素晴らしい。小難しいことは抜きにして、純粋にそう思わせてくれたのは、Alabama Shakesのシンガー/ギタリスト、Brittany Howardのリミックス・アルバム『Jamie (Reimagined)』。この手のメジャー作品は何故かあまり聴いてこなかったタチなんですが、この作品を避けて通ることは流石に無理でした...。Childish Gambino、Common、9th Wonder、Earthgang、BBNG、Bon Iver、Syd、Georgia Anne Muldrow、この並びを見た時点でスルーしていい作品では無いことは明らかな訳で。あらゆる人種/音楽性/ジャンルの垣根を飛び越えた表現性豊かな名作です。
BRITTANY HOWARD - JAIME (REIMAGINED)
目を見張る豪華面子が参加した1st.ソロ・アルバムのリミックス・アルバム!!
[イベント情報]
2/12(Sat) @Octave 京都
2/19(Sat) @West Harlem 京都
[関連サイト]
https://linktr.ee/CH.0
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